見出し画像

Märchen von Märchen(X)

前回「暁光の唄」


secret track

1

志田が思うに 無音

2

カリカリ 廻る  ゼンマイが巻き上がるような
鳥の声のような 虫の音のような
右から左へ

3

加わる 梟みたいな
街中にはいない深い森の夜に鳴く系の鳥の声と
警鐘か採掘か 硬質な金属音
迫り来る荒い息の獣 右から左

4

加わる 遠い争いの喧騒 刃の散らす火花
左から右
反時計回りに一周

5

さらに加わる駆ける馬の嘶き
争いに明け暮れる人間の怒号と悲鳴
左から右にもう一周

6

争いの喧騒が絡め取られるかのように過ぎ去り
放たれる弓 突き刺さる矢
男の叫び 左から右
土を掘り返すスコップ だけ 右から左

7

その穴に何かを埋める布ずれ
水琴鈴のような音色

8

夜の鳥にさっきは聞こえなかった虫の声
左から右
地鳴り

9

地の底から聞こえる鐘の響き
右から左

10

何度も鳴り響く鐘 何かが蠢く
水琴鈴はさらに近くへ

11

広く暗い空間に滴る雫
右から左

12

大地の息遣い
左に消えて 右から現れる

オルガン?木琴?のようなアルペジオ

13

洞窟とか地下道とか 坑道とか 水路とか
じめって狭くて暗い道を吹き抜ける風
右から左

14

朝の鳥の声 右
水琴鈴と木琴的なアルペジオが前へ

15

鳥は左へ
加わる 争いではない喧騒

16

それは街の賑わい 右へ消えて 左から現れる

17

また誰かが落下するような悲鳴 左
男性で 体格が良いような 野太目のお声
また土を掘るスコップ 左から右

18

その穴に埋める布ずれ 右
争いの喧騒 左

19〜22

刃に倒れる人々
辻斬りというか 牛蒡抜きというか 誰かの無双?
一方的な殺戮 とかそういう感じ
左から右 右から左 を繰り返す

23

無双している誰かに押し寄せる敵意
地鳴りみたいな立ちこめる暗雲
左から右

24〜26

左にゴボゴボ湧く何か
もしくは聴診器で聴く血流 みたいな
音に脈動がある

鈍い鐘の音
多分これまでのアルバムの題名
何者かによって地平線が数えられる

27

Märchenの順がきたところで
突然時計の巻きも 水琴鈴も
波のように打ち寄せては返すアルペジオも止まって
古時計が12時を指す時の ボーン みたいな音が鳴る

オルゴール

28

三拍子のオルゴール 子守唄か
泣き止まない赤子

産声 かもしれないが
そんなに新生児感はない、、、

志田には母を呼んでいるように聞こえる

29

突然止まる廻る三拍子
「僕たちはめぐり続ける」

びっくりした、、、、
どのメルさん、、、でもない気がする

誰だろう



井戸の記憶

この七秒シリーズ
志田はもうツッコむなんて一切なく

これもきっと音楽なんだろうな と
嫌というほどの 七 を受け入れてしまっている

が、真剣に考えたら志田の基準だと
音楽というより 音響 なので

多分Revoさんは
音 ならもうそれは音楽 なのでしょう


カリカリ音
これはルクセンダルク大紀行のsecret track でも
聞こえてきた 「時空を超える音」で

時空を超えて地表の歴史を辿りながら
イドを水脈から吸って井戸から吐く、、みたいな

そして歴史は
「繰り返される」ということ
「廻っている」ということ


でも 厳密に同じことが
繰り返されているわけではなくて
流動性があって

夜は夜でも  深い森の梟の声 草原の虫の音とか
森が開拓されていくのかな みたいに思ったら

鳥は鳥でも朝と夜 があって

争いと平和の喧騒があって

特に争いは刃だけだったのが
馬や 弓が出てきて
強者が全てを薙ぎ倒すようだったり

