Ethereumのスケーラビリティを支援するレイヤー2の仕組みとは!?
こんにちは。ルピナス暗号資産ナビゲーターのshibaです。
今回は、暗号資産投資で外すことのできない注目銘柄、Ethereum(イーサリアム)のLayer2(レイヤー2)の仕組みをみていきます。
レイヤー2は、取引の承認速度を大幅にアップすることができるためとても期待されている技術です。
最近特に注目されているのは、Rollup(ロールアップ)を使ったレイヤー2です。このロールアップの仕組みを簡単に解説し、ロールアップを使ったプロジェクトをご紹介していきます。
暗号資産投資についての理解を深めることで、ストレスフリーな投資にお役立ていただければ嬉しいです。ぜひ最後まで読んでみてくださいね^^
この記事は、暗号資産(=仮想通貨)投資コミュニティ、ルピナスの投資講座の内容に基づき書いています。
暗号資産の投資からWeb3.0、ブロックチェーンのことなど、暗号資産を取り巻く情勢について解説しています。その目的は暗号資産投資のリスクヘッジであり、より小さなストレスで最大の利益を得ることです。
私自身もこの記事を書きながら勉強している身で、この記事を読んでくださるあなたと共に学んでいければと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。
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※本記事では、仮想通貨、暗号通貨、暗号資産などの用語が登場しますが、これらは基本的に同じ意味です。
1.スケーラビリティ問題の解決が期待されるレイヤー2とは
イーサリアムは、今や暗号通貨の中でもビットコインに次いで時価総額第2位を不動のものにしている代表プロジェクトの一つです。
またイーサリアムは、スマートコントラクトという契約の自動執行をプログラミングできるプラットフォームとしてユーザー数を伸ばし続けています。
以下の記事でもご紹介していますが、イーサリアムなどのブロックチェーンは、一般的に分散性、安全性、拡張性(スケーラビリティ)のトリレンマと呼ばれる課題を抱えています。
近年、特にスケーラビリティの問題が社会的にも取り沙汰されるようになってきました。
その理由は、取引の処理速度の低下やガス代と呼ばれる手数料の高騰がユーザーから問題視されるようになったからです。
このスケーラビリティの問題に対してイーサリアムは、以下2通りの解決策を模索してきました。
イーサリアム自身のアップグレード(主にShardingの研究:シャーディング)
イーサリアムのチェーンの外側での取引の処理(主にRollupの研究:ロールアップ)
■スケーリング技術の開発の略歴
スケーラビリティの問題は、イーサリアムだけでなくビットコインにも同様にあります。ビットコインでもイーサリアムでも、スケーラビリティの問題解決は重要課題です。
イーサリアムにおいて現在研究開発が進められている解決方法として、
Rollup(ロールアップ)
Sharding(シャーディング)
があります。
ロールアップは、イーサリアム・ブロックチェーンの外側(オフチェーンと言う)で取引を処理して、最終的な結果だけをブロックチェーンに記録しましょう、という方法です。
一方シャーディングは、イーサリアム・ブロックチェーンの取引処理を並列化する考え方で、イーサリアム・ブロックチェーンの本体で処理するためオンチェーンと呼ばれています。
これらの手法は、1階層めのブロックチェーンに対して、並走する2階層めという意味でレイヤー2と呼ばれます。
シャーディングの方は、実用までにまだ時間がかかると言われています。
ロールアップの方は、先日(2023年3月現在)Arbitrumがエアドロップを開始するなど、最近になって注目を集めています。
なお、過去にはライデンネットワークやPlasmaと言った技術も注目されていましたが、チャネルへの参加者が限定的であったり、中央集権的な管理が問題視されたりする中で、上記のロールアップやシャーディングに移行していった経緯があります。
今回は、今注目されているロールアップの方に焦点を当てて解説していきます。
2.2種類のロールアップ
ロールアップには、巻き上げる、束ねるといった意味があります。
L2はよく道路に例えられますが、イーサリアムなどのブロックチェーンを本線のL1(レイヤー1)として、並走する道路をL2と考えます。その並走する道路で取引を処理して、取引の結果をひとまとめにして本線ブロックに登録していくというイメージです。
図にすると以下のようなイメージです。
上の図のように、AさんとBさん、BさんとCさんの間でそれぞれ送受金等の取引が行われる場合、L1に提出されるのは最終的な結果のみとなり、各取引の承認処理が不要になります。
このような感じでくるっと束ねてまとめてL1での承認処理を行っていくことになるので取引承認作業が少なくて済むという仕組みです。
