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新左翼の公然拠点の探訪録(2)中核派
前回は革マル派でしたので、今回は中核派の公然アジトを取り上げます。
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江戸川区の国道14号線から少し入った住宅と町工場が混じった地域にある、ある意味で目立った外装です。活動拠点であると同時に活動家が寝泊まりする合宿所の機能も有しており、他の新左翼や右翼の突撃を防御するために擁壁で囲われているという特異な外観です。とは言っても、目の前はマンション、周囲は企業の建物が隣接し、普段は近所の方が近くを普通に歩いています。内部の様子については中核派自らがメディアに出しています。
正式名称は「革命的共産主義者同盟全国委員会」といい、紆余曲折を経て、前回紹介した革マル派と路線で対立し、分裂しました。革マル派は仲間を増やす路線、中核派は運動展開する路線とされていますが、対革マル派を中心に激しい内ゲバ合戦を展開しました。また成田闘争では民間人や警察を標的としたテロ行為を繰り返していますし、渋谷暴動で警察官を殺害したとして係争中である大坂正明被告を50年以上かくまっていたことでも、かつて人を殺すこともいとわない団体だったイメージで若い世代にも知られるようになりましたね。
特に成田闘争以降は、内ゲバ以外にテロ行為は相当自粛され、高齢化も止まらず、先鋭した活動は鳴りを潜めつつあります。とは言え、杉並区議を輩出し、労働組合や大学自治会に深く根付いている中核派ですので、しばらくは活動は続きそうですね。
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ちなみに、こちらは千葉市内にある労働組合、国鉄千葉動力車労働組合、通称「動労千葉」の本部です。旧国鉄時代からJR労組は革マル派との関係が強いとされていましたが、革マル派とその影響下にある労組が三里塚闘争から手を引く決断をした際に、闘争の継続を主張し、千葉動労は国鉄労働組合と仲違いしました。中核派の関係を公然としている稀有な労働組合ですので、本記事の関連としてご紹介します。
本部は貸し会議室としても使われているそうです。
【続く】