その強者に敵意が雪崩を起こすように
捨て身で突撃する民衆がいたり

かと言って
穴を掘って埋葬して 弔う者がいたり

歓びの朝も
哀しみの夜も
同じものは二度と訪れない

その上に平和が築かれて
人間は増えて 街は栄える

そうして増えると
イドは 落ちてきた/落とした 人間を喰らってみたり

また争いが始まり

人間の 血が 涙が 灰が溶けた雨が イドが
屍体と土塊の地層に
平和と混乱の地層に
朝と夜を繰り返しながら染み込んで

水琴鈴や木琴系のアルペジオの如く
その水脈から井戸は渾々と吸い上げ

鈍い地鳴りと共に吐き出され
獣のようにイドを振り撒きながら地中を蠢く

何度目かの混乱の世が訪れなくとも
人には人の地獄があって

救いを求める、、、、、

水の流れるように

Märchenを聴くほどに
【イド】は神に近く

このsecret trackを聴くほどに
【イド】は水に近い

浸透し
流動し
淀み
湧き上がり
循環する

水の周りで人間は生を営み

その水が血となり肉となる
そして新たな命が生まれて

その水で 花に水を遣り続ける者もいれば

祝福の産湯を浴び  神の洗礼を受ける者がいる

時に慈雨を与え 災害をもたらす


生命の根源であり 必要不可欠である
それ故に水の不足や汚染は生命の危機に直結する

世界的におそらく神聖視は珍しくないし
水への信仰や畏怖は必然とも言える


【イド】というモノは絶対悪のように感じるが
「生存」という衝動が
生命の根源であることには変わりない

生物は
水に生かされ 水に殺される
イドに生かされ イドに殺される

なんとも
イドは神っぽいし 水っぽい

そして水は循環するのが摂理である

地表水ではない水を得るために
深い穴を掘るということは
その循環に人間が介入しているとも言える

いつしか使われなくなると
淀み そこにイドが溜まるのかもしれないし
そんな井戸に落ちたら
助けは来ないので イド的にはウハウハ
おいでませ 井戸!


なのかもしれない

水はなんなんでしょう
この地平の水は全てつながっていて
廻っているのでしょうか

井戸に衝動が湧くのなら
あの公園の噴水には
何が噴き上がっているのでしょう

彷徨える者が辿りつく先の
二人の紳士に訊いてみたいところですね


廻る


時間を遡るなら反時計回りだけでいいのに
右から左 左から右に

時には別々の音が左右から始まって交差する

規則性があるのか
方向に対応する音と明確な意味があるのか
わからないが
多分明確に方向性は決まっていて
円が一つではないから 二つの方向がある

これが井戸が一本から聴いた音ではなく
地平の井戸は全て繋がってるぜ ということなのか

時間とか 生命とかの円環がそうなっているのか

これで深い話がきっとできる筈だけど
これはこの暗喩 とか これといえばこれ という
SH文明のロゼッタストーンみたいなのが
志田にはないので ちょっとふわふわしちゃうけど
なんとなくそんな感じ

「僕たちは廻り続ける」


廻り?巡り?

多分廻り?

そのめぐりの
「め」に深い響きがあって
「めぐり」が浮き上がってくる

恐らくお一人の声で重ねたりしていない
でも
その部分だけ声の低いもう一人がいるみたいに
なんか不思議で ちょっと怖い

僕たちは と
続けるの「たちつてと」の部分は息が漏れて
最後は呟くように少し掠れて消える

誰だろう

志田は知らない けど 知っている気がする

多分このゾワッと感は
音楽家が意図してゾワッとさせてる部分もある
ゾワッとの所以はなんとなくわかるが
なんせ 似非お二人目なので
志田は経験値浅すぎて  含蓄が薄くて
歴戦のローラン方 よりはゾワッとできていない

