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シブヤ初詣散歩Vol.1 心静かに訪れたい、勝負の神様「鳩森八幡神社」

気づけばあっという間に1月も終わり。年が改まったばかりの頃は、「気持ちも新たに今年こそよい一年を」と願っていても、あっという間に日々の慌ただしさに流されていく。1月とはそういう時期かもしれません。
立春を控えた今、少しだけでも静かなひとときを過ごしたいと思い立ち、
だいぶ遅ればせながらの「初詣」に行ってまいりました。


将棋堂、富士塚。コンパクトな中に見どころたくさん

伺ったのは千駄ヶ谷にある「鳩森八幡神社」。
千百年以上前に建立されたという、由緒ある神社です。

八幡さまは勝負の神様。中でも鳩森八幡神社には「棋力向上」を願う将棋堂
があり、将棋の大駒が奉納されています。

例年、1月5日にはプロ棋士が集まる「将棋堂祈願祭」が行われるとのこと。2024年9月まで神社のすぐ向かいに将棋会館があったことから、棋力向上を願う人たちが多く訪れるようです。

あちこちに将棋モチーフが

将棋堂と並んで珍しいのが「富士塚」。
富士塚とは、富士山を模して作られた人口の塚のこと。富士山は古くから信仰の対象とされ、江戸時代には「富士山詣」が流行しました。(歴史の時間に習う「東海道中膝栗毛」も、江戸の町民、弥次さん喜多さんの富士山への旅を綴った旅行記です)
しかし、本物の富士山は遠く、行くには時間もお金もかかります。「では代わりに富士山をつくっちまおう」と生まれたのが「富士塚」なのだそうです。

鳩森八幡の富士塚は「江戸七富士」と呼ばれて江戸時代から親しまれていたとのこと。いまは都の有形民俗文化財に指定されています。

富士塚は、言ってみれば江戸時代の体感型バーチャル観光地。超ミニチュアながら、登山口もあれば途中に名所もあり、江戸の人たちの遊び心を感じます。

山頂には富士山の溶岩が祀られていました。本物の富士山とのつながりを感じられる、かもしれません。

自然の不思議に瑞兆を見出す

富士塚へ上ったあとは、神社本殿へお参りを。都会の喧騒が嘘のような静けさに、何かと慌ただしい心も穏やかになりそうです。

歴史を感じる立派な黒松
ぎゅうぎゅう詰めの「鳩みくじ」


おみくじは吉でした。「安心と不安が交互にやってきます」と微妙に不安な内容。今回に限らず、おみくじの文章って割と辛辣なトーンな気がしますが、日本の神様ってこんな感じなのかなあ。

鳩森神社の鳩。

「鳩森」の由来は、

大昔、この場所の林の深くに瑞雲(めでたいことの前兆として現れる雲)がたびたび現れていました。ある日,青空から雲がおりてきたので、不思議に思った村民が林の中に入ると、突然たくさんの白い鳩が西に向かって飛び去っていきました。この霊瑞(不思議でめでたい現象)から、神様の宿る小さな祠を建て,鳩森「はとのもり」と名付けました。

(鳩森神社縁起:https://www.hatonomori-shrine.or.jp/ より引用)

とのこと。雲や鳩といった自然の中に、自分たちの生活を良くしてくれる良き兆しを見出そうとしていたのですね。

もうすぐ立春。1年を支えてくれる良い兆しを探しに、皆様もぜひお出かけくださいね。

infomation

鳩森八幡神社
〒151-0051
渋谷区千駄ヶ谷1-1-24
受付:9時〜17時
公式サイト
https://www.hatonomori-shrine.or.jp/ 

ライタープロフィール

八田吏(はったつかさ)
シブヤ散歩新聞副編集長。ライター/ディレクター。産前産後の家庭と産前産後の家庭とサポートのプロをつなぐマッチングサイトMotherRingディレクター。自宅から一番近い繁華街が渋谷なので、映画に行くのも友達とのお茶も、本や洋服などの買い物も、だいたい渋谷区内で完結しています。



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