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仕事楽しくない

自分では揚げ物はしないと言ったら帰省のたびに母親が揚げ物を持たせてくれるようになった。野菜をあまりとってないと言ったら家で採れたというきゅうりをくれた。家に何となくいるだけなのに、昔より水分とる量少ないんじゃないかと言われた。
まあそのもらったきゅうりは我が家の冷蔵庫の中でだんだん柔らかくじゅくじゅくになって、ゴミ箱に入れた。貰わなければよかった、罰当たりすぎる。ごめんなさい。

一人暮らしの最初こそ料理していたが自分の味に限界を感じ、はたまた料理の楽しさとやらを見出すこともできず、冷蔵庫なんてお茶を冷やしておくくらいしかしていない。冷凍庫はめちゃくちゃ使います。ありがとうな冷食。先生、私痩せたいんです。お母さん、ごめんなさい揚げ物どころか炒め物もしませんしスーパーで10000円/月も使いません。



寮への帰り道、用意された紙袋を入れて持ってるとほんのりお弁当みたいな匂いが漂って、少しだけ感傷的な帰路に寄り添ってくれるような、何となくまだ頑張れそうかもって思う。これを帰省ハイと読んでいる。
相変わらず孤独は飼い殺せてないけど、去年電車で涙流してた時と比べると随分息がしやすくなった。まだ地元との匂いの違いは分からない。でも確実に自分と馴染んできてる気がして、肯定できるようになってきたことは将来今を思い返した時に許せそう。あの涙もきっと意味のあることだった。帰省ハイ。


自分の根底が溶かされているような気がする。と同時に今までの居場所では居心地があまり良くなくなってきて、新しい環境にも馴染みきれず私どこへいけば心から安心ができるんだろうと悲しくなる。グリム童話のコウモリを思い出す。ただ移動をしている瞬間だけが何も考えずいられる時間だった。何もしなくても意味のあるってひどく安心した。





新人(いつまで新人と呼んでくれるんだろう)研修冒頭で、「この仕事が楽しいと思う」みたいなGoogleフォームに答えて、その結果をみんなで共有しようみたいな機会があった。てか研修、去年と比べて人が3分の1くらい消えていて闇を感じた。でかい部屋いっぱいに机が並んでいたのに、いつのまにか部屋の半分くらいになっていたし、研修で1人1回は発言権が回ってくるようになった。しかも意識を高めよう研修でタチが悪い。洗脳とまでは言わないけど頭の中お花畑で些かズレを感じる。感情論の話を講義でするな。だいたい冷めた目で見てるか、感化されて真剣に聴いているか。真剣に聴く側の人間はもっといい環境があるだろとも思うけど、まだ生き残っているのを見る限りハマっているのか。
他部署の人は「どれくらい同期が辞めたか」みたいな話がメジャー。半減したところだと「よく生き残ってるねぇ大丈夫?」になる。

同期たちのこと、ブラックに染まって無心で働いている人たちばかりだと思っていたけど、案外そうでもないらしい。というのも冒頭のGoogleフォーム、私は90%楽しくないだろ、と思っていたけど4:6くらいだった。楽しく無い方が6。6???????普通に1:9じゃないんだ。解答って匿名なのに。
うちらの学年が今までで1番楽しいと感じている人が多いらしい。急に周りの人たちが信じられなくなった。え、そんな意識高いなら席指定されていないとき前の方に積極的に座りにいけよ。早い者勝ちで勝ち取った1番後ろの席で思った。グループワークで話し回して発表も積極的にしてくれよ。
え、てか仕事楽しいと思ってるんだ。怖い、、、、、、学生時代実習中に「実習楽しい」っていってる人たちを強がりなら正直になったほうがいいのにってずっと思ってたのを思い出した。怖い。

生まれ変わるなら何の職業になりたいか、を隣の席で話しましょうのとき、私はパン屋さんだのお菓子屋さんだのお花屋さんだの専業主婦だの言ってたのに隣の子は「看護師じゃなかったら動物看護師かな」と言っていて看護師の本質はそんな嫌いじゃ無いんだろうなと思った。どうして看護師になったか原点回帰しようみたいな話も「家族が困った時に助けたいから」と言っていて、物理ができなかったからとかさまざまな消去法で選んだことを赤裸々に話した後だった私は惨めな気持ちになりかけた。え、あぶな。どうして意識が高い人と比較して落胆しなければならないんだ。それで気持ちよくなっている人をきしょすぎると思うのに、片足突っ込んでる。
決して頑張っている人を馬鹿にしているスタンスではなくて、洗脳されたように「楽しい!」としんどい現実に対して盲目になっている人を、もっと肩の力抜いていいのにと思ったりする。そういうマインドじゃ無いと生きていけない腐った環境だからと言われるとまあそうですかにはなるか。仕事が楽しい人ばかりの職場も、それはそれだろ。楽しいことばかりじゃ無いし。分からなくなってきた。楽しいと感じることが、仕事へ正面から向き合っていることになるのか。体力お化けみたいな人はたまにいるけど。キャパが大きくない私とはまじで別人種。
所詮仕事だし。人生仕事はオプション。かく言う私もこうやってガチガチに固めないと正気を保っていられなくなっている。保っていられてるのか分からないし、未来の私が見たらキモいのかも。意識が高かった人がどんどん追い詰められて精神を病んでいくのを何度か見た。なんかもうそういうの見てられなかった。

向いていないで片付けるのは簡単だけど多分逃げた先もしんどいしやらかさない程度に低空飛行で日々をこなしていきたい。寒いと感じる日傘がありえないのと一緒。転職しても同じ職業なら本質は何も変わらない。多分。他職種でも変わらないのかも。Netflixで観た地面師たちの石様ハウスもだいぶブラックそうだったね。もうええでしょう!!オタク、そうやって新人大量に採用して適合できなかった子を見捨てて原因のお局は無視しはりますやん!!就職したてのときは根性があることが長所ですとかでマインドを保っていたけど、もうそういうの良いよって言ってあげれる。最もフィジカルで最もプリミティブでそして最もフェティッシュなやりかたで行かせていただきます。
あっという間に8月になって、もう半分が来る。こうやって、どんどん歳を重ねていって、周りも歳をとっていって、環境が確実に変わらないことに焦りを感じて、この先どうしようと思ったりして、はたまた直近で地震が来たらどうしようって怯えて、忙しいよ。どこに向かうんだろうね。時間が過ぎていくことばかり気にしているね。歳下の子が頑張っているのをみてもなんとも思わなくなってきたけど、これもいつか解放されるときが来るんだろうか


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