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新宗教の建造物の探訪録(10)崇教真光
今回は岐阜県高山市にある「崇教真光」の探訪録です。岐阜県の国宝建造物の探訪ついでに見てきました。
真光系教団の中でも最も信者数が多い教団ですが、いずれの教団も教義自体は似ていると言われています。
2代目の跡継ぎ騒動で開祖の側近が世界真光文明教団を引き継ぎ、教祖の養女が追い出される形で多くの信者を引き連れて立教したのがこちらです。その後も両団体内部でもお家騒動が起こり、いくつもの分派があることから総じて真光系と称される訳です。
教義は神道ベースとされていますが、他の5大宗教も包括する神様を信仰対象としていること、先祖供養に重きを置いていること、病は魂の汚れによるものとしていること、など他の新宗教にもよく出てくるような教義がベースです。これに、終末思想や手かざしによる浄霊、自然農法の推奨、他の宗教との並立信仰を認める、お手軽に入信でき、数日の研修で手かざしが可能となるなど、めちゃくちゃ複雑な教義でもなく、一般に受け入れられやすい要素もあるようです。
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観光客で賑わう高山駅東側ではなく、西側の緑と住宅が混在するやや閑散としたところに本部があります。上が1984年に竣工した世界総本山です。屋根が出雲大社などに採用されている大社造を意識しているのかな。全然違うか。
高山は重文もたくさんある雰囲気ある街並みで有名ですが、そこから一定の距離はあるものの、それとは真逆のド派手で宗教色がガツンと出た巨大施設です。
なお、修復工事中で近くで見ることはできませんでした。
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そのお隣にあるのが、2020年に竣工した白亜の世界総本山 第二神殿、愛和館です。世界総本山の機能はこちらに移しているようです。曲線の屋根が特徴的ですが、モダンなイメージで、教団のマークを除けば最近のアリーナっぽくて、そこまでは威圧的ではないかな。
時間がなかったので内部は探訪しませんでしたが、他の宗教施設にあるあるの外部者を排他する感じはなく、施設を取り囲む遊歩道は一般人にも開放されています。
高山市内には同教団の美術館、光ミュージアムや、開祖、2代目の記念碑、光聖堂、信者の交流施設、眞光青年会館といった巨大施設も点在しており、巨大施設好きにはいいのでしょう。