猫について行けばよかった
一昨年の真夏の仕事中、猛暑の中山手の古い住宅地を歩きっぱなしで仕事なんてどうでもよかった時、通りがかった猫に「暑いなあ」と話しかけたら数歩歩いて振り向き私を見るので着いていくと途中大きな乾いた側溝に降りた。
今思うと溝の幅や屈めば通れる渡し橋の高さ的に人間にも通れる道を選んでくれたように思うけど、近所の人に見られたら明らかに不審者だなと思って猫に断りを入れてつまらない仕事に戻った。
着いて行ってたらどこに辿り着いたんやろう。ついて行けばよかった。本当に後悔してる。
断りを入れる直前着いていかない私を振り向いてひと鳴きした猫ははよ来いと言ってたろうな。
人間には行けないと聞いて猫は呆れたように見えたけど、その時私が私に呆れていたからそう見えたのか。
どこに連れていってくれるつもりだったのか。
いろんなことが気になる。
林に紛れやすそうなさび猫。