羨まし

志田は多分彼が意図していない というか
意図してやっていたら 本当に貴方はなんなん という
「台詞の言い方」の方にゾワッとしている


というかこの話をするにあたって
言わなきゃ話にならないのに
Revoさんがかわいくない よりも前に
言えなかったことがあって

大脱線するのだけれど
今までめっちゃ失礼だと思って
あえて言わなかったというか
今になっては言わなかったのが寧ろ失礼というか

Romanで気配を感じて
パッシャライあたりからやっぱりチラついて
Spotifyで喋ってる彼を拝聴して確信したというか

どう書いても失礼になっちゃう 、、、

どうしよう
文字に残すことも憚られる、、、
自分が同じこと書かれたら嫌なので
書くべきではないんだけれども
志田の語彙力では他に説明しようがないので

本当に不敬で申し訳ないが

彼は舌ったらず 、、、ちくちく言葉だな

舌がお足りにならない、、、ので

、、、だめだ
挽回不可だ

いや!
本当にちょっとですよちょっと
お歌ではあんまり分からないけど
喋ってらっしゃると
ちょっとお足りにならないのかな、、みたいな

いや!
もうそれがいいみたいなとこあるじゃない?!

味よ!味!その寧ろ

志田だけがそんなところを気にしているというか
もう共感しかないみたいな
言いづらいよなそれ みたいな、、、、

いえ、、、全て志田の耳が悪いのです

本題に戻りましょう

その彼特有の素敵さもあって
お歌や台詞に 謎の魔法がかかる時がある

隠し持つ 幼さ というか
弱さ というか 脆さ というか 不安定さ、、、

別にご本人がそうだと言いたいわけでは全くなく

その奇跡の滑舌が人物の人間性と交差した時に
うぉっ と思う時があって

どうしても志田から抜けない彼の強者感というか
音楽において敵なしというか
かけ離れた存在の
完全無欠のように見えてしまう音楽家の
その鋭さとか恐ろしさがシルクに包まれて

親しみ、、、、ではないな
志田は親しくないので

なんでしょう
人肌の人間感というか、、、、
我々と等しく精一杯生きてる感というか、、、

失礼だな、、、
彼だって精一杯生きとるわ


光と闇の童話とか
暁光の唄もそう
愛の放浪者も

元々 なんかよくわからんが
音楽家のくせして
志田の尺度で音楽以外の諸々お上手いのが
意味わからんのだが
その役者ではなく音楽家たる みたいな

志田の経験値で語るべきではないかもしれないが
本当に 意味分からん のだ

役によって本当に同じ声?となるくらい
想像もできないほど演じ分けがお上手な
役者さんもいらっしゃるけれど

そういう別人感ではなく
彼の声は元々特徴がある方で
誰かと似てたりしないし
誰かと溶けたりしない
志田の経験上唯一で 彼の声でしかない

彼の音楽がどうとかいっさい忘れて
丸裸の客観だけを持って
何も知らずにいろんな曲の声だけ聴いて
「同じ人が歌っていますか」と聞かれれば

「はいそうです 間違いありません」くらいには同一

それでも音楽を聴いて
物語を知れば知るほど 彼らが別人だとわかる

なんならビビるほどに 別人すぎる

「はいそうです 間違いありません」を
完全に打ち消すくらい別人で

七色の声を持っているわけではないのに
なんなら 彼特有の声の癖は変わらないのに 別人で

その別人加減が偶然か必然か
芝居的にも神がかっている

音楽家なのに
全く意味がわからない

声帯の主の同一を消せるくらいの
別人があって
またその先に
彼ら という新しい同一がある

そしてその新たな同一が
人物たちが意識していないところにある
この脆さ 朧さ

声帯の主がどうの という次元さ離れて
彼らはどこかで繋がっているのでは という同一


声質を超えたその奇跡の舌が
その新たな同一に一役買っている、、、、

その舌をちょっと足らなくさせる遺伝子が
同じだから


いや、、、挽回できないな、、、
本当に失礼だ、、、、
どうしようもう諦めよう 志田は不敬だ!

四肢が微塵も残らんくらい市中を引きずってほしい

志田は彼の滑舌に 遺伝子を感じている!
だからそのままでいてほしい!

奇跡の舌ぞ!

何人も彼に滑舌の矯正を強いるな!


