一方的になっていませんか?愛情を伝えるために大切な、子どもの話を聞くこと
子どもに愛情を伝える方法というと、何が思い浮かびますか?「伝える」のだから、子どもによく話しかける、スキンシップをとるといった、親側からアプローチする方法が思いつきますね。
もちろん、親から言葉をかけることで愛情を伝えることは大切ですが、こちらから一方的に話すだけではなく、子どもの話を聞くことも愛情を伝えるひとつの方法です。
今回は子どもの話を聞くことの大切さと、上手に聞くコツをお伝えします。
●一方的に話しかけるだけでは足りない?
子どもに愛情を伝える方法は、子どもの話をよく聞いてあげることです。 普通、親は子どもによく話しかけることを心がけ、その反対の子どもの話をよく聞くことにはあまり関心を向けません。
ところが子育てに大切なのは、子どもの話をよく聞いてあげることなのです。親が一方的に話しかけて育てるやり方では、子どもの心はつかめません。親が一方的に話しかける仕方で子育てをすると、子どもの心は満たされず、充分愛されているとは感じないものです。
反対に子どもの言うことをよく聞いてやり、子どもの心の動きをわかってやってこそ、子どもは自分が理解され、認められ、愛されていると思うものなのです。
●子どもから言葉を引き出す「やまびこ法」
たいていの親は、1日の子どもにかける言葉の70パーセントが叱る言葉で、残りの30パーセントが普通の言葉とほめ言葉といわれます。
なかには子どもを全然ほめない親御さんもいます。子どもを叱って育てると、子どもの言い分をよく聞いてあげることができません。子どもは叱られると心を閉ざしてしまうものです。
親が叱るのをやめ、子どもを認め、ほめることを覚えると、子どもは心を開いて親に語りかけはじめます。このときに充分子どもの気持ちを聞いてあげましょう。
このときぜひ「山びこ法」で子どもの言葉を引きだすようにしてください。普通、親が子どもにかける言葉は「〜しなさい」のように、たいてい指示語になっています。この指示語をやめて非指示法の山びこ法を使ってくださるとよいのです。
山びこ法は、次のようにします。子どもが何かを言ってきたら、「何よ。そんなことぐらい、がまんしなさい」のようにピシャッと頭から抑えてしまわずに、子どもの身になって、子どもの気持ちを理解しようとするのです。次のように対話をしてみましょう。
「ママ、お兄ちゃんが悪いの」
「そう。 お兄ちゃんが悪いのね。お兄ちゃんが何をしたの?」
「お兄ちゃんが私をたたいたの」
「あら。お兄ちゃんがあなたをたたいたのね。どうしてたたいたの?」
このように相手の言葉をそのまま山びこのように返しながら問答をしていくのです。これはカウンセリング法の一つにもあり、これが子どもとの対話に非常に効果が上がる方法にもなるのです。
このように子どもに応じてあげると、今まであまり対話のできなかった親子の間に対話が成り立ちます。子どもの気持ちを受け入れてあげるので、子どもが心を開いてどんどん語り続けてくれます。山びこ法で対話をする習慣にすると、子どもがきちんと自分の気持ちを言う習慣がつきます。日常こうして親子で対話をする習慣をつけておけば、子どもはいつでも自分の気持ちをはっきり順序立てて話せるようになっていきます。