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【X焼は挫折を越えて】R6年中小企業診断士二次試験 事例Ⅱ企業の特徴纏め

※筆者さとーが個人的に纏めたもので、その内容や語句の意味の妥当性・正当について保証する物ではありません。従いまして、試験対策資料としての妥当性を保証する物でもありませんこと、ご容赦のほどお願い申し上げます。

事例Ⅱ
【B社の3C】
自社…B社は、日用品の陶磁器として長い歴史を持つX焼の卸売業者であり、X市の複数の窯元から陶磁器を集めて大消費地へ販売したり、法人からの注文をとりまとめ窯元に伝えたり、オリジナル商品などを企画し窯元に生産委託したりといった事業を行ってきた。いわゆる産地問屋。しかしながらX焼の販路減少や代替商品の存在などにより事業が頭打ちとなった。その折にファッション業界で働いていた3代目が地元に戻り事業を継承した。コロナ禍で宿泊業や飲食業へのBtoB取引は頓挫したものの、オンライン上での動画投稿で“映える料理と食器の盛り付け”や“郷土料理をX焼との組み合わせで手軽に楽しめること”を紹介し、家庭に関心の出た若者や海外の視聴者、X市滞在経験のある人々からの注目を集めるなどした。そうした経緯から、3代目は自身の斬新なセンスと企画力を信じ、オリジナル商品企画や地元窯元への生産委託を続け、販路を拡大しX焼の地位も向上することを誓い、古びていた自社店舗を明るくスタイリッシュでカフェスペースも併設したものに新装し、また、自社ECサイトも開設した。

競合…100円ショップなどで安価に販売される、海外製のデザイン性のある陶磁器。

顧客…①料理用の食器を提供した宿泊業や飲食業はコロナ禍影響が考えられる。②X焼に料理を盛り付ける動画を見た、家庭に関心の出た若者層、海外の人々③郷土料理とX焼の動画を見たX市滞在経験のある人々④ECショップへの顧客⑤自社店舗への顧客⑥(設問文より)ふるさと納税者⑦(設問文より)新しい物もほしいが、家の収納スペースに限りがあり、かつ処分にもためらいのある食器愛好家⑧陶磁器祭りへの訪問客

【B社のSWOT】
S…①服飾業界出身で斬新なセンスと企画力を持つ3代目長男の存在。②明るく開放感のある、スタイリッシュかつカフェスペースも併設した新装自社店舗。
W…①海外製の安価な陶磁器に対して価格競争力がなく追従不可。②(従来の弱みとして)インターネットサイトには会社概要や主要金融機関、取引先情報程度の情報しかなく、EC販路もなく、販路も狭い。
O…①動画サイトに投稿した動画により、料理がおいしそうに見える食器との組み合わせや、料理の盛り付け方に注目が集まり、コロナ禍で家庭に関心を向けるようになった若者や海外の人からの反響が多くなっていること、郷土料理とオリジナルX焼の組み合わせで家庭でも簡単にX市の味が楽しめることに注目が集まり、X市訪問経験のある人から自宅での再現を希望する反響が集まってこと②また、3代目がX焼事業に取り組む姿勢に対して、窯元など地元の人々からの好意的な反応が集まりつつある。③新しい作風を受け入れるX市の土壌から、クリエイター志望の移住者が窯元を開くケースも出てきている。
T…①100円ショップ等で取り扱われる、安価でデザイン性に富んだ海外製の陶磁器の存在②高齢化と人口減少が進む社会において、陶磁器の新規需要や買い替え需要の増加が見込めない③産地問屋減少によりX焼全般の情報発信力が低下している④コロナ禍による影響

【登場人物】
■3代目…主人公。元々X焼に興味が無く、地元を離れファッション業界で働いていたが、6年前に父親からの“会社を助けてほしい”の一言で地元に戻ってきた。X焼を扱うB社のこれまでの事業と比べると斬新なセンスや企画力を持っており、地元デザイナーズホテルへの“映える”X焼の提供などから次第に注目を集め、事業に取り組む姿勢も相まって地元からも好意的な目で見られ始めるが、その矢先コロナ禍にー阻まれ、一度は落胆する。しかし、中小企業診断士への相談をきっかけに、オンライン動画を通じ新たな事業切り口を見いだし、実店舗の新装やカフェスペースの併設、ECサイト開設を行い、自らの企画力を活かしたオリジナル商品や地元窯元への生産委託品の発信力強化に取り組み始めた。X焼の地位向上に繋げるべく挑戦する姿が印象的な、実は熱いハート持ち主の35歳。

■3代目の父親…X焼全体が厳しい市場環境にさらされる中B社もその影響を多分に受け、6年前、ファッション業界で働いていた息子を地元に呼び戻し、事業存続を息子に託した。
自社が卸売業であることから、B社HPにはECサイトなどのコンテンツは不要だと考えていた。

■クリエイター志望の移住者…窯元の作家を志しX社に移住してきた。B社と何かコラボレーションする機会があるかもしれない。。。?

■デザイナーズホテルの人々…ホテル経営者や料理長。3代目のファッション業界での経験を買い、料理を盛り付けるオリジナル食器の企画案件を3代目にもたらした。それが高評価となり、雑誌やウェブサイトに取り上げられるようになり、3代目とB社は他の飲食店からも引き合いを受け始めるようになった。

■中小企業診断士…3代目がコロナ禍で宿泊業や飲食業向け事業を阻まれたとき、オンライン活用した事業について相談を受け、相談の結果、3代目はオンラインサイト上に動画掲載することにした。

【キーワード】
感覚価値…デザイン性など五感に作用し魅力を提供する価値観。
観念価値…その商品の歴史や背景など、ストーリー性を訴求し魅力を提供する価値観。

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