株式をブロックチェーンに上場?過熱するSTO市場
こんにちは。ルピナス暗号資産ナビゲーターのshibaです。
前回の記事でRWA(Real World Asset、現実資産)のトークン化について説明しました。今回は、その中でも有価証券のトークン化に絞ってまとめてみたいと思います。
有価証券というのは、株式や債券などのように価値の裏付けがある権利を表す証券や証書のことをいいます。有価証券をトークン化することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
前回の記事に引き続き、暗号通貨ではないトークンの価値についてみていきます。
この記事は、暗号資産(=仮想通貨)投資コミュニティ、ルピナスの投資講座の内容に基づき書いています。
暗号資産の投資からWeb3.0、ブロックチェーンのことなど、暗号資産を取り巻く情勢について解説しています。その目的は暗号資産投資のリスクヘッジであり、より小さなストレスで最大の利益を得ることです。
私自身もこの記事を書きながら勉強している身で、この記事を読んでくださるあなたと共に学んでいければと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。
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また、ルピナスのホームページでは、暗号資産に関わる様々な情報提供を行っていますので、併せて参考にしていただければと思います。
※本記事では、仮想通貨、暗号通貨、暗号資産などの用語が登場しますが、これらは基本的に同じ意味です。
1.有価証券のトークン化で何が変わる?
近年注目されてきている有価証券のトークン化ですが、私達が生活する市場にどのような影響があるのでしょうか。
まずは有価証券のトークン化で何が変わるのか、そこを説明したいと思います。
そもそも有価証券とは何でしょうか。
有価証券というのは、株式や債券などのように価値の裏付けがある権利を表す証券や証書のことをいいます。
これらの証券は、証券保管振替機構(通称、「ほふり」)でデータとして管理されています。ただし、国債は除きます。
証券保管振替機構って言うとなんだか国の組織かなと思いますが、列記とした株式会社で、正式名称は「株式会社証券保管振替機構」と言います。
なんだかお堅い名前ですし、法律や専門用語を使うとわかりにくい説明になってしまいますのでほふりの役割については簡単にまとめます。
要は、「ほふり」が上場された証券の権利者を管理していると思ってください。
「この証券の持ち主はあなたですよ」という記録ですね。
東京証券取引所などで売買されている上場株式や国債を除く債券、投資信託等の有価証券は、このほふりで管理されているということになります。
ではトークン化された証券は誰が管理するのでしょうか?
■トークンの管理者は誰か
トークン化というのは、ここではブロックチェーンでの管理を指します。
つまり、「有価証券をトークンにして、ブロックチェーンで管理しよう」という意味です。
ここで、ちょっとブロックチェーンについても説明が必要だと思います。
ブロックチェーンは分散型管理の台帳だと言われています。ブロックチェーンについての詳しい説明は下記の記事をご覧いただければと思います。
分散型管理ということは、特定の管理者がいないということなのです。
トークン化された有価証券のことは、デジタル証券とも呼ばれますが、ここはとても重要なところなので理解しておいてください。
有価証券のトークン化は、単にデジタル化したとかペーパーレス化したという意味ではありません。
ブロックチェーンで管理される証券になったという意味なのです。
■ブロックチェーン管理になることの意味
ブロックチェーン管理になると具体的に何が変わるのでしょうか。
例えば、株式や債券の取引は従来、東京証券取引所などを通して行われてきました。
現在の日本では、取引できるのは9時から15時の間です。
一方ブロックチェーンになると、今の暗号通貨の取引がそうであるように、取引時間の制限はなくなります。
暗号通貨は、いつでもどこでも24時間取引が可能です。同じようにトークン化されたデジタル証券も24時間取引することが可能になります。
「でも、信頼できる管理者がいないんじゃちょっと不安だな」
こう考える人もいるかもしれません。
でも下記の記事で説明しているように、ブロックチェーンというのはデータの改ざん、消去が限りなく不可能に近い、安全性の面では非常に信頼のおけるシステムです。
ある特定の管理者(企業)が保管しているデータならば、万が一ハッキングのリスクもありますが、ブロックチェーンではそれがほとんど不可能ということです。
その他、特定の管理者がいないため、取引手数料が安いというのも特徴です。
例えば株式の売買であれば手数料が必要ですし、売買を仲介する業者の手間、労力も考えて、100株単位でしか取引ができません。
100株というのは、1株3千円の企業であれば、投資するためには30万円必要ということになります。
この単位がトークンではもっと小さく、小口化されます。