前置きが長くなりすぎたが
この「僕たちは廻り続ける」もしかり
その素敵マジックがかかっていて
多分メルさんではない 誰か なんだけれども
あたかも  すでに知っている 赤子 のようで
この泣き続ける言語を獲得する前の赤子の声が
聞こえるみたいで

その朧げな同一の方が
「僕たち」と言い始めているみたいで

なんだろう、、、、

鳥肌が立つ キッケリキー


総括

真珠の声

志田がJoelleさんのお声と出会ったのは
ルクセンダルク大紀行

白いお声だ!
真珠みたいだ、、、と

彼女のお声がもっと聴きたい
彼女のお声でRevoさんはどんな物語を彩るのか

そんな経緯でイドんだのが
イドイド Märchen でしたが



「唯のエリーザベト」といいながら
その姿は聖女の出で立ちで
こちらも幻覚をみせる
Joelleさんのお声と表現力には震えた

彼女の聖域に包まれて
終始夢見心地だった志田は
もう天を仰ぐしかなかった

いろんな感情がぐちゃぐちゃになったまま
ほつれて
どうにか整理を付けようと
手先でこねているうちに
目の前がカッと明るくなって

あ、、、これは消し飛ぶやつだ、、、と

彼女のお声に込められている
「自分の感情」のエネルギーが激情を超えているし

何故か志田みたいにぐちゃぐちゃにならずに
真っ白で、、、、、なぜ一色で居られる、、、

鈍色を許さない純白なのか
リスナーを置いて真っ白になろうとする

メルさんは宵闇に染まり
ベトさんは自ら漂白していく

ぐちゃぐちゃに塗りつぶされて
宵く染まるのも苦しいが

自分を殺して
漂白していく姿が
美しくて気が触れる

愛を貫いて羽ばたくことが幸福であると
愛する人がそれを望んでいると
恍惚とするベトさんが
階段を昇るその微笑みは
祝福を受けるようでありながら
呪いのようではあるまいか!

喜びにも悲しみにも祈るお声
であり
喜びも悲しみも呪うお声

貝殻に入り込んだ異物を
排することもできずに
心の柔らかい部分を傷つける

異物を 痛みを内包して
真珠質が包んで 層を成す防衛反応が
純白の輝きを放つ

それを強かと言えばいいのか
傷心から逃れる弱さと言えばいいのか
分からぬような歪な真珠であっても

美しい、、、、美しいとしか言えない

痛みを抱いて哀しみに濡る真珠こそ
その美しさを誇るにふさわしいのか

彼女のお声は海に帰りたがる




この物語に彼女に
真珠のお声をもつJoelleさんを抜擢した
Revoさんの采配には恐怖さえ感じる

なんだお前

一体何処の海で素潜りすれば
彼女を呼んでこられるんだ






メルさんの復讐


結論から言うと もう何も分からない

他人の復讐に手を貸すメルさんですが
なぜメルさんは罪を重ねてまで手伝ってくれるのか

メルさんご本人の復讐は何だったのか

まずメルさんのややこしい組成を置いておいて

志田がイドイド回でも述べたように

イドメルさんが抱いていたのは
無知で愚かで幼い自分への憾みであり
世界の作為など 世間の悪意など 
何ひとつ触れぬまま育ち
世界は光に満ちていると思い込み
母と自分の死を招いた

つまり
メルツ君の生そのものを憾んでいたように思う

そんな彼が記憶のほぼ全てを失い
もちろんそんな憾みさえ失い
屍揮者という生きても死んでもいないお兄さんとなり
他人の復讐を手伝うのがMärchenメルさんである

忘れてしまったにせよ
なぜ自分の憾みの復讐じゃなくて
罪の意識を抱きながら
他人の復讐を手伝うのか

宵闇の唄回で志田は
メルさんは摂理を守らないと存在できないので
歴史と集めた衝動で自我を作っている説
を唱えてみたものの

メルさんが今頃摂理を守ったからと言っても
摂理がその存在を許してくれるか考えてみれば
摂理は「決まっているもの」なので 無理でしょう

Märchenを歩むうちに
生きても死んでもいないという
摂理に反している時点で罪であり
罪を犯し続けないと存在できないから
復讐を手伝うのではなかろうか
と思うようになった

