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本紹介『夜と霧』

夜と霧

夜と霧
ヴィクトール・E・フランクル
みすず書房

1.本紹介

 この本は、ナチスドイツ占領下のポーランドで行われたホロコースト、ユダヤ人虐殺ついて、当時あの悪名高いアウシュビッツ強制収容所の囚人であり、なおかつ精神科医でもあった筆者が収容所内の様子や彼らの精神状況までを事細かに記したものです。
 現在でも知られる、この絶滅収容所の中はどうなっていたのか、彼の精神科医としての冷静な判断のもと、悲惨な現実が明らかになっていきます。また、彼は精神科医として、収容所という極限の状況で人間はどうなってしまうのかを事細かに記しています。食料はほとんどない中での強制労働、こんな中彼らが考えるのは「少しでも食料が欲しい」というだけで、ほかの感情が浮かぶ暇もありません。また、1944年のクリスマスとその後の新年に、収容所の囚人の多くがこの期間に亡くなっています。労働や食料は普段通りなのにどうしてこんなことがおこったのか。実は、当時収容所の中で「クリスマスまでには家に帰れる」という話が多くありました。しかし彼らのそんな望みは叶わず、「生きる意味」を失ってしまった人々が次々と亡くなってしまいました。彼らはそんな希望にすがるしか無かったのです。
 最後に、筆者はこの経験を通じて「人間とは何か」についても述べられています。彼らを収容していたドイツの親衛隊の中にも、手当たり次第に囚人に暴力を振う人がいる一方、ポケットマネーで囚人に薬を買っていた人もいました。
最後に、筆者の言葉を引用して終わりたいと思います。
『人間とは、人間とはなにかをつねに決定する存在だ。人間とは、ガス室を発明した存在だ。しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ。』

読んでいただきありがとうございました。

2.あとがき

やあ(´・ω・`)。久しぶりにあとがきを書きます、広報部長です。今回は特になにも起きない素晴らしい一日だったのでこれで終わります。
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広報部長より

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