パーソナリティー 小原信治（放送作家）
バーテンダー・料理家　藤村公洋さん
「渋谷の映画メシ」

6月1日より、渋谷 ユーロスペースにて2本同時公開　「情熱の王国/壁は語る」

フラメンコ映画、スペイン三大悲劇「血の婚礼」の監督としてよく知られ、2023/2月に91歳の生涯を閉じた、カルロス・サウラ監督追悼企画。

「情熱の王国」メキシコを舞台に、演出家が元妻の振付師とともにミュージカルを構想する様子が、光と影の強烈なコントラストのなかで描かれます。
「スペインの人々を熱狂させるのは悲劇。カラっとしたスペインの気候からか、スペインの悲劇は血も涙もすぐ乾く」と、スペイン映画、闘牛を愛する小原さん。

「壁は語る」なぜ人は壁に絵を描くのかという問いをテーマに、監督が出演し、インタビューをして探求していく映画。
洞窟に描いた古代人の研究と、現代のグラフィティアーティストへのインタビューが交互に映し出され、「存在証明」「自己表現」「物語る」といった両者の普遍性が見いだされていきます。
芸術を尊ぶスペインのムード、随所に出てくる哲学的な問いが、観客に問いの続きを刺激します。
監督が他者へのインタビューを通して自身の主題「なぜ撮るのか」を表す、重要な作品です。