が、志田はいくら考えども
結局メルさんが何故他人の復讐を手伝うのか
明確な答えは出なかった

唯 聴き終えて振り返ってみると
メルさんとエリーゼさんの会話や
復讐の女優たちに掛ける言葉の雰囲気から
曲を経るごとに
メルさんの情緒が成熟してきていると感じた

復讐や女優たちを皮肉った会話から
「復讐も愛の形」などと言うようになり
愛情に飢えながらも
誰かに愛情を向ける姿に

Märchenメルさんは
接ぎ木したような存在ではあるけれど
メルツ君もイドメルさんも関係なく
Märchenメルさんが歩んだMärchenが
彼を成長させた
Märchenメルさんだけの人生があったと思う

だから志田は
メルツ君はメルツ君として
イドイドのメルさんも
イドイドのメルさんとして
MärchenメルさんもMärchenメルさんとして
人生があるので個人を尊重したいし

暁光へと歩んだ混沌メルさんも
皆メルさんだと思いたい

グリム童話や史実を調べれば何か
思いつくかもしれないが

今あるありのままの志田ではこれが限界

摂理とは何か
神とは何か
罪とは 罰とは 救済とは、、、、

「七」要素以外に
七つの大罪がどうつながっているのか

メルさんの組成は?
エリーゼさんは、、、、、、?

分からない

ので考察も何も
深い話は出ないが

この謎に包まれながらも
きっと意味がある心地を2週間ほど味わい
今の志田には分からないが
知識を養えば
いつか何かが結びついて腑に落ちるでしょう
という確信があるので
また追々何か思いつけばこの記事を更新したい

あと「七」要素も発掘したい

第七の地平線
Märchenが七文字
鐘が七回なる
七秒シリーズ
収録時間が七
メルさんの歩数が七歩、、、、

楽典とか他にもきっと何かあるが
見つければ見つけるほど
Revoが変態に見えてくるので

志田はこちらも置いておく

むしろ
世の中の「七」に関することを調べて
Märchenの中に見いだした方が早いかもしれない
邪知深いけど、、、

七曜日とかラッキーセブンとかね☆




キミが今笑っている、眩いその時代に。


このアルバムを聴き終えて

Revoさんがどんなメッセージを込めたのか
それは 謎 だが

志田が強く感じたのは
「生きて笑ってほしい」ということ


笑い とはなんでしょう

人は何故笑うのでしょうか

志田は
胡散臭い女将に
特殊な王子に笑ってしまう
ロンギヌス♂にはブチギレそうだけど
結局笑うしかない
ギャグ漫画を読んで吹き出すし
ソフトクリーム舐めているときにやけるし
お散歩しているもふもふのわんこを見て
菩薩のような微笑みを浮かべている
素敵な人と話すときは笑顔が漏れる

人は楽しいとき
うれしいとき笑うのか

でも志田は
失敗をごまかすときも笑うし
何かを責められたときも笑ってしまう
何か鋭利な言葉を言われても笑うし
話すのが怖いときはヘラヘラしてしまうし
自虐しながら笑うことがある

笑うべきではないし
面白くも うれしくもない
苦しいと思いながら 笑って
けど笑わないとやっていけないことは
年齢を重ねるたびに増えていって
純粋に笑っていられる時間は減っていく

何故に志田は笑うのか

無邪気な時分に
愛されていた自分が培った
「志田が笑えば誰かも笑ってくれる」を
無邪気では居られない相手や自分にも
適応すると信じて笑って
愛してくれると期待して

