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ハロウィンと朝の物語③

前回:「小生の地獄」


あずさ55号


イントロ

雨に濡れども美しく

光のSE
頁を捲る
都会の喧騒

ギターとキーボード
細かくなっていくリズム

ハッと左右を見回すようなギターも
押しきられる

最終のあずさ

飛び込んだ最終のあずさ
間に合わなけりゃバスタもあるさ
人影もまばらな車内 当て所なく彷徨い歩く
先頭車両の文字を赤い電灯が嗤う
どれほど急いでも到着時刻は同じ

一定のテンポで刻まれるギターは
等間隔に線路の継ぎ目を踏む列車のようで

最期の戦果のように
一音目に重さがある前のめりな旋律は
指定席ならばきっと席はあるはずなのに
先頭車両まで歩いてきてしまった彼女の
落ち着かない心が窺える


郷里を浮かべ

飛び出した郷里を浮かべ
あふれる懺悔こぼれる雫
流れゆく深夜の車窓 
意味もなくただ見つめてる
トンネル映す闇を青い影が嗤う
どれほど嘆いても時は戻らない

お姉さんは家出して東京に出てきていたんだ

あふれて こぼれて ながれる
情景と涙が伝う様を重ねている

目で追えていた車窓を流れていく景色が
トンネルの中に入るといきなり
ブラックアウトして
闇の中を配線がうねり
非常灯が飛んでいき
空気を押しながら進む列車の
重い駆動音がよく聞える
みたいなトンネルの中と外の車窓の緩急が
音楽にもあって

「先頭車両の~」や
「トンネル映す~」のあたりは特に
エレキギターの線路の継ぎ目に
ゴトゴト揺れるドラム
暗闇をかき分けるヘッドライトの
シンセサイザーが照らすようで

Revoめっちゃあずさ乗ってるし
窓際の席取ってる

記憶の中の母

記憶の中の母はいつだって女将だった
絶えず誰かの笑顔のために動き続ける背中が本当に嫌いだった

ふすまを開ける音

日だまりのようなピアノの旋律

同じように忙しなく
規則的に絶え間ないリズムでも
線路の継ぎ目を踏むエレキギターが
シャキシャキ動き回る母のアコギに変わる

母が彼女のことを考えていない訳はないと
理解はしているのに
母の背中が彼女の笑顔ためで無く
誰かの笑顔のために動き続けているのが
寂しい 

幼き日

幼き日
高熱に魘されて朧げな夢の狭間
白い手が冷たくて心地よかった
おそらく一睡もしていなかった冬の朝
凛とした母の背筋見つめては思った

揺蕩うメロディ
具合悪いときの
意識が遠い水面に浮かんでいる感じを
音楽にしたらこうなるんだな



あの電話口の箏の音色は
このお姉さんが
かわみぃを助けてくれたんだ
文字通り凜とした箏の音色は
お母様譲りだったんだね


今も尚 凜と立つ箏から
木管の旋律は後退りする


逃げ込んだ世界

やがて勘当同然 逃げ込んだ世界は
感動 茫然目眩く世界で
何者かになりたかった私は
役者の沼に沈むように溺れていった

サンフランシスコに
出てきたケイトさんのように
スカートの裾がクルクルと回る三拍子ではない

雪が降っているような気がする

彼女を繁華街の電飾が街ゆく人の群れが
取り囲み
傘がクルクルと回る三拍子
横流れの吹雪の中に
一人立つようなストリングス
車窓に回想が映っているかのように

冬なのかな


かわみぃと劇団で出会ったんだ
小説を読んでいるみたいに
物語がつながるのが楽しい

すこぶる聞き取りやすいお声にも頷ける

戯曲家が立つのは
取材か初日か千穐楽くらいの大舞台なので
特殊訓練を受けている役者達の後に
挨拶しろと言われるかわみぃの心中を
察さずにはいられない


沈むアコーディオン

終点 松本

とっとっとっとっ飛ぶように列車は走る
諏訪湖を越えて岡谷塩尻
アルパインホワイト輝く車体
もう間もなく終点松本

パッと音が開けて

列車が回想のトンネルを抜ける!?!?!?


はーーーーーい 天才でーーーす

どれほど強がっても

どれほど強がっても 涙は正直で

冒頭はキュッキュッと緊迫した
ストリングスを使わずに
ひたすらに急がされる音楽だったのが
ここにきてこのストリングスが出てくるとは!

車内での時間を過ごして
松本に着く頃には
抱えていた雪が溶けて
一杯になった胸の内が堰を切る





ぬぁぁぁぁぁぁぁぬぬぬぬぬぬ
渋みのお兄さんではないか!



会いたかったぜ

この人も箏の音色を纏っているのか
でも賢者の引用じゃない、、、、


ハンケチ、、、、、、
志田が鼻水をかんだハンケチ?

え、、、、まじでRomanのハンカチなの


え、あれって紙じゃないの



え?!


SHの中にSHが出てくることがあるんだ、、、、

涙、、、、????
なんて言った?????


ちょちょぎれんすきー?



は?




《光冠状感染症狂詩曲》


ビンタされたその勢いのまま
まさかの

キャッーーーーーッ
ハイテンションおじさんよォォォォォ

すっげぇ上手いな、、、、
どっからこの声出してるんだ、、、、、


母は一命を取り留め
日常が戻ったかのように思われたが
かの旋律は密かに東を目指す

まじで
後ろの元気なおじさんが気になりすぎて
なにも集中できないけど

パーカッションの歯切れのいいリズムに
ブラスの唸り
アフリカとかキューバとかルンバに
ジャズの雰囲気も混ざったマンボのような
ダンスミュージックの熱風が吹いて
社交ダンスの ChaChaCha的なステップで踊る
お二人が見える

こんなRevo音楽が聴けるとは


楽しすぎるな

光が見えずとも

今は光が見えずとも
闇の向こうに明日がある
私が今ここにいることにはきっと意味がある


お二人がハモるところ
何杯でもおかわりしたい


ブrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrァ↑ボゥが
好きすぎてたまらない
着メロにしたい

渋みのお兄さんにこんな引き出しがあるとは
無限大お兄さんだな、、、、

びっくりするぐらい
、、、、、歌詞が何も入ってこない


アッハ⭐︎

マラカスを貸せ



かぼちゃ

全国3位の収穫量カボチャもあるけど弱ぇ!

おおおおおおおおおおおお
海なし県なのにかき鳴らす三味線的な旋律は
ソーラン節のように大漁旗が踊る
板前 男前 で痺れる

マルメロ

ジャック・オ・ランタンくり抜いたマルメロ

とんでもねぇ声量だな

待て、、、
今まで同じお声を何度も聞いていたはずなのに
全く想像もしてなかったけれど
この人 絶対 テノールも上手いぞ

このお兄さんって一体
な、、、なんの音楽の人なんだ




なんなんだ

ブrrrrrrrrrra!


歌詞のことはこれから考えまッす☆







ここまで読んでくださったあなたに
Happy Halloween⭐︎







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