家族(映画)の“多様性”ー洋画編
こんにちは。シブヤガワ映画祭部のカベです!
サトーさんの家族映画紹介に感化され、洋画にも素敵な家族映画がたくさんあるので、紹介したくなってしまいました!
ということで、家族映画<洋画編>レッツゴー!
●エイプリルの七面鳥/ピーター・ヘッジズ監督
犬猿の仲でずっと会っていなかった母がガンで余命わずかとなってしまった事を機に、娘が初めて感謝祭のディナーに家族を招待し、手料理をご馳走しようと悪戦苦闘する姿を描いた作品。
家族ってすごく不思議な関係。うざったくて憎しみにも似た感情が沸き上がる時もあれば、褒められたくて行動している自分に気付く時もある。でもそれって根本に愛しているから認められたいという思いがあるのかも。そんな切ない思いだからこそ、ほんの少しのすれ違いが重なって大きなわだかまりになってしまうのかもしれません。
登場人物のキャラクターがとても魅力的で、本当はみんなお互いを思いやっているんだな、という空気感が全編通して感じられる作品です。
【画像出典元】http://eiga.com/movie/52309/
●うちへ帰ろう/スティーヴン・メラー監督
両親が20年前に離婚した3姉妹が、母親の病気を機に父親に会いにゆく事になるのだけれど・・・。
離婚は夫と妻の二人の問題でしかないのに、その影響を一番に受けてしまうのは悲しいことに当事者ではない子供だったりします。
記憶が鮮明にあるから父親を許せない長女と、幼すぎて覚えていないからこそ父親への憧れが強い三女。どちらの気持ちも理解できる次女。三姉妹三様の葛藤を描く事で、いかに子供たちが親の影響を受けているのかを見事に映し出しています。
離れていた時間はあまりに長すぎて決してその隙間は瞬時に埋まることはないけれど、そこにはやはり「家族」という不思議な絆がちゃんとあるのだという事を随所に感じさせる作品。
原題は「THE AUTUMN HEART」。
秋晴れの穏やかな木漏れ日のような、心地よい暖かさに包まれる映画です。
【外部リンク・youtube 予告編】
●グッドナイト・ムーン/クリス・コロンバス監督
日本ではクリスマスって恋人同士で過ごすイメージが強いですが、欧米では家族で過ごすのが一般的。
私もクリスマスっていうと子供の頃に大きなテーブルをみんなで囲んでお母さんの作った温かいご飯を食べる、そんな記憶がよみがえってきます。
これはそんなクリスマスの家族のシーンが印象的な一本。
ジュリア・ロバーツ演じる主人公は一回り以上年上の彼氏と婚約するが、彼と前妻との間にできた2人の子供たちからはあまりなつかれていない。それもそのはず、前妻が完璧な母親だから。そして、前妻自身も主人公の事を良く思っていない。けれど、だんだんと子供達は主人公になついていく。そんな中、前妻が末期のガンだと診断されてーー。
子供達がずっと前妻の影を追ってしまうんじゃないかという主人公の不安と、自分という存在が子供達の中からいなくなってしまうんじゃないかという前妻の不安。異なる二つの母親の不安が互いに葛藤を生むのだけれど、前妻の病を通して、次第に大きな家族としての絆が結ばれていく。
最後のクリスマスの朝のシーンは、家族それぞれの優しさと思いやりに溢れていて、気持ちのいい涙を流せます。
【外部リンク・youtube 予告編】
●ものすごくうるさくて、ありえないほど近い/スティーブン・ダルドリー監督
9.11で父親を亡くして心に傷を負った少年が、父親の遺品から出てきた鍵を父からのメッセージだと思い、その鍵穴を探すためNY中を訪ね歩く旅に出る。そんな中出会った謎の老人も少年の鍵穴探しの旅に加わってーー。
悲しみを癒すのは、慰めの言葉とか同情の優しさではなくて、ましてや死んでしまった人の遺品とかでもなくて、ただ寄り添ってくれる人の温もりだったりする。傷は決して消えないけれど、その思いやりに触れた時人は癒されていくのだなと思いました。
父親と母親の担う、それぞれの役割が素晴らしくって、特に母親役のサンドラ・ブロックが涙腺を刺激します。
クライマックスだと思っているその先にさらなる感動が待っています。
【外部リンク・youtube 予告編】
●クレイマー、クレイマー/ロバート・ベントン監督
家族映画の名作として外せない一本。ダスティン・ホフマン演じる仕事人間のサラリーマンが、突然妻に家出され、初めての家事や幼い息子の世話に奮闘していく中で、人生で大事なものの価値観が少しづつ変わっていく姿を描いた作品。
女性は10か月の妊娠期間を経て、命がけで子供を産むのだから、必然的に母親としての自覚が芽生える。では、男性は一体いつ父親になるのだろう?女性はきっと瞬間的に“母親”になれるのかもしれないけれど、男性は“父親”になるのに時間がかかるものなのかもしれません。
これは、一人の男性が“父親”になってゆく過程を丁寧に描いた作品です。
【画像出典元】http://eiga.com/movie/44089/
●愛する人/ロドリゴ・ガルシア監督
さまざまな形の母と娘の関係を紡いだ作品。14歳で妊娠したため、生まれたばかりの子供を母親に強制的に養子に出されてしまった過去をひきづる中年女性。母の愛情を知らずに育ち他人に心を許すことができない女性弁護士。子供ができない事を悩む黒人夫婦。
別々の母と娘の物語だと思っていたものが、次第にひとつに織り上げられていく様は圧巻です。
「クレイマー、クレイマー」が男性が父親になる過程を描いた作品ならば、こちらは女性が母になる瞬間や母になりきれない葛藤、女と母親の間を行き来する苦悩を映し出しています。
もし自分が母親になる時が来たら絶対見返そうと思っている作品です。
(C)2009, Mother and Child Productions, LLC
【画像出典元】http://eiga.com/movie/55208/
以上、家族映画ー洋画編でした!
書いていて思ったことは、国は変わっても家族のカタチや想いは万国共通のものなんだなということ。
だからこそ、家族を描いた映画は国を超えても人の心を動かす名作が多いのかもしれません。
さて、開催まで残すところあとわずかとなった「シブヤガワ映画祭」ですが、
10/10は是非大切な家族や恋人、友達たちと一緒に遊びにきてください!
きっと映画がその絆をさらに深めてくれると思います♪
チケットのご購入はこちらから→http://www.shibuya-eiga.com/