節目の日のこと

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たくさんのお土産を抱えた大荷物を無理矢理かばんに押し込んで、飛行機に乗りこんだ。これまでに何度もこの日の想像をしたけれど、頭の中での今日はなぜかあたたかく晴れた日だった。東京では大雨洪水警報が出たとかなんとか。お天気アプリを確認すると福岡も雨だ。記念すべき日は少し肌寒い雨の三月だった。太陽光が少なくても、良い写真が撮れると良いのだけど。

スターフライヤーは黒で統一されたデザインで高級感がある。ANAの子会社なだけあって、LCCの中でも圧倒的に快適だ。
もう何回も乗っているのに、未だに飛行機の離陸前はどきどきしてしまう。離陸するための助走、いつもとても速くてびっくりしてしまう、まるで時間の流れみたいだ。高速で過ぎて気がついたら今日になってしまった。この速さに心が追いつける日は来るんだろうか。

雲の上には青空が広がっていて、雨は本当に雲から降るのだなとこの歳にして実感した。28歳。産まれてからもう28年も経ってしまったんだな。
もともと今の姓のための名前ではなかった。4歳の時に姓が変わって、名前とどうもしっくり来ないアンバランスな姓名で24年間を過ごした。

今日は人生で2度目に姓が変わる。
24年前と違って、今度は自分の意志で姓を変える。

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シートベルト着用サインが消えて、ヘッドホンを耳にあてる。チャットモンチーのアルバム「変身」をかける。
…「変身するぞ　どうせ嫌いになんかなれないだろう」「間違いだらけでも勝てるか教えてほしい」「拍手　君に会えた私　よくぞここまでたどり着いた」「こぼれたらすくうよ　落としたら拾うよ　倒れたら起こしてよ　敗れたら励ましてよ」「満月に吠えろ　この歌をとめるな」…
どの曲の歌詞にも今の私が重なる。変化しても絶対にやってみせるという気概。裏腹に、変化が怖くて仕方が無いという不安。それでも前と同じ自分では意味がないと二人は歌っている。私も新しい自分に変身するぞ、変身するぞ。

正直変化は怖いし、希望もあるけど不安もいっぱいだし、自信なんて全然無いし幸せは怖い。手放しで喜べるような性格になりたいけど、いわゆる幸せな状態になるほど怖くなってしまうタイプみたいでなんだか損している気がする。私らしいといえば私らしいけど、本当は幸せを両手いっぱい広げて受け止めたい。（これでも若い時よりは、だいぶできるようになったのだけど）でもこれからもっとそうなっていける気がするくらいには、希望も大きく感じている。

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あっという間に福岡空港に着きそう。
弱い雨、気温は7℃らしい。
ありがとさよなら、昨日まで。
これからよろしく、明日から。

変身してきます。

2018.3.9　11:00

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これは、入籍の日の朝に飛行機の中で書いたものだ。
昨日たまたまこんな記事を書いたから、ふとこの時のことを思い出した。いつかどこかで表に出したいなぁと思っていたけどなんとなくずっとあたためてしまっていた日記。せっかくの機会なので世に出してみる。

この時の自分が今の自分を見たらなんて思うかな。想像した通りの未来が来たことなんてほとんどない。いつだって現実は、ドラマより昔話よりずっとドラマチックだ。

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思ったことや考えたこと、感性を忘れてしまうのが怖いです。
写真と文章で今の自分が見たもの、感じたものを残しておきたくて
インスタグラムでフォトエッセイを綴っています。

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