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Football Manager2024ベータ版でJリーグを1年間回してみた

Football Manager2024のアーリーアクセス版が10月19日の深夜からダウンロードできるようになった。勤務から帰宅して、柏戦の当日だったからなかなか触れなかったけれど、偽名化などを解除するなどして、J1〜J3リーグのみを、自身は無職の監督として1年間プレー(オファーを断る以外のことはしていないが)してみた。


既知の不具合など

不具合というか、現実と異なる点
AFCチャンピオンズリーグ2022の決勝戦が行われない
実際には4/29にアウェイ、5/6にホームで浦和レッズとサウジアラビアのアル・ヒラルとの決勝戦が行われたが、現状のベータ版では試合そのものが行われない。行われずにレッズの勝利扱いとなっている(ACL2024のプレーオフへの出場権も得られる)。シーズンを考えた場合、この決勝が行われることがシーズンを考える上で大きなポイントになっていたため、大きな変更点になる。スケジュール的には翌年以降を考えた場合イレギュラーなので、製品版で果たしてどうなるか?

天皇杯の出場チームが限定されている(ようだ)
天皇杯は別の記事にも書いたが、47都道府県の代表とアマチュアシードの48チームが1回戦に出場する。J1、J2にはシードがあるので都道府県の代表にはならないのだが、J3に落ちた途端に都道府県代表の決定戦に出場することになる。
つまりJ1、J2のチームもどこかの都道府県に所属しており、J3に降格すると、その都道府県の大会に出るようになるわけだ。しかし、この都道府県大会が省略されており?、例えば、長野県には長野パルセイロと松本山雅の2つのJ3チームがあるわけだが、松本山雅は天皇杯に1回戦から参加し、長野パルセイロは天皇杯には参加しないようになっていた。
なお、埼玉県からは埼玉県リーグの「ACアルマレッザ入間(旧飯能ブルーダーFC)」が参加していた。実際に昨年の天皇杯に参加したのは東京国際大だったはずであるが。

選手や監督の幾人かが存在しない
例えばレッズだと、早川隼平選手が存在しなかった。架空選手のユース選手は存在したのだが。あと存在しないのとは違うが、柏レイソルのジエゴがなぜか日本国籍になっており、国内組で構成された日本代表の一員になっている。
ヴィッセル神戸の吉田孝行監督(単にテクニカルディレクターになっている)、鹿島アントラーズの岩政大樹監督、町田ゼルビアの黒田剛監督、ザスパクサツ群馬の大槻毅監督(無職の監督としては存在した)、モンテディオ山形のピーター・クラモフスキー監督(シーズン頭からFC東京の監督になっていた)、清水エスパルスのゼ・リカルド監督(シーズン頭からクルゼイロの監督になっていた)、ジェフユナイテッド千葉の小林慶行監督(コーチだった)、カマタマーレ讃岐の米山篤志監督(町田ゼルビアのアシスタントマネージャーだった)、FC岐阜の上野優作監督(日本代表のコーチだった)あたりが正しく監督の職についていなかった。そのため、それらのチームは、まず監督探しからシーズンが始まるようになっていた。
サガン鳥栖は金明輝監督が指揮していて、川井健太監督は無職だったりしている。
レッズの内部的には、スポーツダイレクターの土田尚史、テクニカルダイレクターの西野努、GKコーチのJuan Miret、コーチの池田信康(U-18監督)、前迫雅人がおらず、平川忠亮(U-18コーチ)、小幡直嗣(鹿児島ユナイテッドコーチ)、工藤輝央(ベガルタ仙台GKコーチ)がコーチとして所属している。

クラブワールドカップの出場チームがおかしい
クラブワールドカップは存在し、12月に行われたのだが、アジアの代表チームがなぜか(ACLの優勝チームではなく)山東泰山になっていた。この辺りはACLの決勝が行われないことと関連しているのかもしれない。
なお決勝はイングランドのマンチェスター・シティとエジプトのアル・アハリの対戦となり、3-0でマンチェスター・シティの勝利。

2024シーズン

ゲームのモードとしてはリアルワールド(移籍選手が現実と同じ日付に加入し、また放出される)で、「初回移籍活動を無効にする」にチェックを入れている。
保有選手の誰かが怪我をしようが、調子が悪かろうがなんであれ移籍が行われるので、逆にリアルではないかもしれないが、シーズンが始まってから加入する選手などは、試合期間が始まってからコンディションを整える必要があるため、その影響を考えるとリアルかな、と。

