【広告運用】運用開始前の3step事前準備
やみくもに広告を打ってもある程度の成果は出るでしょう。
ただ、費用対効果を最大まで高めるためには市場全体の理解と論理的な訴求の選択が必要です。
今回は、3C(customer/competition/company)のフレームワークを基に、3Stepに分けて事前準備の分析を進めていきます。
新卒のマーケターを意識して書いていますので、初歩的な内容を含みます。※本文中のリンクを踏むと、その用語を検索できます。
例:IS
Step.1 商材の理解
今回、商材の理解は4Cというフレームワークを用いて行います。
・顧客価値(Customer Value)
顧客が商品/サービスに対して感じている価値。
・メリット
・ベネフィット
・便利さ
・性能
・品質
・ブランドイメージ
・デザイン
具体的に:
私は刃物屋さんだとします。超よく切れる包丁を売り出します。
顧客価値は下記の通りになるでしょう。
・顧客のコスト(Cost)
顧客が商品やサービスの価値を得るために支払う費用のこと。
費用対効果もここに入れてあげるとよいでしょう。
具体的に:
私は刃物屋さんだとします。超よく切れる包丁を売り出します。
顧客のコストは下記の通りになるでしょう。
・顧客にとっての利便性(Convenience)
入手方法、決済方法、サポートなどがこの内容に当たります。
商品やサービスの入手方法は顧客が求めるものになっているかを基に、どのような販売方法を選択すれば購入につながりやすいのか、顧客目線での検討が必要です。
具体的に:
私は刃物屋さんだとします。超よく切れる包丁を売り出します。
顧客にとっての利便性は下記の通りになるでしょう。
ですが、あまりに母数が絞られすぎてしまいます。
より多くの人の元へ届けるために、
・日本各地から購入可能にしたい
・すぐに手元へお届けしたい
・価格が高いため、分割支払いも受け付けて顧客層を広げたい
と考えていましたので、下記を提案し、顧客の利便性を上げました。
・顧客とのコミュニケーション(Communication)
・オンライン
・オフライン
・対面販売
・イベント出店
・SNS
・・・
と、どのようなツールで顧客と接点を持つのか、親しみやすさや良好な関係性について設計します。
具体的に:
私は刃物屋さんだとします。超よく切れる包丁を売り出します。
顧客とのコミュニケーションは下記の通りにします。
ここまでで自社サービスの分析は終了です。
強み、弱み、どのようなお客様がターゲットになるかうっすらとイメージがついたかと思います。
Step.2 ユーザーの理解
具体的にターゲットとペルソナを作成し、自社商品の買い手を解像度高く把握してください。
ペルソナ作成に関しては別noteでまとめておりますので、良ければご参照ください。
Step.3 競合の理解
競合の分析は、5F(ファイブフォース)というフレームワークを用います。
4Cと違ってCから始まる4つの指標というわけではなく、市場に存在する「力(フォース)」を5通り分析するものです。
以下、5項目に分けて説明します。
・既存の競合他社
競合分析と言われて、真っ先に思い浮かぶ「競合他社」の内容です。
①でマーケットパイを大まかに把握し、
②で競争の激しさを確認します。
③でどの訴求で戦っていくべきかを考え、
④で新規参入のハードルと売上転換点を認識するイメージです。
・代替品の脅威
自社サービスの代替品として何があるかを確認します。
あなたがパスタ屋さんのチェーン店オーナーであれば、冷凍パスタや本格イタリアンレストランが当たるでしょう。
ここで、広く取りすぎるのも狭く取りすぎるのもよくありません。
外食業界というくくりで言えば、牛丼チェーンなども代替品と言えなくはないからです。
例えば、広い枠組みで考える場合はまず自分のお店の半径〇kmにあるお店などを対象にするとよいでしょう。
ここで代替品の強み/弱みとターゲティングについても分析し、自社が押し出していくべき訴求がどこなのかを考えます。
・新規参入者の脅威
「既存の競合他社」で触れた④事業にかかる固定費、撤退時の費用にも関連します。
ビジネスでは一般的に先行でサービス提供している事業者が強いとされていますが、その業界への参入ハードルが低ければ低いほど新規参入は強い脅威へなり得ます。
①で新規参入がどれくらいあり得そうか把握します。
運転資金が高額であったり、差別化がほとんどされない(コモディティ化)しているサービスは参入ハードルが高いと言えるでしょう。
市場成長率が低いと、そもそも取り合うパイが減少傾向なので参入しにくくなります。
②新規参入があり得る場合、何を訴求する参入者なら打撃を受けそうなのか、把握します。
どう差別化するか?はマケで考える必要がありますが、
自社サービスが足りていない部分が明確な場合、企画などへその旨を共有する必要が出る場合もあるでしょう。
・買い手の脅威
買い手の交渉力(乗り換え、交渉など)を把握します。
下記のような場合、買い手の脅威が大きいと言えるでしょう。
この③については注意が必要で、「顧客にとって」他社と差がないという点に留意しなければなりません。
お客様がどのようなニーズでサービスを利用していて、差別化できるならどこなのか?
これを整備するためにはカスタマーサポートへ情報提供や協力をお願いする必要があるでしょう。
買い手の脅威が大きいと判断できた場合、
・差別化を図り、乗り換えモチベを下げる
・スイッチングコストを更に下げ、競合からの奪取を図る
など、戦略を策定する必要があります。
・売り手の脅威
買い手の脅威と逆の関係にある力です。
以下のような場合、売り手の脅威は大きいと言えるでしょう。
例えば、解約料などの契約があるときがわかりやすいでしょう。
買い手に取れる選択肢が狭く、競合から顧客を奪取するのは容易ではありません。
上記で、商材/ユーザー/競合の理解は終わりです。
3ステップを通してどうやって訴求をしていくか、どう戦略を練るかのイメージがより具体的になったかと思います。
おまけ:商品企画
運用を開始する前に全体を把握しておくことで、むやみに広告費を浪費することもなくせるでしょう。
商品企画にも携われるのであれば、商材の理解へ注力し「何が顧客価値になりうるか?」を深く掘り下げると進めやすくなります。
オンラインピル処方サービスを例にとれば、
「安くてとにかく手軽なサービスを」というユーザーをターゲットにする場合、商品名もライトで覚えやすい「ほすぴる(hospital+pil)」などがよいでしょう。
「少し値が張ってもいいから、とにかく安心でフォローも手厚いものを」というユーザーをターゲットにする場合は、覚えやすさは薄いものの、ブランドイメージを押し出した信頼感を少しずつ蓄積していける商品名「werelief(welcome relief:来てほしい時に来てくれた助けの意)」などいいかもしれません。
※上記は全て適当な例です。
商材/ユーザー/競合の理解をフレームに沿って分析/把握している状態で企画も進めることで、今後の販売戦略の立てやすさも明確になるでしょう。
以上で「運用開始前の3step事前準備」noteは終了です。
ここまでお読みくださりありがとうございました。