Ghost love〜はじまるキョウフ〜

4rd Memory「はじまるキョウフ」
10月31日4時頃 
ウォーキングしている男性が1人。
ワォー。
と後ろから犬の遠吠えが聞こえる。
立ち止まり振り返る。
……。
男性の姿は跡形もなく消え、そこには犬1匹だけがお座りしていた。
犬は何もなかったかのように翔り消えた。

10月31日7時頃
トキハは目が覚めた。
学校の準備をしようと起き上がる。
コツっ!
と窓に何か当たる音。
ふと外を見ると、外が夜のように暗かった。
そして、下にアリスがいた。
アリスが来ての合図をしていた。
急いで降りてアリスに会いに行く。
「どうしたの!?空もなんでこんなに暗いの?」
とトキハ。
「あとで話すから、とりあえず私の家に行くからついてきて。ゴーストがそこら中にいるから、静かにいこ。」
「あ…わかった。」
トキハの裏の森に入り、草むらを駆け抜け、森を抜けるとポツンと一軒の家があった。
「入って!」
と家の中に入る2人。
中は以前の家の構造と似ていた。
「あ、懐中時計持ってる?」
と探し物をしながら言うアリス。
「うん、持ってるよ!」
「動いてる?」
「…動いてる。」
アリスが戻ってくる。
「掲げてみて。」
「こう?」
と時計が光だし剣の姿になった。
「これがトキハくんの力みたい。」
と手紙が渡られる。
そこには全く一緒の剣の絵が書いてあった。
そして、下に

"アリスと一緒にキョウフを止めてくれ"

と書いていた。
「キョウフ??」
「私もわからないんだ…。周りにそういう名前のなんか知らない??」
「…聞いたことないな。あれ?そういえばおばあちゃんは?」
「それが、朝からいないの…。」
「それは心配だね…。」
「ゴーストに襲われてないかも心配だし、一緒に退治ついでに探してくれる?」
「もちろんだよ!ひとまずどこ行けばいいかな?」
「…学校だね。休校になってるけど。」
「え、そうなの?」
「外が危ないから、急遽そうなったみたい。」
「じゃあ、学校だね。行こっ!」
「うんっ!」

アリスの家を出て、森を抜け学校に向かう。
思っていたよりゴーストは町中にはいなかった。その気持ち以上に人気の無さが異常にも感じた。
学校の門の前に着くと、門の周りや学校の中にはゴーストがうじゃうじゃいた。
「え、これやばいんじゃ…。ホントに入るの?」
「…大丈夫。私のバリアで守れる限り守るから。」
「…うん、分かった。どこに行ったらいいか当てはある?」
「えーと…あ、こっち来て。」
「あ、うん。」
と学校の裏山に向かう2人。

裏山の森を抜け、校舎が全体的に見える場所に着く。
「ここなら全体見える。」
「…あの体育館はゴーストが守ってない。校舎の中からゴーストが出てきてる感じ。」
「そうだね。」
「ゴーストに向かうか、ゴーストを避けて体育館に行くかどっちにする?」
「体育館一択だね、まずは。」
「えー。向かっていくんかと思った。」
と笑いながら言うアリス。
「それはさすがに危ないって。」
「分かった。じゃあ、行こっ!」
と学校に戻る2人。

学校の裏口から門の中に入る。
ゴースト2、3体出会したが、剣で倒し、体育館の中に入る。
「待って、あれ見て。」
と隠れながら舞台を見る2人。
舞台にはゴーストがいっぱい寝そべり、真ん中には、人間がいた。
「あれって、ウチらのクラスの子じゃ。」
「うん。毛繕いしてる…。」

「なにしてんの、ここで。」
と後ろで声がする。
振り返るとそこにはアリスに話しかけていた女子生徒がいた。と同時に舞台の上にいるのがもう片方に気づく。
「平子さん達、なんでここに?何してるの?」
とアリスが言う。
「え、それは、えと…」
と首元から笛の首飾りを出す。
「なにそれ?」
とトキハ。
「あのわんちゃん達の笛。京本に持ってあなたたちが来るの見張っててって言われて。」
「京本が!?」
と思わず声が出るトキハ。
ワン、ワンっ!
と2人の存在に気づくゴーストたちが追いかけてくる。
「私たちの教室にいるから、逃げて!」
「ありがとう、行こ!」
とトキハが走り出す。
「あ、うん。」
とトキハを追いかけ、体育館を後にする。

2人は校舎に入り、ゴーストたちを倒しながら、自分たちの教室に向かう。
「トキハ、京本くんって誰?聞いたことない。」
自分たちの教室前に着き、扉を開ける。
「京本オソレ。僕の…」
黒板の方を向いている青年が振り返る。
「意外と早かったね、トキハ。」

"僕の幼馴染だ。"

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