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ストーキングLv.100!このおじさんが怖すぎる…「ヒッチャー」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(519日目)

「ヒッチャー」(1986)
ロバート・ハーモン監督

◆あらすじ
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シカゴからサンディエゴへの砂漠地帯。ジムは1人のヒッチハイカーを車に乗せた。ジョン・ライダーと名乗るその男は、ジムの喉にナイフを突きつけ「俺を止めてみろ」と脅す。ジムは何とかジョンを車から突き落とすが、それは恐怖の始まりに過ぎなかった…。(Filmarksより引用)
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これは凄いです!

今まで見た中でもトップクラスに面白かったです!

どちらかというとスリラーとかサスペンスに分類されるとは思いますが、ここまできたらもう立派なヒトコワ系のホラー映画と言っても良いと思います。

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映画.comより引用

ストーリーは単純明快です。

◇アルバイトで陸送をしているジムが道中でヒッチハイカーを拾う。ジョン・ライダーと名乗るその男が実は超絶激ヤバおじさんで、「俺を止めてみろ」とジムをナイフで脅す。一瞬の隙をついてライダーを車から突き落としてホッとしたのも束の間、ライダーは執拗にどこまでもジムを追い続ける…

と、非常にシンプルです。
ですが常に緊張感や臨場感が漂っているため、主人公ジムの恐怖がダイレクトに伝わってきて本当に怖いです。

主人公のジム•ハルジー
(映画.comより引用)

だって知らないヤバいおじさんがどこまでも自分を追って来るんですよ?怖すぎます!しかも目的は分からないし、おじさんのせいで多くの犠牲者が出るわけですから最悪にも程があります。

しかし、こんなに無茶苦茶な展開なのに一切無理がないのが凄いんです。自然というか必然といいますか、“なるようにしてなった”というのが一番相応しいストーリー展開が見事です。

日本公開時のこのジャケ写もかっこよくて好きです。
『鬼畜参上』という文言が堪りませんね。
(映画.comより引用)

兎にも角にも、この作品におけるヴィランである
ジョン•ライダーの魅力を語らずにはいられません。

ルトガー・ハウアー演じるジョン•ライダー
「ブレードランナー」のロイ役等も印象的でした。
(映画.comより引用)

作中で明らかとなる彼に関する情報はジョン・ライダーという名前だけです。しかもそれすら本当か分かりません。

『ヒッチハイクをして、その車の持ち主を殺害』という行為をジムの車に乗り込むまでにも行っており、車から突き落とされた後もジムを執拗に追い続けます。

しかも一番怖いのが“その目的が分からない”という点です。ジムに目的を尋ねられた際は「俺を止めてみろ」と言い、最後の最後まで目的を答えてはくれません。

恐怖の中にも色気を感じます。
(映画.comより引用)

とにかくどこにでも現れるので一秒たりとも気が休まりません。ジムやナッシュからしたら恐怖でしかないでしょう。もちろん我々視聴者からしても怖いですし、ジムたちには助かって欲しいんですけど、その一方でライダーの登場を心待ちにしている自分がいるのもまた事実です。

ある時には仲睦まじい家族の車から現れたり、そしてまたある時には壁をぶち破って登場したりと、
一周回ってなんだか面白くなってきちゃうんです。

中盤からはライダーが現れる度に歓声を上げたくなりますし、クライマックスなんて思わず「立てー!ライダー!立てー!」と叫びたくなるほどでした。ジムの背中越しにライダーが立ち上がった際は心の中でスタンディングオベーションしてました。

このシーンかっこよすぎます!
(映画.comより引用)

謎が多いからこそ魅力を感じるのかもしれません。

ライダーの応援上映会とかやって欲しいですね(笑)
みんなで「頑張れー!」とか「立てー!」とか言いながら映画館で見るの絶対に楽しいと思います。

ショットガンが似合います。
(映画.comより引用)

結局のところ、ライダーの目的は何だったんでしょうか。

ジムを何度も逃がしたり泳がしたりと『追う』という行為を楽しんでいるように見えることから、ただの快楽殺人鬼というわけではないのでしょう。しかし、ジムを追う過程で障壁となる警官などは何の躊躇いもなく殺します。

逆にジムには拳銃を手渡し、「ここで俺を撃たなければあの娘が死ぬぞ?」と脅しをかけてまで自分を撃たせようとするほどです。それでもジムが撃てなかった際には失望したかのような表情でアクセルを踏み、ナッシュの体を引き裂きます。

ナッシュ役のジェニファー・ジェイソン・リー(画像右)
芯のある強い女性で、これぞヒロインという感じでした。
(映画.comより引用)

警察に捕まり、囚人護送車に乗せられている時ですら、一瞬の隙をついてショットガンを奪い、警察を全員射殺してジムとの一騎打ちに望みます。

個人的な感想ですが、ライダーは人の心を壊すことを主として行動しており、また死に場所を求めているかのようにも見えました。

この大クラッシュもライダーのせいです。
(映画.comより引用) 

あえてジムを泳がすことで、結果的に無関係な人間(ナッシュや警察)が死んでしまいました。

もちろんジムは一番の被害者なんですけど、ライダーを殺しておけばナッシュたちの命を救えたかもしれません。ジムもジムでライダーを殺さなかったことを悔いており、だからこそ最後はパトカーを奪ってまでライダーの元へ向かったのではないでしょうか。

『自分の選択によって周りの人間が死んでしまったことへの罪悪感。更には相手(ライダー)がどんなクズであろうと人は人、命を奪えば自分は殺人鬼になってしまう』

と精神的にも肉体的にも追い込まれたジムの心が壊れていく様を楽しんでいるように思いました。

ガソリンスタンドを爆破する際もなんの躊躇いもないです。
(映画.comより引用)

そして

心のどこかでは自分の凶行を止める人間を求めていたのかもしれません。

それまでにライダーが殺害してきた人間は皆、似通った選択肢しか取らず、刺激が足りない。そんな中で出会ったジムは自分を車から突き落とす勇気と決断力を持っていた。

ジムならば自分を楽しませてくれるのでは?

自分を殺すに相応しい人間なのでは?

と思いながら行動していたのかもしれません。

だからこそナッシュを人質にして、状況的なお膳立てもある中で自身を殺す機会を与えた。にも関わらずジムがそれを拒んだからこそのあの失望の表情なのではないでしょうか。

これは本当に面白かったです!
是非とも見ていただきたいです。オススメです!

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