CDLのルールの大幅変更での展望

お疲れ様です。

Call of Duty League(CDL)がオフシーズンに入り、次回作BOCWの情報が公開される中、来シーズンの競技シーンの変更点が何かと話題になっています。
それについて、私の考え・意見を話していきます。

4v4への回帰

 まず、CDLの変更点第一弾として発表されたのが、BO4とMWシーズンでの試合はチーム5人の5v5で行われていたのを、WW2以来の4人対戦の4v4にするという発表です。

 CDLという形でプロリーグが今シーズンから始動。そして2年目に、このような形でロースターの変更が行われることになりました。
 単純に、各チーム1人がロースターから落ちることになります。また、ベンチもこれによりチームの枠から漏れることになります。

 4v4自体ゲームモード・マップ構成が、次回作についてすべて明らかでない以上、早々に試合がどうこう評価することはできません。人数が減ってもマップ構成次第で5v5と同じ激しい試合も期待できます。

 問題はチームの枠から漏れた選手のことです。漏れた選手はどこにいくのか?他のチームへの移籍も普通なら考えられます。ただ、12チーム全てに同様の現象が発生します。チームの大幅な再編成をしない限りこの線は薄いことになります。
 そして、最も問題なのが、4v4でチームの大きさは小さくなったにも関わらず、CDL参加チームの枠が増えないことです。参加枠が増えればそれだけ、プロアマ両方に可能性が広がるものの、その可能性を閉ざしてしまっているのです。
 これにより、CDLから漏れた選手はChallengersに降りるしかありません。そして、この問題はChallengersからCDLに上がる道も半ば閉ざすことになります。チーム人数が縮小することで、必然的にアマからプロに上がるのも非常に狭き門となります。

 加えて、CDLとChallengersとの関係性がはっきりしていないのも問題であり、ChallengersからCDLに上がれる道標があれば、よいのですが。コロナによる一連の混乱(CDLの完全オンライン化など)により、不明瞭になっています。なののこと一層、CDLからChallengersに降りることは選手にとって非常に険しい状況となるのです。

 私としては、せめてCDLのチーム数を増やせばよかったのにと思うところです。Call of Dutyで飯を食う、生活する人間、それを目指そうとする人間にとって死活問題であり、もっと騒ぐべき話だと思われます。
 正直、CDL側の意図はBOCWの全容がはっきりしない以上読み取ることはできません。4v4によって、試合展開がゴチャゴチャしなくて見やすくなるというプラスの意見もあります。ただ、CDLには最低年収保障があり、コロナ下で苦しいチームを助けるための”口減らし”と言われても否定しきれないでしょう。

 4v4の他の影響は?

 特段、北米や欧州などCoDプレイヤーが多い地域においては、このようなチーム縮小であっても、新規チームの結成など選手の移動が流動的だと思われるため、影響は少ないと考えられます。

 こと日本はどうなのか?

 そもそも欧米ほどのeスポーツプレイヤーがいない。プロチームが少ない。CDLチームがないことから、チーム縮小のデメリットがすくないこと。
 そのため、メリットの方が多いことになります。プレイヤー全体が少ないからこそ、チーム最低人数が引き下がったことでチームを結成しやすくないます。当然チーム数が増加することになり、より群雄割拠の状態も期待できるということ。大会のより大規模化の芽があること。

 ロースターから漏れるという痛みを通り過ぎれば、よいことが多いとも言えるのが日本でのお話です。


大会でのPCの使用

 こちらは、今日発表された変更点第2弾です。

 CDLでは、PC+PADでの競技に変更という発表です。

これは、PSで始まったCoDからすれば、PSでするCoDが本家とされていたにも関わらず、PCでのゲームに変えるのは歴史的な転換になります。

 一応、PSとPCは何が違うのかというところから話していきます。PSもPC、つまりゲーミングPCの一種ではあります。PSはゲームに特化した、改造できない統一規格のゲーミングPCです。
 どんな環境でも同じように動くことを第一としているのがPSなどの所謂コンシューマー機(CS機)です。そのため、様々な制約がかかっています。
 ゲーミングPCの場合、CS機でかけられている制約関係なしに性能を引き上げることができます。主に視野角やFPS(フレームレート)、チックレートなどです。
 簡単に言えば、基本的にはCS機よりもPCの方がハイスペックになります。

