【過去の社内メッセージより】斜陽産業だからこそ、アイデアで勝負
2010年より、SHIFTの社内向けブログにさまざまなメッセージを書いてきました。そのメッセージをより多くの方たちに読んでいただきたいと思い、noteに転載したいと思います。
(SHIFTの社内向けブログ2011年4月20日)
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今日は面白い新聞記事を読んだので 共有します。
すっかり聞かなくなったマッチですが、 ここ数年、面白いマッチが発売されているようです。
プロペラ機や帆舶があしらわれたおしゃれなスチール缶
ふたを開けるとぎっしりとマッチが詰まっており ふたの裏側にはマッチをこする着火用薬剤
価格は250円~350円 一般モノよりも25%~75%も高いようです。
仕掛け人は、創業100年のナカムラという会社だそうです。
「国産マッチの火を消さない」
をスローガンに頑張っているようです。 ナカムラの5代目社長いわく
「使うシーンを考えたマッチ開発が欠かせない」と。
また、マッチ箱には、明治や大正時代に使われた マッチ箱の復刻ラベル。
そのレトロな雰囲気は高級料理店においても映える。
国内のマッチ製造は1973年の80万トンをピークに 直近の2010年には、1万5千トンまで減少。
なんと、ピーク時の2%の生産量。
国内生産の9割が兵庫県にあったようですが この40年で廃業が続き、神戸市はナカムラだけが生き残っています。
典型的な斜陽産業。
そんな、厳しい市況の中、転機は2006年の 異業種交流会にあったようです。
斜陽産業だからと弱音を吐いた五代目社長に、先輩経営者から
「業界が苦しいというのは本当か。まだ工夫するところはあるんじゃないか。」と。
それから奮起し、地元のイラストレーターに協力を仰ぎ神戸の名所にまつわる内容をコミカルに描いた2コマ漫画の 「2こまッチ」
2007年に発売。これまで取引の無かったお土産屋さんから声が掛ったようです。
さらに、2年後には工業デザイナーに助言をもらってマッチ棒の長さは通常の2倍、誕生日を祝うためだけのマッチ「バースデーマッチ」を発売。
新しい付加価値で、中国製のマッチには負けない産業が出来ています。
以前、SHIFTのメンバーが働いていたテレウェーブ会社の社長が最初に起業したビジネスが、「ピンク電話の販売」でした。
ちょうど、携帯電話が普及していた1990年代後半。
町中のいたるところにあった緑のNTT固定電話。 固定電話が売れなくなった時代に、喫茶店によくあった ピンクの電話を売ったようです。
みんなが待ち合わせに、携帯を使い始め、地下のお店など電波が届かない所に、あえてピンクの電話が人気になると。
斜陽産業だからと言って、あきらめるのは早く、視点を変えて物事を考えるだけで、事業として成り立って行くんですね。
また、このマッチの記事から、もう一つ学びがあります。
いかなる商品も人間が購入するものなので、結局はデザインやその商品が産まれたストーリーというもので売れ行きが変わるという事です。
とくに、マッチ棒は古いという特徴をあえて、昭和なデザインで 復興して発売するというアイデア。
マイナスをプラスに変える発想。
考えるのはタダ。 深く考えれば、それだけ大きな付加価値が産まれる。
とても面白い記事でした。