DetonatioN Gaming 〜GameWithの子会社に〜
今日は急遽記事を書いているため、時間は遅いのですが、勘弁していただきたい。
今回はHotなニュースであるこの話についてです。
ただのeスポーツチーム運営会社のM&Aであれば、特段述べる必要もないが、eスポーツチームの運営については確実にリーディング
カンパニーであるDetonatioNの話となれば、ただごとではない。
私の意見を交えつつ、このことを話していく。
子会社化の詳細
まずはニュースの詳細を説明していく。基本的には、会社の広報資料をまとめたものです。
会社自体の概要は下の通り。
株式会社 GameWith
■ 社名:株式会社 GameWith
■ 代表者:代表取締役社長 今泉 卓也
■ 所在地:東京都港区六本木六丁目10番1号六本木ヒルズ森タワー20階
■ 設立:2013年6月3日
■ 事業内容:ゲーム情報等の提供を行うメディア事業
■ 資本金:549百万円(2021年8月末時点)
■ URL:https://gamewith.co.jp/
株式会社 DetonatioN
■ 社名:株式会社 DetonatioN
■ 代表者:代表取締役社長 梅崎 伸幸
■ 所在地:東京都豊島区南大塚 2 丁目 38−1 リードシー大塚ビル 3 階
■ 設立:2015年6月15日
■ 事業内容:プロ eスポーツチーム「DetonatioN Gaming」の運営
選手、ゲーマータレントのマネジメント業務
eスポーツコンサルティング
eスポーツ関連のイベント企画・運営
eスポーツ関連のクリエイティブ制作全般
■ 資本金:10百万円
■ URL:http://sun-gence.co.jp/(株式会社DetonatioN)
:http://team-detonation.net/(DetonatioN Gaming)
買う相手は、eスポーツというよりゲームに触れている人であれば、誰も聞いたことがあるであろう、ゲーム攻略情報サイトを運営するGameWithだ。
上の内容は、DetonatioN側の広報ページに記載されている内容だ。ただ、GameWithは株式上場しているため、株主・投資家向けにIR資料を出している。そちらの方には詳しく書かれているため、抜粋していく。
(株式会社DetonatioNの株式取得(子会社化)に関するお知らせより)
DetonatioNの全株式112株のうち67株(全体の59.82%)を2.5億円で10月31日に取得するとのこと。
株式取得理由としては、GameWithの動画配信とeスポーツの競技シーンをかけ合わせることで、企業価値の向上が望めるとしています。
GameWith側のメリット
GameWithとしては、まず日本で最も優れたeスポーツチームを傘下にできることが何よりも価値があることだ。
DetonatioNは、フルタイム給与制やeスポーツ選手のアスリートビザ取得に尽力と、eスポーツチーム運営として日本初を切り開いていった実績がある。
そして、日本国内では様々なゲームの部門を持ち一定の成績を上げている他に、League Of Legends(LOL)においては、つい最近世界大会本戦への出場にこぎつけた力のあるチームだ。
単純に現状を維持していても、日本トップのチームを所有する旨味は十分にある。
GameWithの現状を考えるとなおさら、納得できる状況である。
コロナの影響で巣ごもりによるゲーム需要を取り入れていても、会社の売上は2019年度をピークに頭打ちであり、2021年度決算では広告費の増大により経常利益がマイナスに転落している。
GameWithといえばゲーム攻略といえる、主力事業はサイトのPV(ページビュー)は頭打ちであり、動画配信の収益も減少傾向。ゲーム紹介・プロモーションなどいわゆる企業案件的な部分で売上が伸びているだけである。
有効な打開策がない状況において、新規事業であるeスポーツ分野を強化するという意味では、DetonatioNは間違いない。
DetonatioNのメリット?
次はDetonatioN側だが、正直ここで記載する内容はあくまで憶測の域を出ない。DetonatioNが非上場の株式会社であるため、債権者以外に対して情報公開の義務がないのである。そのため、具体的な数字も出ないため、憶測でしかない。
一般的な子会社になるメリットとして、まず、親会社からの人材を取り入れられることです。代表取締役社長である梅崎氏が大きくしていきましたが、会社の成長とともに社内人材や後継者の問題を新興企業は抱えることになります。傘下に入ることで人事交流も盛んにできるため、小さな会社は十分メリットになります。
次に、会社の資金調達など財務面の安定化があります。親会社に組み込まれるため、親会社の信用で資金調達ができます。株式発行や銀行借り入れなどに限界がある場合、新規投資が難しくなることを考えると一つの資金調達方法とも言えます。
今回の件の疑問点
ただ、手放しで喜びたいものの、そうできない点があります。
GameWith側は、費用対効果をちゃんと見れているのか?という点です。
現在、動画配信やeスポーツ事業合わせても売上が1億にも満たない状態です。DetonatioN自体の売上や収支が不明なものの、両方において会社を買収してまでして、シナジーがあるかは正直なんとも言えないところです。
買収しなくても、資本提携という前段階にもできたわけですし、単純に共同事業の形も取れたわけです。
会社を買ってまでする意味が現状見ててこない。ただの話題性?とも捉えられなくはない話です。
メリットのところでも話しましたが、若干の手詰まり感がある中、半ば賭けのような買収に見えなくない点です。
そして、
Detonation側は、GameWithである必要性を全く見いだせない点です。上で挙げたメリットは親会社がどんな会社でも等しく言える話です。
DetonatioN側は、eスポーツにおける収益化という点で、動画配信などが弱いと考えたのかもしれませんが、その点で言えばGameWithである必要性はありません。GameWithはこれから育てていこうとしているため、動画配信面での優位もすぐに手に入れられるわけではないのです。
もちろん、企業風土などの要因もM&Aにおいては一つの要因となります。
ただ、目に見える範囲では実利が少なく見えます。もちろん、DetonatioNの経営状況が急速に悪化している中、救済的な意味合いがあるなら別ですが。
最後に
個人的には、先をいくDetonatioNは非常に期待していますし、梅崎氏も応援していました。そのため、今回の発表は、DetonatioNの安売りな上に、親会社も決していいわけではない。(ゲーム攻略サイトの乱立でGameWithの印象は悪い)
もちろん、これからであるため、結論づけることはできません。
ただ、皆にとってGood Business であったといえるできごととなってほしいものです。