ソニー仙台とヴァンフォーレ甲府との2試合の親善試合、また水戸ホーリーホック主催のHomma功労試合(というから本間幸司選手は引退した扱いになってるのだろうか)を挟んでアウェイFC東京戦でシーズンを開始。
監督不在のチームは、神戸にはレヴィー・クルピが、群馬には都並敏史が、山形には反町康治が、清水にはルイス・カレーラス、千葉には城福浩、岐阜には西村昭宏が就任、鹿島は柏のネルシーニョを引き抜き、町田は富山の石崎信弘、讃岐は名古屋経済大の白井博幸を就任させた。監督を引き抜かれた柏はその後マッシモ・フィッカデンディを、富山は鈴鹿から三浦泰年を引き抜いた。

開幕FC東京戦メンバー

開幕戦を0-1で破れると、第2節の横浜Fマリノス戦は1−1で引き分け、3節のC大阪、ルヴァンカップの湘南戦、4節の神戸戦と3連敗。ホセ・カンテが合流した5節の新潟戦で3-1のシーズン初勝利を挙げるも、続くルヴァンカップFマリノス戦、6節柏レイソル戦、ルヴァンコンサドーレ札幌戦まで3連敗を喫する。

ホセ・カンテ合流(第5節新潟戦メンバー)

7節名古屋戦から15節広島戦までルヴァンカップを含む10試合を5勝5分と無敗で抜けられたのが今シーズンの黄金期。
6月は16節鹿島戦から2勝1分3敗と躓き、ルヴァンカップも予選トーナメントで敗退すると、監督周辺が慌ただしくなってくる。そんな中、21節FC東京戦を0−0としたことでついにスコルジャ監督が解任の憂き目に。
暫定的にユース監督(本来池田信康がユース監督なのだが、このタイミングでユース監督になっていた)の金生谷仁が1試合指揮をとった(22節C大阪戦1−1引き分け)。

第22節C大阪戦メンバー

後任の監督に選ばれたのはC大阪のアシスタントマネージャーだったブルーノ・クアドロス。初戦の天皇杯3回戦札幌戦、4回戦湘南戦、23節Fマリノス戦と3連勝していい滑り出しを見せるも、24節広島戦で敗れると、8月はACLのプレーオフ以外は4連敗と「解任ブースト」も短い時間で終わる。天皇杯もこの中、準々決勝で敗退。このタイミングでエカニット・パンヤ、安部裕葵、中島翔哉が加入している。

天皇杯3回戦札幌戦メンバー

リーグ全体を見ると、4/22に東京Vが堀監督を解任したのを手始めに、翌日には金沢が柳下監督と解任ラッシュが続き、J1では5/20に鳥栖が金明輝監督を解任、後任は成都蓉城の徐正源監督、5/24には福岡が長谷部監督を解任、後任はロティーナ監督、6/3には不調を託っていたFマリノスがマスカット監督を解任、後任は柏レイソルでネルシーニョが引き抜かれた時に一時的に監督を代行していたFマリノスOBの井原正巳監督。6/7にはG大阪がポヤトス監督を解任、後任は元江原FC監督のキム・ビョンス監督。6/24に京都がチョウ・キジェ監督を解任、後任は京都OBのキム・ナミル監督。9/23にC大阪が小菊監督を解任、後任はユース育成責任者から暫定監督を務めていた風間八宏監督が昇格。

AFCチャンピオンズリーグは、サンフレッチェ広島が武漢三鎮(中国)、4.25体育団(北朝鮮)、ベトテルFC(ベトナム)のグループF(考えてみればなぜサンフレッチェも出場権を得てるんだろう? あと北朝鮮のクラブは参加できないはずでは…)
ヴァンフォーレ甲府は蔚山現代(韓国)、バンコク・ユナイテッド(タイ)、ジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)のグループG
横浜Fマリノスが浙江緑城(中国)、浦項スティーラーズ(韓国)、バシュンダラ・キングス(バングラディシュ)のグループH
浦和レッズは全北現代モータース(韓国)、山東泰山(中国)、キッチー(香港)のグループI
川崎フロンターレは仁川ユナイテッド(韓国)、ブリーラムユナイテッド(タイ)、ユナイテッド・シティFC(フィリピン)のグループJ
にそれぞれ参加し、サンフレッチェは3勝1分2敗で敗退、甲府は4勝1分1敗で通過、Fマリノスは3勝1分2敗で敗退、レッズは3勝1分2敗で敗退、フロンターレは4勝2分0敗で通過している。

