パーソナリティー 小原信治（放送作家）
バーテンダー・料理家　藤村公洋さん
「渋谷の映画メシ」
ヒューマントラストシネマ渋谷で6月28日から公開の、名匠ホン・サンス監督最新作「WALK UP」を紹介します。
アパートの階を上がるごとに、物語は4つの章へと枝分かれし、人間関係は予測不能な展開に。ユーモアとトリッキーな時間のねじれで、ままならない人生を描き出す。4階建てのアパートを舞台にした、芸術家たちのドラマです。

藤村さんが「素晴らしい。最高」と絶賛

何気ない会話はあちこちに飛んだり途切れたりする自然さ、主人公が接する女性によってキャラを変えるところ、「今この人を好きになったな」という瞬間を描き出しているところなどがとてもリアリティがあり、観客を引き込みます。このリアリズムが自分を映し出しているようで気まずくもなり。スーパーリアリズムなのにちょっと変さがあるところが、映画の面白さとなっています。
知らず知らず、映画の中に自分を見出し、自分の人生を思ってしまう…。

また、映画における時間の表現はタイムリープを思わせ、人と出会うことで他人に映った自分の人生と自分が感じる自分の人生のギャップに気づいたり、「今って、いつなんだろうな？」と、リアルなはずの自分の不安定さを思ったりと、時間の流れの違いを意識させられます。

映画メシは「サラダ」。映画の中でシーザーサラダを身近な材料で作る様子を再現。映画の主人公が菜食主義になって、材料を探すシーンを見てみると
韓国料理は意外にも菜食主義に合うことがわかります。食欲をそそる多様な調味料が野菜との相性抜群なんですね！