【邦楽】2020年 今年の20曲 by シバティー
色々あったような、何もできなかったような一年ももうすぐ終わり。
ライブには一度しか行けなかったがそういう年だと割り切って過ごし、新旧様々な音楽を見つけることができた。
その中から気に入った20曲を今年発表分に絞ってセレクトしてみた。
相変わらず邦楽ロックに凝り固まっているが、一番の関心事はそうそう変わるものではないし変える必要もないかなと思う。
どうにも長くなるご託と自分語りは軽く読んでもらって、楽曲だけでも聴いていってほしい。
♪ Nothing’s Carved In Stone / Dream in the Dark
https://youtu.be/lFL2299Biew
今年発表の配信シングル第二弾。
バンドのラジオ番組(Silver Sun Radio)で初披露された。
個人的には最初ピンと来なかったというのが正直な感想だ。
しかし音源や配信ライブで繰り返し聴くうち次第に好きになっていった。
これまでの楽曲よりソフトな音作りの分、細かいアレンジをつぶさに感じられる一曲。
少し長くなるが思うことを書く。
私達の生活だけでなく音楽業界も大打撃を受け、ライブはおろかバンドメンバーが集まることすらはばかられた今年の上半期。
自分が行かずとも全国どこかしらでライブがやっていてSNSのタイムラインが賑わっていた去年までを懐かしく感じた。
そんな最中発表され、配信ライブでも披露された「Dream in the Dark」。
楽曲はそれ以前に制作されており今の状況を反映したわけではない。
しかし不安を抱えながらも前を向くナッシングスの精神性が色濃く出た歌詞がとてもタイムリーで、私は聴くたびに勇気をもらって日々を過ごすことができた。
希望とか絆とか言う柄ではないがこの曲は特別で、今年一番の曲に選びたい。
♪ Nothing’s Carved In Stone / BLUE SHADOW (Futures Ver)
2枚組セルフカバーアルバム『Futures』のラストナンバー。CDで聴くことができる。
今回のレコーディング環境と楽器隊の現在の表現力・グルーヴ、そしてボーカル村松拓さんの歌唱力によって大化けしている。(原曲も好き)
下記noteでも触れたがこのまま新曲として世に出していいクオリティでしょう。
♪ Age Factory / Dance all night my friends
https://youtu.be/KjAfvByJ-dI
アルバム『EVERYNIGHT』のオープニングトラック。
持ち味の荒々しさにポップでスタイリッシュな成分が加わったバランス絶妙な一曲。
行き場のない怒りや愁いが昇華された『EVERYNIGHT』は今年の邦楽ロックを代表する名盤といっても過言ではないでしょう。
♪ 赤い公園 / ジャンキー
https://youtu.be/lY5cElAjEQo
4つ打ちドラムに小気味よいギターカッティング、動きまくるベース、そして淡々としたボーカル石野理子さんの歌声。
どこか不気味な雰囲気がありながら一貫してポップで楽しい、これぞ新生赤い公園といった楽曲。
♪ 赤い公園 / 夜の公園
誰にも見せない部屋着から ちゃんとした部屋着に着替えてる
こんなの女性にか書けないなぁと感じる歌詞が秀逸。
甘酸っぱい、だけどもう少女ではない女性の片思いソング。
発表されている通り、ギターでバンドのコンポーザーである津野米咲さんが2020年10月に亡くなられた。
最新アルバム『THE PARK』も素晴らしくてこれからが楽しみだっただけに残念でならない。
米咲さんのご冥福をお祈りし、残された3人をこれからも応援していきたい。
♪ SUPER BEAVER / ひとりで生きていたならば
https://youtu.be/mipJGUpG1xI
嘘のないまっすぐな言葉の力を武器にブレない活動を続けるバンド、SUPER BEAVERが届けるバラード。
拘りたいことはあるが自分を平凡だとも思う人間にこそ響くのではないか。
それぞれのライフステージで感じ方は違ってくると思うので、年を重ねるたびに聴いていきたい。
♪ マカロニえんぴつ / hope
https://youtu.be/8MhMs5G0tVM
センスの塊。一筋縄ではいかない微妙な感情のニュアンスを表した歌詞が素晴らしい。
今年大ブレイクしてもおかしくなかっただけに足止めを食らったのが悔やまれる。
令和の音楽シーンを引っ張っていく存在。
♪ KYONO / THE WAY feat.Kj (Dragon Ash)
https://youtu.be/mD7HnRrPcMY
THE MAD CAPSULE MARKETSで活躍したKYONO、Dragon AshのKjが初共演。字面だけで興奮する。
ハードコアパンクの疾走感に2人の絡み合うボーカル。爆音で聴きたい。
余談だがMAD時代のオーバーサイズの着こなしが一周回ってまたトレンドになるって面白い。
♪ VELTPUNCH / She knows
https://youtu.be/Z0UV0mdJLRw
VELTPUNCHは1997年結成の4ピースオルタナバンド。恥ずかしながら最近存在を知った。
静と動の起伏ある曲展開、シャウト、男女のツインボーカルとワクワクする要素をこれでもかと詰め込んでいる。
なにより活動が長くなっても丸くならず牙をむいた攻撃的なロックサウンドを作り続けているのが凄い。
こういうキャリアの長いバンドに出会えて発表曲をこれからガンガン聴けると思うと嬉しくて仕方ない。
♪ The Birthday / オルゴール
https://youtu.be/g_u-pzvpxrQ
余計なものはそぎ落とした、静かに燃えるオトナのロックナンバー。
渋くてたまらない。
♪ BBHF / かけあがって