 CDLがPSを見捨てたというよりかは、eスポーツで考えたときにPCは非常に大きな勢力になります。CDLで導入することで、PSメインのタイトルであるCoDでPCへの足がかりを作ろうとしているのかもしれません。

 下でも書くChallengersのオフラインも同様ですが、CDLは基本オフラインでの大会になります。そのため、参加者全員が同じ環境で行うため、プロ選手たちはPCしかプレイしなくなるでしょう。この点、CDLでのPC導入は比較的スムーズに、問題なく動くと思われます。

PCとCS機のクロスプレイのChallengers 

 ここから、本題です。CDLではPCでのプレイが決定された一方、Challengers ではオンラインは、CS機+PCのクロスプレイとなることです。
 実はこのクロスプレイが非常に厄介な話なのです。まずクロスプレイとは、PSやPC、Xboxなど様々なプラットフォーム向けに多面的にゲームを展開している中、少し前まではPSはPS、PCはPCでしかマッチングしないようになっていましたが、近年そのプラットフォームの垣根を超えてマッチングするようになり、それをクロスプレイと呼びます。

 ここではPSとPCの両方で、Challengersの試合が可能になるのですが、まず上で述べたように格差が存在します。PCは基本お金をかけるほどマシンスペックを上げることができます。そのため、PSとPCではゲーム環境に差が出てしまう問題です。今まではPSのみであるため、ゲーム環境が統一されていました。大会であるのも関わらず、ゲーム内容以外のところですでに差が出てしまうのは競技の公平性の点で非常に問題です。
 オンラインでは特に制限できない問題であり、ゲーム設定でPC側の出力関係を固定にさせる方法がない以上、半永久的な問題となります。

 そして、これも非常に大きな問題である。チートなどの不正対策です。特に今作で人気となったWarzoneではPCによるチーターが出現し、非常に問題となりました。PCのチーター問題は近年どのタイトルでも発生しており、日本で最近盛り上がっているApex Legendも初期チーターが大量発生し、落ち込む時期がありました。
 このようにPCはPSに比べて非常に不正ツールを導入しやすいため、大会におけるチート対策をどうするかは、永遠の課題となります。ゲーム内のチート対策ツールなどで解決できたとしても、大会トラブルとしてPC=チートを使っているのではないかという疑いから揉める可能性もあります。

 CDLはPCに統一できてもアマチュア大会までPC統一にはできないための、折衷案ですが、この折衷案がおそらく非常に危険であるのは間違いありません。

では今後どうなる?

 上でも話しましたが、日本はCDLは関係ありませんが、Challengersは関係があります。日本のソニーが主催するMWシーズンにおける日本代表決定戦は、Challengersに位置づけられた大会でした。

 現状、日本で最大規模のCoDを開催するソニーがどうするかによって、日本でのPSかPCかの論争は決着すると思われます。

 コロナ環境を考えないとすると、Challengersといえどオフライン大会については、PC+PADが発表されています。ソニーといえどChallengersの大会として開催するのであれば、PCでのオフライン大会の対応はしなければなりません。
 ただ、ソニー主催なのにPS機が使えないのは変な話です。自社製品が使えないのに大会を主催するのか?ということになります。ソニー主催でやるには中々厳しく、正直Activisionが主催でソニー協賛・出資の形でないと限界ではあります。

 PCの移行で一番影響があるのが、オフライン大会です。上で述べた通り、基本Challengersでもオフライン大会はPC+PADが指定されています。そのため、有志主催のオフライン大会は当然PCになると思われます。
 そうすると、使用機材がPCとなることで、オフライン大会で使用できる施設の候補がその分増えることになります。もちろん、オフラインでPSを使用するのは有志主催であれば問題ないため、その点では、オフライン大会は開催しやすくなると思われます(もちろん、費用・人手の問題はありますが)

 全体の公平感を考えるとオンライン大会はPS機のみに限定することはありえます。コロナ環境が続くと大規模オフライン大会ができず、オンライン主体となれば、PS機のみの流れは十分あります。


 


最後に、まだまだ来シーズンに向けて色々な情報がでてくると思われますが、決断を急ぎすぎる必要はないとは思います。


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