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【暴論】1人当たり名目GDPをコネくり回す
前回の記事を書いていた時、この指標がなんか知らないけど楽しいなと思いました。
1人当たり名目GDP、しかもUS$ベース。
自国通貨ではなくUS$というところがいいです。今まで見えていなかったものが見えてきそうで。
前回の記事はこちら
1人当たり名目GDPとは
まず日常ではあまり使わない1人当たり名目GDPについてです。
名目? GDP? 昔学校の社会の授業で教わった気がするが…。
という方もおられると思います。
そういう方にはこちらを
このサイトでGDPについて、以下のように説明されてます。
GDPとはGross Domestic Productの略語であり、日本語では国内総生産と呼ばれるものである。
これは、一定期間に国内に産み出された付加価値の合計を示す。
例えば、パン屋は小麦粉を仕入れそれをもとにパンを製造しているが、この最終的にできあがった生産物 (パンの値段) をすべて金額で評価、合計し中間投入額 (原材料、光熱燃料、間接費等) を控除したものがGDPだ。
なお、GDPの伸び率が「経済成長率」を示し、GDPが拡大すれば経済成長率はプラスとなる。一方、GDPが縮小すれば経済成長率はマイナスとなる。
また名目、実質ついては
名目GDPとは、GDPをその時の市場価格で評価したものである。
単純にパンの価格などをすべて合計したものと思えばよいだろう。
物価の変動を反映した数値はこの名目GDPが該当する。
一方、実質GDPとは名目GDPから物価の変動による影響を差し引いたものである。
名目GDPは物価変動の影響を受けることから、物価変動の影響を取り除いた状況を確認したい場合には実質GDPを用いることになる。
今回は日本のデフレよる物価変動を反映した指標をみたいので名目GDPが適当だと思います。
1人当りた名目GDPは、名目GDPを国の人口で割ったものです。
一人当たりの名目GDP = GDP ÷ 人口 となります。
デフレとは
皆さんご存知だと思いますが、インフレ、デフレについて再確認すると
インフレ(インフレーション)とは、物価が継続的に上昇する状態で、通貨の価値は下がります。
一方、デフレ(デフレーション)とは、物価が継続的に下落する状態をいい、通貨の価値が上がります。
景気が良くなると、インフレが起こりやすくなります。
インフレ時には、企業の売上が増加し、従業員の給料が増え、モノを買おうとする意欲が生まれる、という循環が生まれます。
またモノの値段が下がるデフレついて
モノの値段が下がり企業の売上が減少すると、従業員の給与がカットされ、長引けば雇用も不安定になります。
そうなると人々は購買意欲がなくなり、企業の売上がさらに下がります。この状態をデフレスパイラルといいます。
日本はデフレスパイラルと言われていますが、実際どうでしょうか。USドルベースで見てみると見えてくるものがあります。
USドルベースの意味
まずは自国通貨である円ベースの1人当り名目GDPです。
資料: 世界経済のネタ帳
https://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=NGDPPC&c1=JP&s=&e=
1990年あたりからほぼ一定です。
400万くらいで、プラスマイナス10%ぐらいです。
そしてUSドルベースです。
資料:GLOBAL NOTE 出典:国連
https://www.globalnote.jp/post-12796.html
こちらは1990年からのグラフです。
先ほどの自国通貨グラフで変動がほぼなかった期間ですが、結構な変動があります。
中央値を 37500[US$] とすると、マイナス側が30%以上、プラス側が25%以上の幅になります。
この違いは、皆さんお気付きだと思いますが、変動相場制である円ドルの為替レートの影響です。
日本の自国通貨である円のグラフでは大きく変動がなかったのですが、こちらのUS$のグラフでは、マイナス側は円安の影響が大きく、プラス側は円高の影響が大きいです。
ご存知だと思いますが、為替レートとは、ある国の通貨を他の国の通貨に交換するときの取引価格(交換比率)のことです。
変動相場制の為替レートは需給のバランスで決まります。その需要と供給には様々な要因が反映されます。
貿易収支、投資収支、景気動向、金利、物価、などの要因で
国の経済力も反映されます。
米国との比較
自国通貨がUS$であるアメリカ合衆国と比較してみます。
以降のグラフは、資料:GLOBAL NOTE 出典:国連
この30年でみると、米国は見事な右肩上がりです。
バブルの1990年代は日本の方が上ですが、最新データの2018年では、
米国はG20でトップ、全体でも12位です。
対して日本はG20で7位、全体で32位です。
額にして50%以上の開きがあります。
これは、全体の比較ではなく1人あたりの比較です。
なぜこれほどの差になっているのでしょうか?
政策の差でしょうか?
米国の政策がすばらしいのでしょうか?
近隣諸国との比較
次は日本の周辺国と比較してみます。
どうでしょうか?
米国だけではなく紫色の日本と一番下の赤線の北朝鮮以外は、ほぼ右肩上がりです。
日本は香港に抜かれ、韓国もすぐ下まで迫っています。
全体が右肩上がりということは、世界的な物価も上昇傾向だということだと思います。
G7で比べると
次は、G7で比較してみます。
ここでも全体的には右肩上がりです。紫線の日本だけが1995年以降停滞しているように思います。
ここでも米国の右肩上がりが目を引きます。
G20と比べると
G20からG7のEUの5ヵ国を除いた15ヵ国のグラフです。
オーストラリアが目を引きます。為替の影響と思われる変動はありますが右肩上がりです。
ここから右肩上がりではなさそうな日本、アルゼンチン、南アフリカを比較。
こうしてみても、2002年以降はゆるやかな右肩上がりです。アルゼンチンは財政破綻イメージがあるのですが、 それと比べても日本の停滞がわかります。
グラフの目盛の関係で変化が見えづらい国があります。それらの国の変化を見るために、グラフの上側の国を除いたのがこちらです。
ほぼ右肩上がりです。やはり日本の特殊性が浮き彫りになります。長期に渡って停滞しているのは日本だけのようにみえます。
観光客の増加
コロナ以前、日本に訪れる外国人観光客の増加が話題になっていました。私は日本の観光の魅力が世界にわかってもらえた結果だと思っていました。
しかし単にデフレの長期停滞で相対的に物価が安いから。
他の国と比較して費用対効果コストパフォーマンスがいいというのが理由ではないでしょうか。
グラフの比較から見えること
1人当たり名目GDPをコネクションとして日本と他の国々をみてきました。
ここ30年で見ると、ここで比較した国々は右肩上がりです。日本の長期停滞は、世界レベルで見てかなり特殊な現象なのではないでしょうか。
また日本は少子化の傾向があり、高齢化が進んでいます。国の経済力をGDPでみると、1人当たり名目GDP×人口になるので、右肩下がりと言えそうです。
コロナ以降このタイミングで未来の国のあり方を見直すべきだと思います。
また、こんな見方もあるようです。
お金だけではなく、様々な価値観がある多様性の時代です。コロナ以降、多様性が拡大していくような予感があります。
何が幸せで、「ゆたかさって何だろう」と。
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