韓国に学ぶ民主化と経済の復興
2020年8月25日
今日韓国が民主化と経済の面で成功を納めている理由は①1990年代後半の経済危機で痛い経験をして多くのことを学んだこと、②アメリカと同じように2大政党が機能しており競争原理があり、悪政の監視が出来ていること、③海外ビジネスに積極的で外向きの思考と海外に学ぶ姿勢があることだろう。
韓国の成功の3つの要素を日本について考えてみた。①について、日本も1990年代後半にバブル崩壊によって発生した大量の不良債権が顕在化し、金融危機に直面した。しかし小泉純一郎政権の銀行統合などのスピーディーで思いきった改革により危機は奇跡のように回避された。その結果、国民はそれほど痛い思いをせずにすんだ。その反面、韓国のように痛い経験から学ぶということがなかった。
②について、日本では1955年の結党以来自民党の一党独占状態が長く続いた。1993年に連立政権が与党になったが、政権を担えるだけの力がなく、わずか11ヵ月ほどで社会党と連立を組んだ自民党に政権を取り返された。
2009年に政権の座についた民主党は、1955年以降自民党に対抗できる初めての本格的な政党だった。しかし、いろいろな面で経験不足、力不足が否めず、2012年末に下野したあと分裂して解党してしまった。
③について、日本は戦後の奇跡の復興と1980年代までの繁栄の成功体験が大き過ぎたため、深刻な「日本凄い病」にかかってしまった。戦後復興も明治維新後の近代化も、海外から謙虚に学び、真面目に海外に物を売って成し遂げたものであることは忘れてしまっている。
我々は、現在日本が置かれている状況を冷静かつ客観的に見つめて反省し、再生のために社会を根本から作り替えなければならないところにいる。そのためには韓国がこれまで行ってきたことが大いに参考になるはずだ。我々はそろそろ過去の栄光を忘れてプライドから降り、戦後や明治維新の時と同じように謙虚に立ち返って国を立て直さなければならないのだ。