没になったSCP その1
SCP-XXXX - この本を盗むものは
オブジェクトクラス:sere
特別収容プロトコル:
SCP-XXXXは、財団サイト-██の高セキュリティ収容室に保管されており、極めて厳重な監視体制が敷かれている。SCP-XXXXのケースはセキュリティシステムに直結しており、許可なく接触した場合、即座に警報が発動し、自動的に収容エリアが封鎖される。SCP-XXXXに関する実験はO5評議会の承認がない限り、禁止されている。
SCP-XXXXを盗んだ対象が確認された場合、その居住地は即座に財団の封鎖区域に指定され、対象者および影響を受けた住民の隔離および観察が行われる。現実改変の兆候が確認された場合は、専用のMTF(機動部隊)により、改変の抑制および無力化のプロトコルが発動される。
説明:
SCP-XXXXは、装丁が施された無題の古書であり、表紙には一切の文字が記載されていない。中身は多岐にわたるが、内容は読み手ごとに異なる。しかし、SCP-XXXXの最大の異常性は、この書物を「盗む」ことで発現する。
SCP-XXXXを盗んだ者(以下「対象者」)は、24~48時間以内に周囲の現実が異常な形で改変され始める。改変は対象者が存在する都市や町全体に影響を及ぼし、あたかもその場所がファンタジーやSFの物語世界へと変貌するかのような異常現象が発生する。
補遺 XXXX-A:
SCP-XXXXは████で初めて発見されたが、発見当初から盗難に関する異常なケースが多数記録されていた。現実改変に関連する記録は過去数世紀にわたり存在しており、この本が神話や古代の呪いと関係している可能性があると考えられている。
改変の具体的な内容は毎回異なり、以下のような例が記録されている:
事例記録 XXXX-1:
████年、██市にてSCP-XXXXが盗まれた事件が発生。現実改変が開始され、街全体が魔法の王国へと変貌。住民の多くが魔法使いや異形のクリーチャーに変わり、財団の介入が困難を極めた。最終 的にMTF-██が派遣され、街を物理的に封鎖。変貌が進んだ地域は完全に隔離された。
変貌された異常物体(SCP-XX XX-A)は 現実改変が起こった町から出ることはないと思われる。
事例記録 XXXX-2:
███年、SCP-XXXXが盗まれた後、██都市での現実改変がサイバーパンク的な未来都市を模倣する形で発生。全住民が高度な機械化を受け、街のインフラが自動化されたシステムにより支配されるようになった。最終的に財団は、都市全体の無力化を選択し、大規模なEMPを使用して異常を抑制したが、回復は不可能と判断された。