派遣社員と正社員、選考のちがいについて
みなさんこんにちは。人材系企業の総務人事/派遣コーディネーターをしております、しぶやです。Twitterは→こちら
さて、今日は派遣社員と正社員の選考のちがいについて説明してみようと思います。派遣社員と正社員を同時に受けている場合、同じような対応をして失敗してしまいがち。良かったら参考にしてください。
派遣求人でも転職サイトに載っていることがある
「自分は派遣会社に登録していないから派遣求人とは縁がない」そう思っている方もいますが、普通に転職サイトにも載っています。専門派遣だと月給が高いこともあり、転職サイトでも人が集まりやすいです。また、書類選考を挟みたい会社さんなんかは、わざわざ転職サイトに案件を載せて、登録されたWeb履歴書をもとにふるいにかけることも。
弊社でも専門派遣は正社員向け求人サイトに載せることがあります。(事務派遣は派遣専門の求人サイトに載せてます)専門派遣は月給30万スタートのものもあり、正社員向けサイトでもわりと戦えます。派遣だと気がつかずにご応募してくる方もいるくらいです。
正社員はわりと交渉が利く
さて、ここから選考の話です。
正社員はけっこう融通が利きます。人材紹介会社を挟んでいると、担当者から要望を聞かれることも多いです。
「現職中なので3か月先以降の就業開始でお願いします」
「現職が年収○○〇万なので、それ以上を希望します」
正社員中途採用の場合、「人が足りないから誰でもいいから採る」ということはまれです。「この職務経験のある人でないと採らない」という明確な採用基準を設けていることがほとんどで、基準を満たしていれば要望も通りやすい。
今はどこも採用難なので、多少経歴がズレていても、メンバーとの親和性が高そう、職種は違うが業界が同じで事情を分かっていそうなど、活躍が見込めれば柔軟に対応してくれることもあります。事務で応募したけど採用アシスタントやってみませんかとか、プレーヤーでご応募いただいたけどあなたのご経歴ならマネジャー待遇でいかがでしょうか、年収はプラス○○円出せますとか。
実際にわたしも、インサイドセールスで選考希望出したけど秘書はどうでしょうかと面接受けたことがあります(落ちたw)内定を辞退したら給与上乗せされたこともあります。
入社日もかなり考慮してくれます。2~3か月先の入社が一番多いですが、4か月、5か月待ってくれるようなケースもあります。
派遣求人はオーダーありきのマッチング
一方で派遣は「この業務範囲で、この金額で、この日までに来てくれる人であれば誰でもいい」という形態です。マッチ度の高い順に採用が決まる。なので「自分はこれだけの職歴があるのだから給与を上げてほしい」といった交渉は基本的に通りません。
求められる以上の仕事ができそうだとしても、予算内の金額でおさまらないのであればお見送りとなってしまう。内定時に「自分の実力を評価してもらえたからだ」と強気に出すぎない方が吉ですし、提示金額が低いからと落ち込む必要もありません。そういう求人だと割り切って応募しましょう。
また、基本的には早く来られる人が有利です。オーダーシートには「派遣開始希望〇月〇日」といった欄があり、そこを大幅に超えると採用が決まりません。弊社では事務派遣は1か月以内での就業開始が多いです。専門派遣で在職中の方でも2か月ほど。「在職中ですので、3か月以降の就業を希望します」となれば、この時点で紹介できる求人はかなり少なくなります。(3年満期で辞める人がいる、産休に入る人がいるなど、先々での入社が読める求人のみになる)
顔合わせ日程は基本的に10時~17時
派遣には顔合わせ(もしくは職場見学)という工程が存在します。正社員で言う面接みたいなものです。実際のところ、派遣は面接することを禁じられているので、職場を見てもらう、担当者と事前に面識をつくっておくというのが表向きの理由です。けっこうがっつり面接をする企業さんもいて、すごくグレーゾーンです…
さてこの顔合わせ、候補者さんの中には「在職中なので19時以降でお願いします」という方がわりといらっしゃいます。が、派遣はマッチングなので、この時点でマッチングしないと判断され、顔合わせが実現しない可能性が高いです。
正社員であれば、「この人には会ってみたいからこの日は残業申請して対応しよう」「フレックスだから、この人と会うために出勤時間をズラそう」みたいなこともあります。ベンチャー企業だと社長みずからが採用をしていることもあり、この人はぜひ!ということであれば土日に面接するケースもある。
しかし、派遣はマッチングなので、基本的には管理部門が稼働している時間帯でしか顔合わせは対応してくれません。できれば17時まで、どんなに遅くても18時までを指定するといいと思います。
マッチ度が高ければ職歴が短くても決まるのが派遣
派遣っていいことないじゃん…と思われた方もいるかもしれません。しかし、マッチ度さえ高ければ職歴が短くても仕事にありつけるのが派遣の良いところです。実際に弊社であった例です。
Aさん:25歳。職歴はアルバイトのみ。離職中。
Bさん:29歳。事務職経験が長く2社で7年経験。在職中。
両名とも、大手広告代理店の事務職にエントリー希望を出していました。この事務職、なんと就業開始希望日が7日後だったのです。決まっていた人が就業開始日に現れず、バックレてしまったので急遽後任を探しているというものでした。
通常であれば、Bさんが選考に進んだ可能性が高い案件です。しかし、7日後に来られる方を最優先するとのことでAさんがマッチし、現在もご活躍いただいています。
なかなか派遣先を紹介してもらえない…という場合は、顔合わせを昼~夕方にしてみる、離職してから仕事を探す、これだけでも多少は違ってくると思います。(とはいえ在職中に探したいと思うので、できるだけ1か月後の就業開始を目指すなど)
なにか参考になれば幸いです。
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