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千葉県の重要文化財(建造物)の探訪録(10)
今回は、香取市の探訪となります。
市の中心は旧佐原市で、川越、栃木とともに三大小江戸と称され、古建築物が連なる雰囲気のある街並みで有名です。
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この小野川沿いの街並みがハイライトなのでしょうね。6年前に痛ましい事故のあったサッパ船といわれる手漕ぎの遊覧船は復活していました。こちらの舟もいいものですが、ここから北に数キロ行った潮来市との市境界にある舟の方が、乗客視点という点では楽しいかもしれません。
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こちらは正上醤油店。190年以上前の建造で、土蔵とともに千葉県指定有形文化財となっています。
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旧油惣商店は120年以上前、隣の土蔵は約230年前のもので、いずれも千葉県指定有形文化財です。
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今回、確認しておきたかったところはここです。旧川崎銀行佐原支店、110年前の建造です。全国に10か所残存している旧川崎銀行のうち、ここを含めて千葉県には3か所もあります。千葉県指定有形文化財となっています。ドーム型屋根が残っているのが良いですね。
これ以外にもこの辺りには4つ県指定文化財の建造物があります。新しめの建物も古い雰囲気を出しています。
佐原に来たら念のため抑えておきたい伊能忠敬記念館です。
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ここでは、国宝に指定されている忠敬の測量に関する資料、下図や用具を保管しており、定期的に展示を入れ替えています。しかし、有名な「大日本沿海輿地全図」の正本や副本は焼失し、その写しや、縮小版で重要文化財として国立博物館に保存されている小図などが残されています。この日はゼンリンが所蔵する縮小版の副本が展示されていました。小図とは言え、重要文化財級と評価されているだけあって壁一面の大きさで、精巧さは十分伝わってきました。
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小野川を挟んで記念館の向かいにある伊能忠敬旧宅です。230年前のもので、国指定史跡となっています。忠敬は50歳で隠居し、江戸で測量技術を学び、その後に全国行脚をしたといいます。
さて、香取市で重文の建築物と言えば、下総国一宮、香取神宮を外すわけにはいきません。伊勢神宮、鹿島神宮とともに3大神宮とされています。
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表参道をいくと楼門の手前に240年以上前の勅使門、つまり宮司さんの邸宅の門があります。千葉県指定有形文化財となっていますが、参道の若干目に触れにくいところにあることもあって、誰も見向きもしないのが残念です。当時の邸宅はすでにありません。
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そして楼門です。320年以上前の国指定重要文化財です。すっきりとした建付けと鮮やかな朱、その奥にある緑に囲まれた漆黒の社殿が、神域の雰囲気を醸し出しています。
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そして拝殿です。鹿島神宮と違い、こちらは比較的新しいもので、80年以上前の建造です。国登録有形文化財です。この右手に朱色のすっきりとした楼門と似た造りの祈祷殿(旧拝殿)があります(写真なし)。旧拝殿は本殿や楼門と同じく320年以上前のもので、県指定有形文化財となっています。現在の拝殿の建築のため数十メートル先に移設されたもので、どちらも良いですが、鹿島と対と考えると漆黒なんでしょう。
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国指定重要文化財の本殿です。三大神社には2つの説がありますが、すくなくとも香取神宮と鹿島神宮は伊勢神宮を頂点とした5大神社には必ず含まれる由緒正しき古社です。若干スケールダウンしていますが、境内を含めて直線距離で15㎞離れた兄貴分の鹿島とそっくりです。
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神饌殿と呼ばれる祭事の際にお供えする神饌、つまり神様に献上する食事を調理する施設です。これも拝殿と同時期の建造の国登録有形文化財です。
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社殿の北東にある香雲閣です。付属のホテルみたいな感じですかね。宴会や集会なんかをやる建物だったようです。120年以上前の国登録有形文化財です。
ほかの小江戸と同様、さっと来て、町ブラして、おいしいものを食べて、さっと帰る日帰り旅行にもってこいですが、古建築物の情報を持って行けば、さらに楽しめるところです。