「志段味あるある物語」#3  ガイドウェイバス志段味線

志段味の新しい街づくりは、#2 吉根は志段味か??? で述べた通り、昭和58年に都市計画決定した「吉根」からその歴史が始まります。

その区画整理事業の根底をなす基幹事業が、「志段味ヒューマン・サイエンス・タウン」構想であり、公共交通の充実、交通を円滑化する幹線道路の築造し、「ガイドウェイバス」を整備し、新しい科学技術の追求・発信を行う「なごやサイエンスパーク」の整備であります。

「ガイドウェイバス」(愛称;ゆとりーとライン) 営業路線名、名古屋ガイドウェイバスガイドウェイバス志段味線(名古屋ガイドウェイバス)は、
愛知県名古屋市東区と守山区を結ぶ軌道法に基いた案内軌条式の軌道路線である。

「ガイドウェイバス」は当初、営業路線名に「志段味線」とあるように、志段味地区まで、全線高架による路線計画でありましたが、実際は、小幡緑地駅止まりで、そこから志段味地区へ行くのは、普通のバスと同じく、道路(県道15号名古屋多治見線)を通る普通のバスと同じであります。

ご存じの方も多いですが、守山区には地下鉄がなく、その代わりに出来たのが、この「ガイドウェイバス」構想であり、1990年には名古屋市において事業化が決定し[、2001年3月23日に開通したのである。現時点で、この名古屋ガイドウェイバスガイドウェイバス志段味線が日本で唯一のガイドウェイバス営業路線となっている。

他の地域でガイドウェイバスが導入されていない理由の一つに、1kmあたりの整備費は54億円に達し、他の国と比較すると異常なほど高額の整備費である。バスの乗降施設についても、モノレールの駅に匹敵する大掛かりな規模であり、通常のバスのように路上から乗れる気軽さはない。さらに、運行規定では1駅間の走行台数は1台以下と決められており、通常のバスのような続行運転は出来ない。このような事情から、日本のガイドウェイバスに対しては「バスの機動性を十分に生かせていない」、「整備費用の低減というメリットも実現できていない」こう言った理由から、志段味地区までの、高架の延長、理由と思われる。

「ガイドウェイバス」は電車でなく、バスであるため、輸送能力に限界があり、「吉根」にお住まいで、朝、通勤・通学で利用する人は、1回でそのバスに乗車できないといった問題がある。また、1台当たりの導入コストも、普通のバスと違い、日本でここでしか運用されないため、特注扱いとなりコストも増大であると思われる。

その昔、「ガイドウェイバス」ができる前は、「名鉄バス」・「国鉄バス」がこの路線にあり、志段味の人を、名古屋の中心までの輸送する移動手段として用いられていた。路線バスだと朝の通勤ラッシュでダイヤが乱れることも多かったが、そう思うと「ガイドウェイバス」はダイヤの乱れもなく、よほどのことがない限り運休もない(開通以来、初めて運休した原因が、名古屋立てこもり爆発事件)。格段に便利であるのは確かである。

ただ、守山区に地下鉄が来なくなった原因は、この「ガイドウェイバス」が出来たためである。本来、地下鉄東山線の藤が丘駅が北へ向いてできているため、当然、志段味まで延伸する計画は存在していたと思われる。大昔、志段味出身で、かつ、国鉄出身の名古屋市議会議員が、国鉄バスの利権を守るために、地下鉄の開通を阻止し、この「ガイドウェイバス」になったとのうわさもある。発足当時、「名古屋ガイドウェイバス株式会社」は名古屋市、名鉄バス、JR東海バスの3社による第三セクター方式での事業でありました。今は、名鉄バス・JR東海バスは、撤退し、名古屋市が唯一出資している会社となってしましったのである。民間企業は赤字である路線に出資するなど問題があるので撤退やむなしは当然のことである。昔のしがらみのせいで、志段味に地下鉄がなくなり、このガイドウェイバスとなったのである。

ガイドウェイバスが、負の遺産であるかもしれないが、現在は、このガイドウェイバスに名古屋市民の65歳以上が申請できる「敬老パス」の適応もあり使う方からすれば便利な交通手段でもある。

しかしながら、地下鉄が志段味まで開通していれば、志段味地区特定土地区画整理事業がとっくの昔に終わりを向かえていたのかもしれない。また、緑区以上の土地の価格になっていたのかもしれない。そう思う今日この頃である。

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