9月は2勝2分1敗、10月は1勝2分1敗、11月は2勝2敗、12月に1勝1敗でACLのグループリーグ敗退、リーグも14位で、ブルーノ・クアドロス監督の解任論も巻き起こる中、シーズンは終了した。
優勝はヴィッセル神戸、2位はFC東京、3位が横浜FC、MVPはFC東京の仲川輝人、得点王はヴィッセル神戸のリンコンで19点、新人王は横浜Fマリノスの藤田譲瑠チマだった。
レッズでは、平均評価点でリンセンが7.04で11位、ゴールでもリンセンが11ゴールで9位だった。
なお、J1からは18位のサガン鳥栖がJ2に降格、J2からは清水エスパルスが優勝、2位の町田ゼルビア、4位Vファーレン長崎、5位ジュビロ磐田、6位ファジアーノ岡山との昇格プレーオフを勝ち抜いた3位の徳島ヴォルティスがJ1に昇格している。
そして21位のロアッソ熊本、22位のいわきFCがJ3に降格した。
J3からは優勝したFC今治、2位の長野パルセイロがJ2に昇格している。そして20位のカマタマーレ讃岐がJFLへ自動降格、19位のFC相模原がヴィアティン三重との降格/昇格プレーオフの結果JFLへ降格している。
なお、JFLからHonda FCが自動昇格しているのだが、Jリーグへの入会意思があるかどうか、J3のクラブライセンスの認定状況とかはどうするのだろうか?(ゲーム内では状況が変わったかどうかは扱わないにしても、新たにJリーグへ入会するようになったり、J3ライセンスが認定されたりすることもあるだろうので)
まあともかく、J3へ昇格してくれば、JFLチームもプレイヤーが操作できるようになるわけである。

乱数が色々絡んでいるので難しいところではあるが、このゲームのこのシーズンにおける浦和レッズの低迷は、一つは構造的な問題で、メインのセンターフォワードであるホセ・カンテの合流が5節まで遅れたこと。このことは単にそのFWが一人出ていないということだけでなく、合流してからチームの戦術などに馴染むまでに時間がかかるので、その期間で不利になったということである。
もう一つは、安居海渡や大久保智昭といった近年伸びてきた選手の評価があまり高くされていないことだろうか。特にリアルワールドの設定だとモーベルグがシーズン中に移籍するので、特に大久保の低評価(先発出場0、交代出場10試合)はダイレクトに関わっている気はする。
また、年齢を過大に評価されたか、西川周作の評価が非常に低く、鈴木彩艶が例によってシーズン中に移籍するわけだが、代わりに先発するのはもっぱら牲川歩見だったりするあたりで、売りである守備力が頼りにできないあたりだろうか。
Fマリノスも残留を争う17位だったのだが、これも基本G大阪の控えGKである一森純の低評価が原因ではありそうな気はする。

さて、レッズは近年北欧というか欧州各国から選手を獲得しているが、ゲームシステム上、ヨーロッパをカバーするスカウト情報が必要だが、そのために実際にフェイエノールト・ロッテルダムとの提携関係を設定する必要があるかもしれない。
実は契約的な文言だと期限は切れているのだが、昨年7月のフェイエノールトからのブライアン・リンセンの獲得を始め、今年も1月末にレッズが獲得方針を報じられたスコットランドリーグの選手がロッテルダムでメディカルチェックを受けるなど、さまざまな形で関係は続いている。
あるいは、実際にアレックス・シャルクの獲得時に視察を行ったというフェイエノールトのBernard Schuiteman氏のXのプロフィールに「浦和レッドダイヤモンズのヨーロッパヘッドスカウト」とあるように、ヨーロッパ人スカウトを浦和レッズに所属させるなどの設定が必要かもしれない(氏はフェイエノールトのスカウト職についているので、システム上複数クラブに重複して加入できるかはわからないが)。

シーズン結果(緑丸が勝利、黄半丸が引分、赤丸が敗北)
チーム内ゴール数ランキング