https://youtu.be/2OF7wNE-Mfc
前身バンドGalileo Galileiは初期の青春ロック系、後半のアーティスティックな音楽どちらも好きだったが、BBHFの魅力はまだつかみ切れていなかった。しかし今作は耳にしてすぐ「あ、良いなこれ」と感じた。
私は上手く表現できないが琴線に触れる音楽に対し「温度感・空気感が良い」というが、今作はまさにそれ。
聴くと力が抜けてリラックスできる曲。
♪ anone / Night Light
https://youtu.be/CKh9ANLBat0
anoneは下鶴光康さん(ヨルシカのサポートギター等で活動)プロデュースで今年スタートした二人組グループ。ボーカルはましろさん。
1stEP『スピカ』が各種サブスクで聴けるので検索してみてほしい。
夜中に通して聴くと捗る。
IN YA MELLOW TONEを彷彿とさせるジャジーなお洒落サウンド。
https://open.spotify.com/album/5Yzr8qVilfu0TU3gjuk5aq?si=7L1f5f99Q6uyjZONxIRRGw
♪ ポップしなないで / 夢見る熱帯夜
https://youtu.be/VcUNIbQMGqE
ポップしなないではボーカル&キーボードとドラムスの2ピースバンド。
癖のあるリリックをハイトーンで次々と投げかけてくるスタイルには妙に中毒性があり、最近何かとリピートしている。
♪ ヨルシカ / 夜行
https://youtu.be/MH5noJJfqDY
もはや説明不要で人気を博すヨルシカの配信限定シングル。3rd アルバム『盗作』にも収録されている。
ギターのアルペジオから始まるノスタルジックで美しい曲。
文学的かつ言葉遊びのようなサビのフレーズには衝撃を受けた。
♪ チューリングラブ feat.Sou / ナナヲアカリ
https://youtu.be/L-MVk5I6wjo
「今年バズった曲」といえばこれ。
YouTube再生数は4千万回を超えナナヲアカリ最大のヒット曲となった。
ボーカルやダンスのカバー動画も盛んで、ネット発音楽の定番として今後も耳にするでしょう。
ナナヲアカリは去年からよく聴いていて春先にライブにも足を運ぶ予定だったが、今年の状況では類に漏れず公演中止に。
何もかも過ぎ去った暁にはライブ会場でこの曲を聴きたい。
コール&レスポンスとか絶対楽しい曲だから。
♪ FUNNY THINK / パンクロックが鳴る夜に
https://youtu.be/M_ynprq1vqA
言ってしまえばどこかで聴いたことある量産型パンクロック。売れ線のお洒落さはない。(ごめんなさい)
しかしギターロックの美味しい所をわかっている印象で、余分なことをせず、「あえて」やっているように感じる。
聞き取りやすく力強いボーカルも良い。
こういう直球勝負なバンドが音楽シーンに立ち向かうのもカッコイイと思う。
♪ ACIDMAN / Rebirth
https://youtu.be/CvxpdsLxhXA
ACIDMANといえば生命の終わりと始まり、世界や宇宙といった壮大なスケールのテーマが特徴で、近年はそれらの世界観を表現するため音数を減らし、静かに語りかけるような楽曲が多い印象だった。
そんな中「Rebirth」は活動中期によく作られた、3ピースバンドの限界に挑戦するかような演奏力の高さが前面に出ている楽曲。
歌詞こそいつものACIDMAN全開だが、到底歌いながら弾けるとは思えないギターリフ、スラップ満載でうねるベース、なおかつアニメ主題歌なのもあってキャッチー。好みドストライクでテンションをあげざるを得ない。
♪ ストレイテナー / 叫ぶ星
https://youtu.be/RippYp-45ek
配信ライブ「TITLE COMEBACK SHOW」のラストで初披露された。
ACIDMANのコメントと被るがこれも自分好みでイントロからビビッときた。
近年はポップス・歌もの路線に舵を切っていたストレイテナー。
今作は完全にロック回帰というわけではないが力強さがここまで前に出たのは久々ではないだろうか。
4人の個性もよく出ていてきっとライブ映えするだろう。
♪ tacica / 象牙の塔
https://open.spotify.com/track/4LFWsYwFsIUBeNwOuMyB27?si=oAFiTfMnRj-oOBNJBMx8RA
tacicaの歌詞はどれも抽象的ですぐには理解できないものが多い。
その分受け手が意味を考え抜いて理解を深めたり、ふと耳に残るフレーズに視界が開けるよう感覚を覚えたりするところが他にはない魅力だ。
「象牙の塔」は結成15周年記念ライブと同タイトルの一曲。
そのライブも開催日未定の延期となっており、現在tacicaのライブで本作は一度も披露されていない。
それだけバンドにとって大事な意味を持つであろう曲で、並べられた言葉にはいつも以上の重みを感じる。
一文をピックアップして紹介するよりも、歌詞を読みながら何度も聴く方が伝わるだろう。
♪ eastern youth / 今日も続いてゆく
https://youtu.be/4M6eOKY5QCY
ラストはこの曲。
どんな時でも自分を貫き、むき出しの感情を音楽にぶつけてきたeastern youthだが、今年の状況には大きく影響を受けたように感じる。
いつもの力強い言葉に比べあいまいな表現が多く、サビも淡々としている。
今回ばかりはどうしようもない、明確な答えなんて出せないといった具合だろうか。
それでも退屈な日常を生きていく、現実と向き合っていく、という人間の普遍的な信条をここで曲にしたのは流石の一言。
社会がこれからどうなろうと響く名曲ではないだろうか。
以上20曲。気に入った曲はありましたでしょうか?
これもおすすめだという曲があればコメント等で教えてください。