投資家にとっては投資のハードルがぐっと低くなりますね。
2.資金調達手段としてのSTO
トークン化された有価証券のことは、セキュリティトークンとも呼ばれます。
なんだかいろいろ呼び方があって混乱しますね(笑)。
トークン化された有価証券
デジタル証券
セキュリティトークン
そもそもこの証券の役割というのは、要は資金集めです。
昔からある株式の発行がそれなのですが、株式を上場することをIPOと呼びますね。
IPO=Initial Public Offeringの略称です。
新規株式公開と言われ、東京証券取引所などに上場すること、つまり一般の人が誰でも購入することができるように商品棚に陳列することをそう呼びます。
暗号通貨、仮想通貨も資金調達手段の一つとして使われます。
それがICO=Initial Coin Offeringです。
資金を集めるためにコイン=暗号通貨を発行したわけです。
ですがこのICO、詐欺案件が多発しました。
「こんなプロジェクトやります!だから資金集めるよ~、このコイン買ってね~」というわけなんですが、なんとこのプロジェクトが空っぽだったり、まったくうまくいかなかったり、途中で頓挫したりして、投資家にリターンが返ってこない、なんて案件が続出しました。
それはそうです。何しろ法整備が追い付いていなかったわけですから。
ICOをするための規制がない、誰でもコインを作ってばらまける状態だったわけです。
株式の上場はそうはいきません。金融庁の監視体制がしっかり構築されていて、投資家を保護しているからです。
そういった意味では、IPOとICOの中間に位置するのが、今回のSTOというわけです。
STO=Security Token Offeringです。
■セキュリティトークンに関する日本の法規制
暗号通貨は新しすぎて、法整備が追い付いていませんが、もともと取引されていた株式や債券、不動産、その他商品であれば既存の法律が適用されます。
法律の具体的な話は非常に眠たく(笑)なってしまうので、非常に簡単にこれだけ書いておきます。
金融商品取引法、いわゆる金商法の改正法が2020年5月1日施行され、一応セキュリティトークンは金商法上の位置づけが決まったと言われています。
企業の資金調達の面からみると以下のようなイメージになります。
IPO:しっかり規制されていてハードルが高い
STO:詐欺はできないけどハードルは下がった
ICO:法整備が整っていないため信頼性が落ちる
というわけで、これから大きなプロジェクトを動かしたい企業にとっては、STOという資金調達法は、非常に魅力的だということです。
個人の投資家からみても、国の監視によって限られた企業や商品にしか投資できなかったこれまでと比較して、ぐっとその対象の幅が広がり、投資額も下がるという感じです。
ただし、うまくいく企業、つぶれてしまう企業、リターンを生む投資、生まない投資の品定めに関して、より玉石混交ということになりますので、投資家の責任というか判断が重要になってきます。
メリットもあればデメリットもあるということは覚えておいてください。
3.デジタル証券の注目ポイントは何か
上で書いたように、STO(Security Token Offering)は、ICOよりもハードルが高く、IPOよりは低いという位置づけです。
なので、今後スタートアップの企業にとっては資金調達の面で利便性が高いです。
ICOに比べれば法律が利くので、無暗な詐欺案件の横行とはならないと思いますが、それでも今後細部の法規制の整備が必要なことは否めません。
ただ、このデジタル証券(ST)の分野が盛り上がるのかどうかは、国の法整備にかかっていると言っても過言ではないでしょう。
要点は、STOのハードルを上げすぎないことです。
ハードルが高いと日本でSTOしようと思う企業がいなくなってしまいますからね。
日々変化するWEB3.0界隈の情報を追うのは非常に大変ですが、その大変な作業を続けることで得られるリターンもあります。
ぜひこの記事やルピナスと一緒に勉強していきましょう。
まとめ
今回の記事では、RWAのトークン化についてみていきました。
最後に簡潔にまとめてこの記事を終わりたいと思います。
■今回の記事のポイント
トークン化された有価証券のことをセキュリティトークンと呼ぶ
STOは、IPOほど難しくなく、ICOよりも法整備が整っている
STOが盛り上がるかどうかは、今後の法整備にかかっている
この記事では、できるだけ初心者の方にわかりやすく書いているつもりですが、よくわからないところなどコメントいただければ別の記事で補足していきたいと思います。
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また、ルピナスのホームページでは、暗号資産に関わる様々な情報提供を行っていますので、併せて参考にしていただければと思います。
以上、ここまで読んでくださりありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
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