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シブヤ起業家さんにインタビュー散歩vol.6「失敗があったからこそ、自信の一着を選べるようになった」STYLE 202 山田憲吾さん 後編

原宿の古着店「STYLE202」は、アメカジスタイルを軸に、ヴィンテージの魅力を存分に発信しています。その独自のセレクトとこだわりは、オーナーの山田憲吾さんが自らアメリカに足を運び、丁寧に買い付けているからこそ。山田さんに選ばれたアイテムたちは、まさに一点物の輝きを放ち、訪れる人々を魅了しています。後編では、そんな山田さんがどのようにしてここまでの道を歩んできたのか、その軌跡を語っていただきます。


買い付けは経験あるのみ 「これだ」と思える一着を


シャツやグラフィックポスターが飾られ、アメリカンカジュアルの雰囲気を存分に感じられる空間

古着の買い付けは、本当に経験によるところが大きいです。「ピグスティ」で8年間働いたのですが、その中の5年は同行させてもらいました。年間、約150日ほどアメリカに行って買い付けをしていたので、その期間でさまざまなことを勉強させてもらいました。 アメリカのショップでは、積み上げられた古着の山がいくつもあって、その中から一つひとつ商品を吟味します。私は本当に右も左も分からない状況から行ったので、一から見て学ぶ感じで、最初は難しさに衝撃を受けましたね。自分ではいいと思った商品も先輩に「こんなんいらん」と怒られることもありましたし(笑)。それまでたくさんの古着を見てきて、知っていると思っていましたが、実際に買い付けに行ったら何もできなかったです。それでも、教えてもらいながら、また自分で調べたりもして少しずつ知識を蓄え、買い付けの回数を重ねるうちに、「これだ!」と思うものを少しずつ選べるようになってきました。 自分が選んだもので店のお客さんが喜んでくれると、昔も今も変わらず嬉しくなります。買い付けは自分の好みが反映されるので本当に楽しいですが、まだまだ知らないことがたくさんあるので、日々勉強し続けています。

高校生の時に買った古着を今も大切に 


デニムジャケットやヴィンテージTシャツ、小物まで、アメカジ好きにはたまらない一角

大阪の和泉市出身で、推薦入試で合格した大学に進学するために上京しました。経済学部で勉強していましたが、別の道に進みたいと考えるようになり、当時の店長と色々話していると、「うちで働いてみない?」と言われて。20歳前後から「ピグスティ」で働くようになりました。実は、もともと常連客だったんですよ。勤務は神宮前6丁目の「ピグスティ原宿店」ですが、本店が大阪の心斎橋アメリカ村にあったので、ちょこちょこ大阪にも帰っていました。

古着が好きになったのは高校時代です。部活帰りに心斎橋や難波のあたりのお店に立ち寄っていました。当時からアメカジのヴィンテージの一点物感だったり、現代では見つけられないようなカッコいいものがあるところに魅力を感じていたんです。特に、ワーク系やミリタリー、スウェットなどが好きで、自然と集めるようになりました。

今でこそ店を構えていますが、最初の頃は、Tシャツやジーパンなど、割とどこにでもあるようなものを買っていたんですよ。古着のチェーン店で買い物をして、店員さんに色々教えてもらいながら、他のお店も紹介してもらって……というように、だんだんと世界を広げていきました。今では150着くらいは持っているんじゃないでしょうか。18歳の頃に買ったシャツは30歳になった今も持っています。決して高価なものではありませんが、一生懸命働いて買ったという思い出がありますから。

原宿はチャレンジする人が集まる街


山田さんオススメの1着目「70's Schott ダブルライダースジャケット」

最後に、これからの季節におすすめの2着を紹介します。

「70's Schott ダブルライダースジャケット」は、70年代頃のショットのライダースです。
普段よく目にするのはブラックですが、珍しいホワイトカラーです。ライダースの力強さとともに、クリーンな印象を与える一着。革の質感も非常に良く、ヴィンテージならではの味わいが楽しめます。


オススメ2着目は「50's スーベニアジャケット」

「50's スーベニアジャケット」は50年代頃の通称スカジャン。迫力のあるタイガーヘッドは人気の高い刺繍です。アメリカでも仕入れるのも難しく、値段も高騰しているアイテムの一つです。シルクのような光沢感もあり、ヴィンテージならではの繊細な風合いが楽しめます。どちらも非常にカッコいいアイテムですので、ぜひお店に足を運んで実物をご覧ください。

原宿には、いろんなことにチャレンジしている人が集まっていて、会うたびにワクワクします。海外からもたくさんの方が来るので、国際的な雰囲気も感じられます。お店にもアジアの方からアメリカ、ヨーロッパの方まで、いろんな国の方がいらっしゃいますね。私にとって、古着に目覚めるきっかけになった街なので、愛着もあります。

今後は、このお店を続けていきながら、できれば、将来的にはもう1店舗、2店舗と広げていけたらいいなと思っています。もちろん、自分の好きなアイテムを置いているんですが、あまり固執しすぎると視野が狭くなってしまうので、ビンテージのシェアを広げながら、柔軟に、楽しみながらやっていきたいです。古着が好きな方も、これから知って行きたい方も、ぜひ、うちのお店で皆さんの好きなものを見つけてもらえたら嬉しいです。

山田さんのお話には古着に対する愛情とセンスがぎっしりで、楽しみながら仕事に取り組んでいる姿が印象的でした。これからどんな新しい挑戦をしていくのか楽しみな山田さん。お店に足を運んで、自分の好きな一着を見つけたくなります。

※注
記事掲載の商品は、公開時点のものです。
売り切れで店頭にない場合もありますのでご了承ください。

店舗情報

STYLE 202
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6丁目2−4 岡島ビル 202
*お隣がチャオバンブー、1階が原宿餃子楼のビルの2階にあるお店です。
open 13:00-20:00

(インスタグラム)

(BASE shop)

ライタープロフィール


黒澤真紀(くろさわ・まき)
愛媛県出身です。都内の塾に勤務→結婚→出産(息子2人)を経て、フリーランスに。上京当時は渋谷のにぎやかさにあたふたしましたが、田園都市線沿線に住み、ちょこちょこ遊びにくるうちに楽しめるようになりました。しばらくぶりにいろんな渋谷を楽しみたいです。服やかわいいものが大好きな妹と一緒に来ようかな。
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