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小さくてもひとりの人間。子どもを対等な存在として考える

子どもを守り、自立するまで責任を持って育てることは親の役目です。しかし、そのことと、子どもを自分の思うままに育てることはイコールではありません。そんな子育てはしてない、という方も、子どもに対して「どうしてあなたはいくら言ってもわからないの?ダメと言ったでしょう」「いけませんと言ってるのにどうしてわからないの?」というような言葉を日常的に使っていませんか?子どものやろうとしていることに口出しをしていませんか?

対等の大人に対しては言わないような言葉を、わが子に対して平気で使ってしまうのは、心のどこかに「子どもだから」「子どもなのに」という気持ちがあるからかもしれません。

●子どもの個性と人格を尊重する

子どもは、一人ひとりがどんな子でも必ずいい点、すぐれているところ、他の子にない個性を持っています。子育ての目標のひとつは、その個性を伸ばすことにあります。子どものよいところを見つけ、それを認め、ほめて育てていけば、どの子も大きく伸びる本性をみな持っています。

ところがわたしたちは、個性で見ようとせず、目先の成長発達や、能力や学力でつい見てしまいがちです。そしてわが子をマイナスに見てしまい、否定的な言葉を与えて接してしまいます。特に、余裕のないときは、悪い点ばかりが目につきがちですから、否定的な言葉は簡単に出てきます。しかし、その何気ない言葉が子どもの人生を左右してしまうこともあります。子どもの心を暗くし、自信をなくさせ、心を動かなくしてしまうのです。子どもの人格を認める言葉がけが、子どもの自信を育て、素直さを育てます。一個の人格として、一人前扱いをすることが大切なのです。

たとえば、普段は手がかかる子であったとしても「頼りない」「どうせできない」と決めつけず、小さなことから用事を頼んでみましょう。そして、「手伝ってくれてありがとう」としっかり礼を言い、仕事から帰ってきた家族にもそのことを報告して、家族みんなで子どもをほめてみましょう。そうすると、子どもは「ほめてもらえた」「自分の行動を認めてもらえた」と自信を持ち、さらなる好奇心や積極性にもきっとつながっていきます。良くも悪くも、親のひと言が、子どもの姿をつくる要因になっていくのです。

●小さくても、対等なひとりの人間として

お父さん・お母さんは、生まれたばかりでひとりではなにもできない子どもの姿をいちから見てきています。だからこそ、失敗しない道、安全な方法を先回りして伝えたくなるのかもしれません。それは、親として当たり前の感情です。

しかし、子どもは日々成長をしています。親をはじめとする身近な存在や、暮らしている環境、触れ合うものすべてから吸収と学びをし続けています。守られる立場でありながらも、ひとりの人間としての道を子どもなりに歩み始めているのです。

心配かもしれませんし、うまくいかないこともあるかもしれません。でも、やる気を出すこと、挑戦をしてみること、そしてそれを親に認められサポートしてもらえるという環境は、きっと子どもの成長につながります。子どもを低く見るのをやめて、対等の人格、ひとりの人間として、意思や意見を尊重しながら接してみましょう。