多分 許容してほしいのだ



失敗を
こんな志田を
その言葉は冗談だったと
笑って許してほしいのだ

私は傷ついていないと
大丈夫だと
笑える私はここに居ても許されると

純粋に楽しくて面白くて笑っていたのが
経験を重ね 自我が複雑化するほどに
誰かの許しを乞うようにも笑いはじめる

面白いおかしく無邪気に笑う時も
許されたいと笑うときも
気づいたら笑ってしまっている

笑わなくてはならない
と思っているときの方が笑えない
後から「なんで笑ってごまかしたんだろう」と
悔やむときさえある

志田の場合
時と場合によって
「笑ってはいけない」という超自我もあるが
「笑い」は衝動に近い

ならば
「笑い」は生まれながらにして
我々に備わっている本能なのではないか

メルツ君が生まれてから1~2ヶ月くらいまで
お母様の腕の中で温もりに包まれて
ウトウトと微睡の中で微笑みを浮かべる

これは罪に許しを
存在に許しを
摂理に乞うものでも
母に乞うものでもないはずだ

新生児微笑(生理的微笑)と呼ばれ
レム睡眠という浅い眠りの中で
素敵な夢を見ているから とも
「愛されるための本能」とも言われている

志田はMärchenを聞いた後に
これを思い出して 調べ直して

嗚呼 我々は生まれるということに
すでに《愛情》があるということを知っていて
生まれながらにして《愛情》を求めて
ずっと《愛情》に手を伸ばして生きているのだ と
愛されたいのだ と腑に落ちた



メルさんにはメルさんの
ベトさんにはベトさんの
志田には志田の

あなたにはあなたの
悲惨な時代があって

あなたにはあなたの
地獄があるように

あなたにはあなたの
眩い時代がある


自分だけが罪を犯しているわけではない
罪を犯さずに生きられる人はいないのに
自分だけその免罪符を持ち合わせていないと
思うときがある

我々の生には誰かの
摂理の許しが必要なのか

志田はMärchenを聴いて
半分そうで半分違う と思った

物語は「摂理に許されないと存在できない」と
重い鐘が鳴り響き 七つの罪が突き付けられる

でも

「キミが笑っている、眩いその時代に。
誰も恨まず、死せること憾まず、
また其処で逢おう」

ここだけは
「許しなど要らない」と
「生きて笑ってほしい」と言っている気がする

もちろん
これは宵闇に塗りつぶされていない部分で
摂理が記述を許した文章であるならば

摂理に従えばまた廻り逢えるのだから
誰のことを恨む必要も
死んでしまうことを憾む必要もない
復讐の罪を犯さなければ
君と廻り逢い
無邪気に笑い合える「眩い時代」が
またやってくるという
「摂理に従えば輪廻してまた逢える」解釈もできる

でも志田はそれだけじゃないと思った

「昏い時代」の中で
無邪気に笑っている人も
笑っていたことも憾まないで
「昏い時代」の中に居ても 生を失っても
「眩い時代」は奪われたわけじゃない
其処にあるから手を伸ばしてみたらどうかと
何か目を塞ぎたくなるように
「眩い」と思った時
それはもう手を伸ばしているんじゃないかと


「眩い時代」か「昏い時代」かどうかは
摂理が決めるのではない
キミの「眩い時代」を摂理が許すのではない

キミが笑っているかどうかで決まるのだ

だから「生きて笑ってほしい」
キミに会えると 愛してくれると信じて
僕は其処に手を伸ばすから、、、と

無邪気に笑えない
でも笑顔を作らないとうまく生きられない

笑う理由は複雑

でもキミに「笑ってほしい」というのは
きっと単純で

恨めしい誰かを
心底 笑ってほしいと思うことはない

芸人の抱腹絶倒のギャグを言うのも
友人がちょけるのも
誕生日にケーキを買って帰るのも
聖夜の枕元に贈り物があるのも
痛みを抱きながら微笑むのも
ロンギヌス♂も
ジャーマンスープレックスRevoも

