プライドと命を懸けることと爆発
岡本太郎氏といえば太陽の塔。
昭和生まれ世代、また特に関西出身の人間には心の拠りどころになっていることがあるでしょう。この私も言わずもがな。
私のバイブルともいえる太郎氏のご著書『自分の中に毒を持て』。時折読み返すのですが、そのたびに、「命を懸けているか。プライドを持っているか。」と問いかけられているように感じます。
その問いは自分が何者であるかを認めているか、弱いなら弱いでそれを受け容れること。
またプライドというものは、受け容れた自分のことを胸を張って世に開くこと。それは自分に対して持つべきもので、人に向けて見せるものではないとあり、初めてこのくだりを読んだ時、私は全く逆のことを考えて生きてきたのだ、ととても驚いたのを記憶しています。
名言「芸術は爆発だ。」の「爆発」も、私たちがイメージしている、インパクトのある、火花の飛び散るようなものとは真逆である、と彼は言います。
自分の中にある熱い炎を守ろうとすると、弱くなる。そんな自分と闘うことで、その炎は強く燃え上がり、命の限り爆発をし続ける・・・そうです。
今の世の中に多々ある、目や耳に飛び込んでくるものに、心を簡単に渡してしまって、さもわかったような気分になっているのではないだろうか。
「表現」という言葉の上っ面だけに溺れて酔ってしまっている時が私にありはしないだろうか。
個展を無事に終えた今、太郎氏が「チク・・」と私の中を小さく鋭く刺しています。