Ghost love〜青春の始まり〜

3rd Memory「青春の始まり」
トキハとアリスの再会から1週間たち、アリスはトキハの通う学校"アワー学園"に転校してきた。
その日の昼休憩。
「アリスちゃん、どこの街からきたの?」
「アリスちゃん、友達になって!」
「アリスちゃん、弁当一緒に食べよ!」
とアリスの周りに人集りができていた。
「やっぱ、そうだよな。高望みだったな…。」
とトキハは席をたち、その場を離れた。

いつもの特等席、学校の時計台の下のベンチに着く。
「こらっ、トキハ!」
と後ろか声がして、驚いて振り返る。
そこにはアリスがいた。
「いやいや、なんで来ちゃってるの。」
「だって、気づいたらトキハがいなくなってるんだもん。急いで、あそこを抜けて探したんだからね!」
「…まあ、いいけど。」
と席に座り、仲良く食べるのだった。

ー放課後。
「帰ろっ!」
とトキハの席に来るアリス。
「アリスちゃん、私たちと帰ろ!」
「そんなやつじゃなくて、私たちと一緒のほうが楽しいよ、アリスちゃん!」
と悪口をいう同級生。
「あの!なんで帰りたい人と一緒に帰ったらダメなんですか?」
と怒るアリス。
「私たちはアリスちゃんのためを思って…。」
「は?あなたに私の中がわかるんですか?今日会ったばっかなのに。」
「そいつも一緒じゃん。」
「私たちは」
「アリス、やめとけ。帰るぞ。」
と教室を出るトキハ。
「待ってよ、トキハ!」
とトキハを追いかけるアリス。
「ちょ、まだ話終わってないんだけど!」
と追いかけようとする同級生の1人。
「もう、ほっておけ。」
と男子生徒がいう。

ー校舎の外。
「…やっと、追いついた。」
とトキハに追いつくアリス。
「…もうちょい、クラスの人と仲良くした方がいいよ?」
「だって、あの人たちめっちゃトキハのこと悪くいうじゃん。」
「…あれは、僕のせいだから。若気の至りで。」
「なんか悪いことしたの?」
「まあ、そんなことはいいからさ。仲良くしなよ。明日から文化祭の準備が始まるんだからさ。」
「え、そうなの!?」
「このままだと、仕事全部もってこられちゃうよ?」
「えー、それは嫌だよー。」
と笑いながら帰る2人だった。

ー翌日。
文化祭の出し物を決めた。
ウチのクラスではお化け屋敷になった。
お化けの企画を考えるのは自然にトキハとアリスになった。
それは仕方ない。
そのかわりにクラス全員が異様に協力的だった。
文化祭をみんな楽しみたいんだろうとアリスは言っていたが、あまりに平和にすすんでいったから、拍子抜けしていた。

ー文化祭前夜。
10月30日の帰り道。
「ついに、明日が文化祭だね!」
「…うん、いよいよだね。」
「あれ、あまり嬉しくない?」
「…実は、トキハにまだ言ってないことがあるの。」
「言ってないこと?」
「実は私がトキハに会いに来た目的がもう一つあるの。」
「目的?」
「うん。…実はね、トキハの町を助けに行ってほしいってパパに頼まれたの。」
「え、助ける?何を?」
「実は明日、ゴーストがこの町にも現れるみたいなの…。」
「…え、ゴーストが!?」
「あ、家着いたから、詳しいことは明日話すね!また明日!」
「え、あ、うん。また明日。」
と早々にトキハは家に帰るアリスを見送った。

こうして、新たな謎が蠢くこの町で、文化祭の朝を迎えるのだった…。

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