なぜ、やりたいことがみつからない、やりたくてもできないのか?

キタさんと一晩、新しい大学のありかたを議論するなかで、思っていたことが言語化されたのでメモ。キタさんは文部科学省でトビタテ留学Japanを作った人です。

「やりたいことがみつからない、
将来あるべき姿がわからない」

という悩みを多くの人が抱えている。

しかし、やりたいことだけを考えていても答えは出ない。

例えば、漫画「ワンピース」の話の続きを考えるとする。今までの話を読んで知っていなければ、漫画の続きを描くことはできない。ところが、私たちが未来を考えるときに、それをおろそかにすることが多い。

では、自分の未来を描くためには何を知ればよいのか?

自分とは何者であるかを知り、世界を知る。

自分の生い立ちや社会の歴史、得意なこと苦手なこと、今世界が解決を必要としている問題を知る。今自分はどんなキャラクターで、どんな設定の世界のどのシーンにいるのかを把握する。

知るためには、問うことが必要である。

問いには
(上向き)社会に対する問い、
(下向き)自分の内面に対する問い
の二つがある。

「そもそも、なぜ?」と問う。
例えば、愛とはなんだろう?
例えば、あなたが風邪をひいて寝込んだ時に、親が暖かいおかゆを作ってくれて愛を感じた。その行動に対して愛を感じたが、ではロボットが同じ行動をしたらそこに愛を感じる?
お金ってなに?国とはなに?法とは?

今までの教育では問うことをせず、答えと方法だけを教えた。
そもそもなぜ?Why?ということを理解せずに、How toを学んでも意味がない。

問いに対する答えは、思考することと行動することで得られる。

しかし、そもそも問うということが難しい。
自分が理解していないものには、何を問えばよいかわからないからだ。

そのためには、自分よりも理解している先生が必要で、生徒が必要とするときに問いを投げかけてあげられる、それが本来の大学の役目ではないか。大学があるべき姿に戻ったとき、「やりたいことがみつからない」という悩みはなくなる。

(なぜ僕が高校と大学に行かなかったのか?そのような既存の教育を受けないためである。)

「やりたいことがあっても、できない」という人も多い。

それは自己効力感、自己肯定感の低さが原因にある。特に日本人は自分を認める力が弱い。「どうせ自分にはできない」と思ってしまう。

本来自由に行動できたはずだった自分を縛る重力には、おもに以下の3つがある。

1. お金
2. 親
3. 人間関係

やりたいことができない、それは今日にいたるまでに上の3つのいずれかに関係することが自分の行動を制限してきたからである。

その原因はなんなのか?
お金がなくて我慢する必要があった?
親の期待に応えないといけないと思っている?
周りの友達が頑張るあなたを否定する?

もしかしたら、それはただの思い込みだったのかもしれない。自分自身と向き合い原因を特定し、その記憶を新しく丁寧に上書きしてあげること、成功体験を積み重ねることで自分を認める力が取り戻される。

自分を認める力が取り戻されると、やりたいことができるようになる。

ここでも自分自身に対して、問うということが大切である。


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