例えば、結婚免許証。稼げる大学とは何か?東京家政学院大学が男女共学化するという話を見て、思いついたことなど
はじめに
この記事の執筆者は、最近ちょっと家政学を調べたり考えたりしている自称在野研究者です。家政学に関する何らかの権威や学位を持っているわけではない。
私の視点からだと、共学化だけでは踏み込みの不足を感じた。この記事は、それを言語化して整理するためのもの。走り書き。
共学化そのものについて
男女共同参画の文脈や、共働き世帯が多数派となった今の社会において、男が家政について学ぶ機会を得られるのは重要。学問を伝え広げていく研究教育機関として、社会情勢に対応してきたと言える。至極真っ当な判断である。
「稼げる大学」の論理
研究教育機関としての真っ当さが大学を殺す時代
これについては、私が論じなくても多くの方が論じていらっしゃるので詳細を割愛。
大雑把には、稼げる大学という論理を掲げる、財界で生き残った偉い人々は、研究や教育の成果の果実ばかりを貪ってきた人々であり、一方で、大学運営は果樹園の運営であるということ。
「稼げる大学」の論理は果実を貪ることに特化している。全ての果樹がかつて種子だったことや、種子が環境に育まれて果樹になったことや、果樹そのものの健康を保つ方法についてあまり頓着していない。
稼げる大学の論理が幅を効かせている状況で、土作りから果樹を育てることは効率が悪いと判定される。要は「なぜ育てる必要がある?あそこ(誰かが育てた果樹)に果実があるだろう。それを取ってくれば良いだけなのに、お前は馬鹿だな」というのが、稼げる大学の論理だ。無自覚な賊の論理。
大学が真っ当すぎたツケ
とは言え、大学が商業から遠ざかりすぎたのも事実だろうと思う。産官学連携などと声高に言わねばならないぐらいに、経済や実務から隔離された環境が良いわけない。要するに、収穫してない。かと言って、本気で収穫するとえげつないことになる。その例を示そう。
「結婚免許証」大学が積極的に稼ぐ場合
家政学院大学。私ならこうする
その強みは、当然ながら家政だ。家のこと。
ターゲット層の設定
当然、お金を持っている人たちだ。稼げている人たち。18歳以下ではない。
家政という学問の需要はどこにあるか?家のことに真剣に意識を向け始めた人の所だ。例えば、婚活を始めた人。退職を機に家事を担い始めた人。
バリバリ働いてキャリア(と貯金)を積んできたけど身を固めたくなった30歳~40歳前後の男女。あるいは、時間を持て余すようになった定年退職者。
要するに、成功者の貯金と退職金という果実を狙う。
何を売る?
当然、学問として積み上げてきた家政の知識と経験だ。例えば…
共働き世帯が多数派となった今の時代に、結婚後の生活で初めて配偶者の家事不能ぶりに直面するのは悲惨。そこで「短期家事実習3ヶ月コース」を公開講座的に実施する。オンラインでの座学と、物理的に存在するキャンパスなどでの実習の2本柱。修了者には、大学の名のもとで修了証を売る。
「この者は、人間と生活するための最低限のスキルを有している」という証明証。受け取ったものは、これを武器に婚活する。婚活支援企業と提携してもいいし、大学自体が婚活支援業務を始めても良い。これを必死にやる。
売るとどうなる?
修了証を持っている人たちの生活を追跡し、10年単位で感想を集める。実績として宣伝する。「あの大学の家事実習修了証を持っている人なら、家事についてはハズレなし」という評判を特定の婚活支援プラットフォーム上で醸成する。
そのプラットフォーム上で、家事実習修了証を持ってない人が配偶者候補とならず、足切りされるようになれば、無事、事実上の結婚免許証の誕生である。
その利権の巨大さたるや。実習費とは別売りで10万円と言われても買わざるを得ない。
真っ当に需要を満たすなら?
知と権威を独占すればあっという間に大きな商売となる。知の流通を滞らせ、秘密主義を増やし、コストを払える層と払えない層とで分断を進める。それをしない場合は、つまり、無料で講座を公開し、実習用の施設を開放し、小中高生をターゲットとした講座を作って招く。
公費で負担してもらえないならやってらんないですよね。
真っ当でいながら大学運営資金も欲しい!
その価値を示すしかない。
家政の経済価値を示せ
思考実験を進めています
数理と家政っていう2ジャンルに手を出してる方、いらっしゃいませんか?議論できる相手を見つけられなくて寂しい。