赤ちゃんの“いたずら”は成長の証。上手に対策しながら見守ろう
1歳前後の赤ちゃんは毎日が好奇心にあふれています。家の中であちこち動き回る様子はとてもかわいらしいものです。一方でお母さんやお父さんを悩ませるのが子どもの”いたずら”です。
洗濯物を畳んだそばからぐちゃぐちゃにされる、こぼした水で水遊びを始める、片付けたそばからおもちゃをぽいぽい投げ散らかす、絵本や大切な書類が気付いたらぐちゃぐちゃに…。
赤ちゃんの思いがけないいたずらの数々に対応が追い付かず、親は終始ぐったり、時にはイライラしてしまうなんてこともありますよね。
実は、一見ただのいたずらにも見えるこの赤ちゃんの行動は成長の証なのです。
今回は、赤ちゃんのいたずらの意味と対策をお伝えします。
●いたずらは、赤ちゃんが"成長"している証
指をよく使うと脳が活性化する、老化防止になる、といった話を聞いたことがありませんか。手は「第二の脳」「外部の脳」とも呼ばれ、指には神経が集中しているため、指先を動かすと脳にたくさんの刺激が伝わるのです。
赤ちゃんは4〜5か月頃から自分の意思でものがつかめるようになり、つかむ、 放す、振る、投げる、持ち替える、つまむ、押す、回す、というように、指の動きの幅を広げていきます。おもちゃのガラガラは、握ったり振ったりという手指の動きに効果的ですし、振ると音が鳴るので聴覚刺激にもなります。
幼い子どもが必ずといっていいほどやりたがるのが、いわゆるティッシュ遊びですね。 箱からティッシュペーパーを次々と引っ張り出す遊びです。あれは成長過程での赤ちゃんなりの“実験”の一つで、知能の発達の現れでもあります。ティッシュ遊びに熱中する時期の子どもは、親指・人差し指・中指の機能が発達する時期にあります。指三本でつまむ、引き出すという訓練をしているのです。
子どもは決して、親を困らせようとしているわけではありません。子どものそうした行為を「童技(わらべわざ)」といいます。ティッシュ遊びは発達の兆候と思って見守ってあげましょう。
冒頭で紹介した数々のいたずらも、赤ちゃんにとってはいわば脳のトレーニングなのです。
●対策をしつつ、あたたかく見守ろう
ある程度のいたずらについては、我が子がどのようなことに興味を持つのか見守る親の姿勢も大切です。
とはいえ、散らかすので困る、日用品だからもったいない、資源なのだから無駄にするのは良くないといった、親として大切にしたい価値観があると思います。そして、日用品には誤飲など赤ちゃんにとって危険なものがあるのも事実です。
その場合は、しっかり対策をしましょう。例えば、洗濯物は赤ちゃんがお昼寝をしている間にたたむ、ティッシュや壊されたくない電子機器などは赤ちゃんの手の届かない場所に移動させる、大切な書類が仕舞ってある収納にはチャイルドロックを取り付けるといった具合です。
赤ちゃんには指先を使って遊ぶおもちゃを用意してあげるとよいですね。ティッシュを引き出すことが好きなら、空き箱にガーゼを何枚か詰めてティッシュの代わりにしてみるのはどうでしょうか?
新しいおもちゃを買わなくても、身の回りのものを使って赤ちゃんが喜ぶおもちゃを考えることも楽しいものです。
対策をしつつも、赤ちゃんの発達を見守るような工夫をしてこの"いたずら期"を楽しく乗り越えていきましょう。