上手に叱るってどういうこと?親子の関係も深まる「叱り方」とは
「なんであなたは乱暴者なの?!」
「何回言ってもダメなんだから」
「もう知らないよ」
いつも叱ってばかり、というお父さん・お母さん。ついついこんな言葉が出てしまっていませんか?実は、叱っているようで、親の余裕のなさから生じるイライラに任せて怒鳴ってしまっていることが非常に多いのです。
上手に叱るとは、子どもの自尊心を傷つけずに行為のみを指摘し、反省や改善を促す伝え方のことです。上手に叱られると、子どもの精神の発達もグンと促進されます。叱ることは、親の仕事の中でもかなりの大役。そこで、上手に叱るポイントを3つに分けてご紹介します。
●①叱る時間は1分以内
いつまでも叱ると、反省を促すどころか「小言が多くてうるさい人」と判断し、聞き流すことを覚えてしまいます。時間は短く、1分以内に終わらせると決めて話しましょう。すると、必然的に言葉は端的になります。要点を押さえた短い言葉は、子どもの中にずっと残り、同じような場面に遭遇した際の教示となるのです。
●②子どもの人間性を否定しない言葉
最も注意しなければならないのは、子どもの人格を否定する言葉を使わないこと。「こんなことするなんて信じられない」「うちの子じゃない」子どもの存在を否定するネガティブな言葉は、「愛されていない」というメッセージとして強烈に植え付けられてしまいます。
「あなたのことは大事に思ってる。でもね…」と、子どもを想う気持ちを前置きしたうえで、お友達のおもちゃをとった、妹を蹴った、嘘をついた、などの行為について指摘して叱りましょう。親からの愛と、子どもがとった叱るべき行為を切り離して上手に伝える方法です。
●③言いすぎたら謝る
「叱る」のではなく、自分のイライラを子どもにぶつけてしまったとき、大切なのは謝れる親であることです。自分が悪かったと認めることは、いくつになっても難しいものですが、子育てはそんなちっぽけなプライドを捨てさせてくれる絶好の機会です。「さっきはイライラしてしまって、どなっちゃってごめんね」と、親が素直に謝って許さない子はひとりもいません。
親子はお互いが写し鏡です。親が自分に正直になるほどに、子どももまた正直な気持ちでぶつかってきてくれるのです。人は自分が与えられたものしか、他者へ与えることができません。叱るも謝るも、親をはじめとする近しい人からされたようにするのが子どもなのです。
●子育ては試行錯誤。小さな一歩を積み重ねよう
ここまで、叱るときのポイントをお伝えしてきました。とはいえ、ポイントを押さえたからといって上手に叱れないこともありますよね。特に現在は、様々な行動やコミュニケーションが制限されることで、子育てを取り巻く環境はこれまで以上に厳しいものとなっており、お父さん・お母さんのストレスは計り知れません。
親も人間です。感情的になるときもあるし、言ってはいけないと思っていても、つい言ってしまうこともあるでしょう。「今日もたくさん怒鳴ってしまった。でも、あのときだけは上手に伝えることができたかもしれない」、そんな小さな一歩を積み重ねながら、自分なりの叱り方を模索していけたらよいですね。