中小企業診断士を独学してみて思ったこと(1次試験編)
中小企業診断士の受験は、2019年の頭あたりから考えていた計画だった。
とはいっても僕は、しがたない営業職で子供にもお金がかかる。
通信講座をいきなり選択できるほど余裕がない。
大学を卒業しているし、勉強することには少しばかりの自信があった僕は、特に調べることもなく独学を選択した。
「テキストだけなら安いに決まっている」
本当に軽率な考えだったと今では後悔している・・・・。
僕は、中小企業診断士をハイスコアで合格したわけでも、人に講釈垂れるような勉強のコツとかやり方といったノウハウを開発したとかではないので、あくまで主観での話しかできないが、一応独学メインで合格するにあたってたくさんの無駄を経験したので、これから受験される皆様がその無駄を経験しないように参考にしてもらえればと思う。
はじめに
もちろん中小企業診断士には、1次試験と2次試験があって出題方法がまったく違うので分けて説明する。
1次試験は何も分からず(2次試験も何も分からんかったけど・・・)闇雲にテキストを買いあさり、問題集を解いたり、テキストの音読・読み込み、途中から過去問など色々やった。
1次試験に関して、どう勉強したらいいと思ったかは最後に書くとして、中小企業診断士に関するテキストについては、目が回るくらい色々な種類のテキストが出版されており、どれを選べばいいか当時の僕は凄く悩んだ記憶があるので、まず最初に買ったテキストに対して書こうと思う。
購入したテキスト
みんなが欲しかった! 中小企業診断士の教科書
こちら上下巻で分かれているカラーで見やすいテキストと問題集。
こちらのテキストはほとんど使わなかった。
後述するスピードテキストのほうが内容も充実しており、理解するにあたってはこのテキストでは不足が出ると思う。
カラーで見やすく、とっかかりやすいが上下巻と分かれており、3科目分くらいでセットになっているので、よほど分からないなら買うのも有りかもしれないけど・・・。
それなら試験問題集などを買った方が理解が深まるかと思う。
なんて書いてたらXにて、こんなポストを見つけた。
これだけで合格できるなら、それに越したことはない(血涙)
僕にはそんな実力はなかったのでオススメ度は下記の通り。
オススメ度
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
中小企業診断士 最速合格のためのスピードテキスト
受験のメインツールになった。
合格後もたまに知識を思い出すのに読んだりする。
過去問には、内容が充実しているこのテキストにすら書かれていない内容もよく出るので、必要であれば余白に書き込むなどまさにぼろぼろになるまで使い込んだ。
あって損はないと思う。
オススメ度
★★★★★★★★★
中小企業診断士 最速合格のためのスピード問題集
テキストと合わせて全科目購入した。
問題に対する解説があったので、勉強初期の頃は解説を読むことで、理解するモチベーションになったのは事実だけど、必須かと言われると、うーん・・・・。
結局、過去問でも相当数の問題をやりこむし、問題集だけでは、試験問題特有の”癖”みたいなものを理解できないと思った。
例えば、過去問をやった上で点数が上がらないとか、理解が難しい科目だけ買うといった、あくまでも補完的な役割がいい気がする。
オススメ度
★★★☆☆☆☆☆☆☆
中小企業診断士 最速合格のための第1次試験過去問題集
過去の試験問題に対して丁寧な解説がついているテキスト。
過去5年分の試験問題に対して解説がついているが、もちろん5年分より昔の過去問については、結局自分で調べないといけなくなるし、そもそも量として、5年分では物足りないと個人的には思う。
過去の問題文や単語をインターネットで調べると、優しい人の解説が結構出てくるので全科目必須というわけでもないと思った。
例えば、企業経営理論の試験では、主として問いたい骨子みたいなものがあるけれど、時にそれがテキストには載っていない名前や理論に姿を変えて聞かれる。
その時は、どれが正解か分からないけど、調べていくうちに「ああ、要するにこういう概念(?)が大事なんだぞ!と言いたいんだなぁ」みたいに理解でき、結果的に、あれやこれや解説はあるけれど、どれも似たようなことを問われてたんだな。となった。
(例えば差別化集中戦略のことなんだけど別の名前で出題されたり、5フォースモデルが元となった理論で、そのワード自体はその年度しか出ないけど結局のところ5フォースに近いことが言いたい。みたいな感じ)
