年間売上500億円超の日本企業の約四割は一年以内に週休三日 ~ Gartner 調査
こちらのnoteは、セキュリティ専門家松野によるニュース解説ラジオ「今日の10分セキュリティラジオ」の放送内容を一部抜粋しご紹介します
今回の解説ニュース
日本企業が抱える、IT人材の課題や対策について、調査結果が発表されています。セキュリティ人材の離職率を下げる方法や、週休3日制の可能性について説明します。
今回のレポートは、年間売上高500億円以上の日本企業でITやデジタルの戦略策定に携わっている役職者を対象に実施したITマネジメント調査の結果をまとめたものです。結果として、人材や組織の課題に関して「質的な人材不足」を1位から3位までに選んだ回答者の合計は31.9%と、どの選択肢よりも多い回答が得られました。
現在取り組んでいる人材不足への対応策として、「中途採用の積極化」が最多で47.3%、「インターン制度の活用」が31.8%となりました。「新卒採用における条件の改善」は第4位の30.8%で、「退職者の再雇用」にも23.8%が取り組んでいました。
人材の定着率やエンゲージメント向上のための施策についての採用状況を尋ねたところ、「フレキシブルな勤務時間」やリモートワークを採用している割合は半数を超えました。また、「週休3日制」を21.1%が採用しており、12ヶ月以内に採用予定も18.8%で、今回の調査に限れば1年後には日本企業の約4割が週休3日制を採用していることになります。
セキュリティ人材の離職率を下げる方法
セキュリティ人材の離職率を下げる方法として、キャリアパスの提示と、業務ストレスの軽減が挙げられます。
まず、セキュリティ人材として将来的にどのようなキャリアを築けるのか、具体的なロードマップを示すことで、モチベーションを維持させ、長期的なキャリア形成を促すことができます。例えば、セキュリティエンジニアとして、ネットワークセキュリティの基礎知識を習得し、その後、セキュリティ製品の導入や運用などを経て、セキュリティインシデント対応ができる人材を目指すことができます。さらに上級の役割として、セキュリティアーキテクチャの設計に携わったり、セキュリティポリシー策定、セキュリティ監査などを主体的に担当したりすることができます。さらに経営層として、CISOを目指したり、セキュリティコンサルタントとして、組織全体のセキュリティ戦略を策定し、セキュリティリスク管理を統括することも考えられます。ちなみに、今挙げたのが僕が新卒から歩んできた、セキュリティエンジニアとしてのキャリアパスになります。それ以外にも、セキュリティアナリストや研究者を目指したり、それらを兼務したりすることもできますので、従業員との定期的な面談を実施して、本人の適性を見極めながら、キャリアパスを提示していくことが求められます。
また、インシデント対応など、セキュリティ業務は高ストレスになる場合があり、積極的に対策を講じる必要があります。具体的には、属人的な業務を削減し、業務プロセスを改善したり、単純作業やルーティンワークを仕組化することで、従業員がより創造的な仕事に集中できる環境を作ることができます。