悲しませたくない
幸福で居てほしい
「眩い時代」の中に居てほしい

という
単純な ひかり の譲渡なのだと思う

メルさんを暗闇に鎖した森の木々でさえ
光を奪い合うというのに

争奪の中で
日々摩耗しながら生きる我々にとって

そんな時代に
ひかりを分けよう あなたにも譲ろう
そして受け取ってほしいという

「無邪気に笑いなさい」でも
「笑ってもいい」でもなく

「笑ってほしい」というのが
どんなに救いだろうか


笑えない日も
笑顔を貼り付けて
唯 二酸化炭素を吐くだけのような日も
この広い地平の片隅で
なんとか今日も生きていているキミに

「笑ってほしい」と
そんな純粋な《愛情》を向けられて

笑えなくても「笑っていたい」と思える

笑い合える 人と
笑い合える 時に
笑い合える 場所で
笑い合える 音楽がある

そして
「笑ってほしい」ひとが居る

そんなものなくて

心のどこかで
自分ではどうにも自分を肯定できなくて
やっぱり
誰かに生きていることを許可されたい と
思ってしまうが

キミが生きているならば
すでに摂理が「許した」証左ではないか と

それさえ重く苦しくても

摂理に許されなかった者に
「笑ってほしい」と
《愛情》を向けられる存在であると
Märchenを聴けば
なんかちょっと自分を許して 肯定して

明日は笑えるかもしないと
この昏く時代に
ひかり へ手を伸ばして

笑ってみてもいいんじゃないかと
生きていてもいいじゃないかと

人間は森から抜け出せないかもしれないけれど
たまには木に登って海を眺めてみようかと
木漏れ日を探して野ばらを植えて
水を遣るような日々を大切にしたいと
思えるこの音楽こそ
この出逢いこそ

私の ひかり である




志田はずっと
待っていたのかもしれない

死の投げキッスで
音楽の抱擁で
ジャーマン•スープレックスで

何時か何処かの貴公子が
この魔法を解いてくれたのだろうか

気づけば
志田は独りではなかった


彼が寄越す その全て
志田の《童話》は 終わらない

蛙は井戸の淵から降り
森を抜けて遠い海を目指す

まだ見ぬ地平を旅するために、、、、




音楽家に
ここまで読んでくださったあなたに

心から感謝を 

そしてこの地平のどこかでキミが
笑っていることを願って


誠にダンケシェーン!!!!!!!!!!


つづく、、、、?




余談


僥倖の暁光

志田の駄文を読んでいただき
改めてありがとうございます

志田は皆様のご感想を
Twitterのご返信や
頂いたマシュマロでしか
拝読することができておりませんが

こんな一個人の感想を読んでいただいているだけで
大変うれしく
自分の文章に感想を送ってくださるなんて
この小娘 人生で初めての経験でございます

何よりうれしいのが
Revoさんの音楽を一緒に聴いてくださり
「やっぱりいい音楽」だと
「Revoさんはエグい」と
言って頂けることでございます

志田は自身の感想文を
Revo音楽の七番出汁くらいに思っておりますから
やっぱり本物を聴いて
Revoさんの音楽は素敵だと
思っていただけることが
何よりも嬉しいことでございます

そして
今まで好きなものがなかった
熱狂したことがなかった志田にとって
それは思ってもみなかった僥倖にございます

TwitterのTLも全く追えていない
新人で何にも分かっていない
井の中の蛙がぽっと海に出てしまったような
小娘志田ではございますが
志田のイドイド Märchen期間に
少しでも イドイド Märchenの話題が増えて
沼が撹拌され
微々たる砂粒でもいい 何処かの護岸が崩れたのなら

この志田
僥倖の暁光を迎えられる次第でございます


この柔らかい沼がより底なしになれば
志田は改めてこの感想を書いて良かったと思います

これが志田の推し活だい!!

ありがとう 沼の先住民☆


最近のRevo

この記事群は
志田のSH/LH初聴感想でありながら
「はじめての推しごと」成長記録でもあるので
お見苦しい志田の粗相をも
積極的に残している

直近の志田は
「れぼかわいい」の呪縛から解き放たれ
「れぼ置いとく」に移行したのだが
その後動きがあったので
ここに残したい

志田は「推し」の具合を
「音楽とは関係ないRevoさんをどう思うか」
というお写真を拝見することで判断しているが

今までは「Revo彫刻」であった

先日久しぶりに
ルクセンダルクパンフレットRevoを拝見すると

「Revo教授」に進化していた

着実に人間に近づいているではないか!小娘!