テキストに載っていない名前や理論を全て覚えることは無理だし、1次試験の解説はその問いたい骨子さえ分かっていれば十分だと思った。
当時の僕は過去問で出てきた理論を全部テキストに書き写したので、今思えば時間の無駄だったと後悔した。
これから勉強する人は何を言ってるのかさっぱりだと思うけど、多分やっていくと分かると思う。
話が逸れたけれども、とはいっても全ての教科で必要ないかと言われるとそうでもなくて、例えば財務・会計とか、経済学なんてのは問題について調べにくいし、経営法務は法律改正によって、過去問と現行法が違う可能性が大いにあるので、その辺りを抑えるためにもいいのかもしれない。
企業経営理論の件で、正直あまり要らないと思っていたけど、意外とあるといいのかもと思った。
オススメ度
★★★★★★☆☆☆☆
中小企業診断士 集中特訓 財務・会計 計算問題集
財務・会計は2次試験でも出題される!取り合えず買ったろ!で買った問題集。
前述の問題集のように量をこなす、満遍なく網羅する。というより各出題範囲に対して更に深く理解する。といった感じのテキストだった。
出題の仕方も、2次試験みたいに「X社」に対しての説明が書かれていてそこから文章題が始まったり、FCFの計算やWACCなども2次試験を意識した出題(近いわけではない)の仕方だった。
1.5次試験対策書籍みたいな立ち位置。
ただ、中途半端感は否めないのであまり要らないと思う。
オススメ度
★★★☆☆☆☆☆☆☆
中小企業診断士 最速合格 要点整理ポケットブック 第1次試験1日目
こちらは要点だけまとめたテキストだが、スーツの内ポケットに入るくらいに小さいので携行性に優れている。
買った理由は営業車の中で、やることが無い時にでも読み込もうかなという意図で買った。
1日目、2日目で分かれており、不得意科目や暗記がメインとなる科目の反復学習には使えるかもしれない。
けれど内容が限られているのは致し方ないので、人を選ぶ(使うシチュエーションがある人にはお勧め)テキストという印象。
オススメ度
★★★★☆☆☆☆☆☆
まとめ
独学の強みと弱み
これら全てのテキストの合計支出は¥55,880だった。
意外と安くない。
STUDYingのスタンダードコースに匹敵する支出である。
また、独学だと分からないことがあっても自力で解決しないといけないため、通信講座や予備校の「誰かに相談できる環境がある」というのはとても心強いと思った。
とはいっても、相談しなくても今ではX(旧twitter)で聞けば教えてくれる人も多いから相談環境だけで決めるというのもいかがなものかと思う。
コスパという強みを活かし、独学を選ぶならばテキストを取捨選択するべきだ。
また、独学にはコスパ以外のメリットがないかというとそういうわけでもないかと思う。
ストレートや2年で合格できるならいいけれど、通信講座の受講を3年、4年・・・と多年度になればなるほど費用がかさむ。
STUDYingではテキストの印刷や冊子の購入は出来たと記憶しているが、今まで「オンラインにて講座を聞いていた環境」から、「一人で過去問のやりこみやテキストの読み込みを黙々とやる環境」への変化が、僕にはそれなりにストレスだろうなとも思った。
僕が1次を通信講座にほぼ頼らず合格したのであくまで推測なのだけれど。
以上を踏まえて勉強方法について
一般的な勉強指南でもよく言われる通り、中小企業診断士も過去問を使ったインプット・アウトプットを行っていくことが1次試験学習方法のセオリーになると思う。
テキストの読み込み(インプット)⇒過去問やりこみ(アウトプット)⇒苦手箇所を絞っていきテキスト読み込み(インプット)・・・
といった流れで問題ないと思う。
したがって勉強方法については
テキストの音読や読み込み
過去問を解き苦手科目、苦手分野を洗い出し
間違えた分野の読み込み
別の年度の過去問
必要があれば苦手科目の問題集を購入し解く
といった感じかなと思う。
また、周知かもしれないが、試験問題は中小企業診断協会の試験問題ページから印刷ができるのでそちらを使って貰えればと思う。
僕は、経済学部出身だったので経済学に関してそれなりに知見があったけど色んな人の話を聞くと経済学を苦手とする人は多いようだった。
(確かに、慣れてない状況であのIS-LM曲線なんて理解し難いのも分かる・・・)
前述の通り、独学でもあれやこれやテキスト買ってたら通信講座並の出費になるから、自信がない、理解できなさそうな科目があるなら潔く通信講座や予備校に通うのも有りだと思う。
独学か、通信講座始め他の方法で勉強するか悩んでいる人の参考に少しでもなれば幸いである。
次回は2次試験編について書きます。