FIFA クラブワールドカップ開幕
いよいよ開幕するクラブワールドカップ。7チームによるノックアウトトーナメント形式としては最後の大会となり、まずは日本時間今夜27時からの1回戦アル・イテハド(開催国代表)対オークランド・シティ(オセアニア代表)の対戦で火蓋を切ることになる。
Match 1 アル・イテハド vs オークランド・シティ
アル・イテハド
アル・イテハドは昨今から移籍マーケットを騒がせている、サウジアラビアの政府系投資ファンドに支援される4クラブの一つ。リバプールのファビーニョ、レアル・マドリードのベンゼマなど莫大な資金を投じてチームを作り上げている。
が、12/1におこなれたサウジリーグ第15節には先発したベンゼマとファビーニョはどうやら負傷を負った模様で、元セルティックのジョタや元フィオレンティーナなどのアハメド・ヘガジーはスタメンに名前を並べることもなく、なかなか全員が顔を揃えるというわけにはいっていないようだ。
オークランド・シティ
一方のオークランド・シティは事実上オセアニア一強のニュージーランドの雄。ただ、地理的なこともあるし、実力的なこともあるだろうけれど、情報が少なく、上記のスタメンもメンバーから類推したもので、正確性については保証ができない。
我々にとって興味深いのは日本人選手がいることで、岐阜工業で片桐淳至と同期だった岩田卓也がそれにあたる。40歳でサイドバックというのは驚異的だ。
どうも地方の弱小チームというと、記念受験とか、思い出づくりのための大会参加みたいなイメージを持ちがちだが、オークランド・シティについてはオセアニアという環境もあるのか、実は今年の初めにも前回のクラブワールドカップに出場(エジプトのアル・アハリに3-0で敗れる)しており、むしろ大会参加チームの中では経験値が大きく、雰囲気に飲まれるとか、そういった心配は無用だろう。
両者のメンバーを見比べてみると、さすがにアル・イテハドの超高額選手といった違いはあるのだが、自国選手の評価額を比べるとそう大差はないことがわかる。だからと言ってオークランドが勝てる、ということは難しそうだが、この対照的な両者の対戦は興味深いところだ。
Match 3 クラブ・レオン vs 浦和レッドダイヤモンズ
クラブ・レオン
最低でも1億を超えてくるこの市場価値。実力的なものはもちろんだが、母国語であるスペイン語やキリスト教圏であるための文化的な差異の少なさ、EU諸国の血縁がいれば外国人と見做されなかったりするなどの環境的な有利さもあるのだろうか?いずれにせよ、相当な実力のある相手である。
浦和レッドダイヤモンズ
シーズン終盤にカップタイトルとリーグ戦の大陸大会出場枠、ACL予選を失ったこともあって、何の意味もなくなってしまったようにファンも、そして恐らく選手も感じているが、この大会の出場権を得ることにつながったACL2022の優勝、タイトルには繋がらなかったものの、ハイレベルなシーズンを送ったことは間違いない。
監督の退任が決まっており、ホセ・カンテは引退するためにチームを去ることになり、プロチームの常ではあるが、このメンバーで戦えるのはこの大会が最後の機会である。
終盤の失速を招いた原因の一つであろう疲労など、のしかかる問題は未だ去ってはいないが、この大会がいいきっかけになることを願っている。
力的にはやはりレオンが一枚上。レッズは先を考えずに、まずこの試合に勝つことに全力を注ぐべきだろう。
環境を考えた場合、サウジW杯でもそうであったように、地元クラブ、そしてイスラム教圏のクラブが観客の支持を集める傾向がある。
アル・イテハドとオークランド・シティの開幕戦はハイライトを見る限りでは大観衆が入っていることから、観客の反応は一つのポイントになる可能性はある。
メキシコは恐らくアメリカ合衆国よりはアラブ系住民に嫌われてはいないと思うが、知名度は多分オークランド・シティとどっこいどっこいではないかと思われる。その点、レッズはつい半年ほど前にACL決勝を当地で戦ったばかりであり、キリスト教国でもなく、消極的な好意的反応は期待できる(少なくともアル・ヒラルのファン以外にはw)。日本から当地へ向かう同胞たちも情熱的なパフォーマンスを繰り広げることは間違いなく、大会の予選の山が、反対側に地元アル・イテハドとアル・アハリ(エジプト)のイスラム教国が固まったこともあり(主催者サイドはバラけて欲しかっただろう)、こちらの山はレッズが観客の支持を集めてもおかしくはない。ただしこちらの山は客が少ない可能性はある。
それでもマンチェスター・シティは超有名ゆえに支持されるだろうが、実はマンCがサウジとは昨今不和が目立つアブダビ(UAE)資本に出資されている、などの影響はあるかもしれない。