なぜロールアップがここまで注目されているかというと、イーサリアムの今後のアップグレードに関するロードマップに組み込まれているためです。
そして今、ロールアップというと”Optimistic Rollup”と”ZK-Rollup”の2つのロールアップがあります。
■Optimistic RollupとZK-Rollup
今、ロールアップには、”Optimistic Rollup”と”Zero-Knowledge Rollup”の2種類があります。
これらは、取引(トランザクション)の承認処理に対する考え方で分類されています。
”Optimistic Rollup”は「楽観的」という意味です。L1の外側で実行された取引をL1に提出する際の検証方法として、取引は全て正当なものであることを前提としているのが特徴です。
ただし、不正が検知され報告された場合は7日間程度の検証期間が設けられることになります。
一方”Zero-Knowledge Rollup”(略してZK-Rollup)とは、「ゼロ知識証明」と呼ばれる検証方法を使った手法です。「ゼロ知識証明」は暗号学で使われる専門用語ですのでとりあえずは深く考えないでくださいね。
ZK-Rollupでは、L2で実行された取引が正しいという検証結果を一緒にL1に提出します。最初に検証結果を提出するため、後から不正に対する検証期間が設けられることはありません。
3.ロールアップを使ったL2プロジェクト
最近(2023年3月)特に注目されているOptimistic RollupとZK-Rollupを使ったL2プロジェクトをいくつか紹介します。
下の表はL2プロジェクトのTVL(Total Value Locked)のランキングです。
TVLは日本語で「ロックされた金額の合計」や「預かり資産」などと言われます。この指標は、DeFiプロジェクトの価値を測る指標として知られています。
DiFi(Decentralized Finance、分散型金融、非中央集権的な金融)についてはまた別の記事で詳しく触れたいと思いますが、通貨の貸借や取引所としての機能を自動で執行する仕組み、dAppsだと理解しておいていただければと思います。
TVLが大きいということは、その利用者、投資額が大きいということになります。
上の表のTECHNOLOGYの欄を見ていただくと、TVL10位以内に今回ご紹介したOptimistic RollupとZK-Rollupを使ったプロジェクトが多数ランクインしています。
■Optimistic Rollup
Arbitrum
Optimism
■ZK-Rollup
dYdX
Loopring
zkSync Lite
ZKSpace
■その他
Immutable X
Metis Andromeda
Ape X
Sorare
特に上位1位、2位のArbitrum、OptimismのTVLのシェアは、2つ合わせると80%以上となっており、Optimistic Rollupの注目度の高さが伺えるランキングではないでしょうか。
値動きが速く、上下幅も大きい(ボラティリティが大きい)暗号通貨市場ですが、中長期的な利益を得ようとするとどうしてもプロジェクトの良し悪しや市場価値、投資家からの評価を把握しておくことが大切になります。
TVLはそんな評価手法の一つとして使える指標ですので、参考にしてみてくださいね。
今回はロールアップの紹介までとしたいと思いますが、今後L2プロジェクトの目的や特徴などについても少しずつ紹介していければと思います。
まとめ
今回の記事では、イーサリアムのスケーラビリティの解決を目指すレイヤー2技術、ロールアップをご紹介しました。また、ロールアップを使ったプロジェクトのうち、TVL上位のプロジェクトを紹介させていただきました。
最後に簡潔にまとめてこの記事を終わりたいと思います。
■今回の記事のポイント
イーサリアムは、dApps開発を支援するプラットフォームである
スケーラビリティの問題を解消するため、大型のアップデートが計画されている
ロールアップやシャーディングは、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解消する手立てとして注目されている
この記事では、できるだけ初心者の方にわかりやすく書いているつもりですが、よくわからないところなどコメントいただければ別の記事で補足していきたいと思います。
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また、ルピナスのホームページでは、暗号資産に関わる様々な情報提供を行っていますので、併せて参考にしていただければと思います。
以上、ここまで読んでくださりありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。