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新年度の習い事はどうする? 子どもの才能を伸ばすために親ができること
もうすぐ新年度が始まりますね。新年度にあわせて新しく習い事を始めたほうが良いかしら?と考えている親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。子どもの才能を見出してあげたいというのが親心。習い事は少しでも早く始めた方がいいのではないかと焦ってしまいますよね。今回は、子どもの才能を伸ばすために親ができることは何かについてお話したいと思います。
● 子どもの才能は「好き」から芽生える
将棋界のスーパースター藤井総太竜王。幼少期に遊んでいたというパズルを買ったり、5歳から将棋を始めたと聞けば、やはり何かを始めるには早い方がいいと習い事を探す親御さんは多いかもれしません。
確かに、6歳までの早い時期に習い事を始めることは脳の発達の段階から見てもいいことです。パズルも、空間把握能力や推察力をつけるのに大いに役立ってくれるすばらしい遊びのひとつ。
しかし、パズルも将棋も、藤井総太さんの「好き」があったからこそ、能力が十分に発揮されたのです。「藤井総太くんのように育ってほしい!」と良かれと思って与えたパズルも、その子が「好き」という興味を示さなければ、部屋の隅でほこりをかぶってしまうことになりかねません。
子どもたちが才能を発揮するためには、まず、好きなことを見出すことが必要。親にとって大切なのは、わが子の「好き」がどこにあるのか、それを見つけていくことです。
「この子は何に興味があるのだろう」と関心を寄せ、「〇〇ちゃんはこれが好きなんだね」「上手だね」「一緒に楽しめて嬉しいな」と言葉をかけて、子どもの「好き」を一緒に喜ぶことから始めてみましょう。
● 親にできるのは「場づくり」
例えば、道端の草木を立ち止まってじっと見ている子には、植物園や、近くの自然がいっぱいの公園に連れていくなど多くの植物に触れる機会をつくってみましょう。咲いている花の名前を調べて、一緒に覚えていくのもいいですね。「それどういう意味?」と言葉をよく知りたがる子には、図書館で好きな本を選ばせて、毎日1つでもいいので、たくさんの言葉に触れる機会をつくってあげる。そうすれば、子どもの好奇心はより一層高まっていくでしょう。
「好き」を発見できる場を提供すること、「好き」が広がる機会を増やしてあげることは親にしかできない仕事です。好きだと思ったのにすぐに飽きてしまったり、あまり興味を示さなくて的外れだったりすることもあるでしょう。しかし興味が駆り立てられる場に置かれることで、まだ見ぬ才能の芽が顔を出す可能性が、「場を提供されなかった」ときと比較すると、はるかに高まるのです。
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子どもの才能がどこにあるのか、じっと観察し、わずかなヒントを頼りにして、もっと伸びる場をつくる。来る日も来る日も荒野を耕し、水をあげ続け、そうして何年もかけて土台をつくり、やっと芽を出させる…まるで開拓者のような仕事です。
発芽の先、茎を伸ばし、花を咲かせていくのは子どもたちの仕事。それまで進めてきた耕す手を止めて、主体を子どもに移していくのも親の役目です。
主体性が子ども自身に移行していく時期は、小学2年生、7歳ごろからだと言われています。0〜6歳の幼児期には主体性は親にあるので、7歳になったときに子ども自身が上手に主体性を持っていけるよう、耕してあげることが大切です。
子どもの人生が、幼児期の親の接し方によって決まってしまうの? と重くとらえすぎずに、わが子の才能の芽はどんな色かな、どんな形かなと、楽しみながら、わが子の「好き」を見つけていってあげてくださいね。