もはやパンフレットRevoのお写真関係ないが

尊敬する音楽家であり
彼自身も彼の音楽も志田の未知に溢れている
何でも教えてくれる優しい先生ではない
門戸は開かれているが
音楽から何を得るかは志田次第  

そして触れれば触れるほど彼の奈落を感じる
きっと生涯 志田はその奈落を覗く事はあっても
底を見る事はない
奈落の先に宇宙があるような気がしてならない

音楽で描かれる人間の美しさも  物語も
彼自身の知識量も 垣間見るお人柄も
重厚で 時に銃口で 底知れない

志田は彼の音楽が好きであると同時に
何かを知りたくて彼の音楽を聴いている
彼の音楽を聴くには耳が10個要るが
彼の音楽を聴くと目が10個増える
それくらい世界が広がるのだ
聴く前とは違う人間になった気さえする
彼の音楽を聴くと 彼の奈落を覗くと
志田の奈落は何故か埋まっていく気がするし
他の何かで満たされて 泉になることがある
でも何処かで新たな奈落が穿たれて
それを永遠に繰り返し
彼が問う人間を 美しさを 刹那さを
講堂の一番後ろで聴きながら
自分のノートに 書いては消して
たまには誰かのノートを拝見してみたり、、、

どうでしょう、、、
彫刻よりは成長したのではないでしょうか、、、

もはや何処に向かっているかは 謎 




大余談(超個人的)


志田は「暁光の唄」で消し飛んだ後
記事も更新せず何をやってたんだい

ほぼ志田の怠惰が原因ですが

志田はありがたいことに
イドイド熟成期間に勉強していた
国家試験に合格し新社会人として
メルさんの輪廻の歯車のことを考えながら
社会の歯車になろうとしていました


が、喜ばしいことに
志田はこの度 住民税を納めて
SHKの国籍の取得ファンクラブに入会
外務大臣より旅券を頂いたのである!

ちなみにこの旅券がなんなのかは
一切分かっていない


でも志田は
6月のオーケストラコンサートに
このピカピカの旅券を持って
初生Revoを浴びるのだ!!!!!!


半袖短パン虫取り網スタイルで参上する!
もう志田からは逃げられないゾ☆

さあ!

志田の生Revoチャンスを
今こそ取り返すのだ!!!!!!!

新卒だが絶対に休みは頂いていく!!!!!!
そして使い物にならないくらい
楽しんできてやるんだからな!!

これが志田の職場への復讐だ!!!!!!!!!!


そして
地平の辺境 志田の元にも
熟練ローランのバイブルである会報が届き
未だにお姿を拝見すると変な動悸がして
Revoさんのお写真がまともに見れない志田は
一頁だけチラ見し
成人男性致死量のフリフリを纏った
やっぱり漆黒の金メッシュRevoのお姿を認め ドキンコ
何もみなかったことにして トゥンクトゥンクトゥンク
そっと引き出しの奥に
仕舞ったのであった、、、、、、


ふりふりRevoよ、、、
お前との邂逅はまだ早い

いつかその時が来るまで
果実ふりふりの甘み 果皮グラサンの渋み
私の葡萄酒を桐の樽の中で引き出し熟成させよう


次の地平


先に言うと何も決まっていない
おすすめがあればこそっと、、、、

志田はこの総括を書く時間も
大事な総括で何か深い話をする余力もないくらい
思考がお仕事に取られて
新生活に精一杯なので
新しい曲は聴けども
こうして長々と書いていられる時間は
ないかもしれないし
そもそも新しい地平を拝むのは
まだまだ先かもしれないし
そもそも忙殺されて
幻想が広がらないかもしれない

でも同じ熱量で
彼の音楽を聴き続けることは変わらない

ただ 決まっているのは3つ


志田が青髭-磔刑間に旅先で書き殴った
とある感想文があるので
それを読んでいただける文章に校正できれば
掲載する

初生Revo謁見譚も掲載する

いつか訪れるNeinも必ず連載する

ということだけ

今まで以上に不定期で
スパンが長くなりますが
どうか これからも末永く見守って頂けると幸いです

ここまで読んでくださったあなたに
特大のダンケシェーン!を










































いいなと思ったら応援しよう!