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「読書脳」樺沢紫苑著 読書感想

読書がしたくなる本

本書の特徴は一言でいうと、読んだ後「直ぐに本が読みたい」と思える本です。構成は大雑把にいって3つ。「読書はなぜ必要か?」「どのように本を読むべきか?」「どんな本を読んだら良いか?」と至ってシンプル。

しかし、シンプルな内容とは裏腹に、本書は「記憶に残る読書術」が随所に散りばめられているので、圧倒的な自己成長を実感できる可能性を秘めています。
普段、なかなか本を読む機会がないが、それでも読書をしたいと思っている人にはうってつけの本だと思います。

本書のデータにもある通り、日本人の平均年間読書量は12.3冊で、月に換算するとたったの1冊とちょっと。しかし、本書の読書術を実行して月7冊読めれば日本人の上位3%に入ることができます。ぜひ、読書するための脳を鍛えて自己成長し、年間100冊突破して超レア人間になりましょう。

ここからは本書から感銘を受けたポイントを3つに絞って解説していきます。

「情報」と「知識」は似て非なるもの

本書で気付かされたポイントの一つが「知識」と「情報」は全く別ものということ。これはなぜ読書が必要か、もっといえばなぜ本(書籍)でなければならないかの理由でもあります。

本書で強調されているのが、同じ文字情報でもネットや新聞、雑誌などから得られるものは、そのほとんどが「情報」であって、それと比較して体系だった書籍から得られるのが「知識」なのです。
ではその「情報」と「知識」の違いは何か。それはそれぞれの価値の違いといえます。「情報」は1年で古くなるが「知識」は10年経っても古くならない。本書の言葉を借りれば「知識とは、事実、結果、事象の積み重ねから吸い上げられたエッセンス」ということになります。

ゆえに、なぜ読書が必要なのかといえば、単なる知識ではなく、結晶化された知識が得られるから。さらに本は実践的で応用が可能なため行動につながりやすいのもポイントです。これは目から鱗の重要項目だと思います。

普段、目にしているネットや新聞、雑誌は文字情報として本と同類と思っていましたが、その性質が異なるということに気がつきませんでした。
ネットニュースを毎日読んで物知りになったつもりでも、実態としては情報量は増えても知識はほとんど増えていない。それに比べて、書籍(この場合、著者の主張が一貫して述べられているもの)から得られた知の集積は必ず自分の人生の糧となることでしょう。
これからは「情報」と「知識」を意識して本と向き合っていこうと思います。

自分のステージに合った本を読む

次にご紹介するのが「自分のステージに合った本を読む」ということ。日本の伝統芸能などで守り伝えられてきた「守」「破」「離」が、読書にも当てはまるというのです。改めて「守」「破」「離」をおさらいしておきましょう。

「守」とは、師についてその流儀を習い、その流儀を守って励むこと。
「破」とは、師の流儀を極めた後に、他流を研究すること。
「離」とは、自己の研究を集大成し、独自の境地を拓いて一流を編み出すこと。

「読書脳」第5章「読んだら忘れない」精神科医の本の選択術 p167

これを読書に当てはめると「守」は初級の段階で、基本的なことを学ぶ本のこと。「破」は中級で応用本にあたり、「離」は上級で自分流のスタイルを研究するブレイクスルー本となっています。
これまでの自分の読書スタイルを省みると、その辺の意識が全く欠けていて恥ずかしくなります。

普段の読書では自分の興味関心のある本を中心に選んでいましたが、もう少し突っ込んで、自分が今その分野のどの位置にいるのか、そして読もうとしている本が自分の現在のステージに合っているのか、そこを意識するだけで読書から得られるものは格段に大きくなります。
これは、言い換えれば自分の立ち位置とその本の位置付けを見極めなければ、永遠に自分に必要な本には辿り着けないということでもあります。

自分のステージに合った本がわかれば、圧倒的な自己成長を実現できるのではないでしょうか。ぜひ、自己を見つめ書籍を見つめる作業を怠らずに読書を続けていきたいと思います。

「スキマ時間」を活用

最後のポイントはスキマ時間の活用法です。人間は時間に制限があると集中力がアップするといいます。つまり、連続で長時間読書するよりも、細切れで短時間の読書に切り替えた方が高い集中力を発揮できるのです。

15分の読書を例にすると、最初の5分は「初頭努力」で集中力が増し、最後の5分は「終末努力」で同じように集中力がアップし合計10分間、高い集中が続きます。これを4回繰り返せば60分中、40分間は記憶力の高い状態での読書が可能になるのです。

では、その15分をいかに捻出するか。その答えが本書では「スキマ時間」ということになります。日常生活でもスキマ時間は思っている以上にあります。電車の乗り換えや休憩時間、寝る前や仕事前など、探そうと思えば日常の至るところにスキマ時間は存在しているのです。

今までまとまった時間が取れなくて読書を諦めていた自分にとっては、朗報以外の何ものでもありません。スキマ時間の方が読書に最適であり、今までスマホを眺めていた時間を読書に振り替えればよいだけの話です。これでかなりの時間を捻出できそうで、俄然やる気が出てきました。

余談ですが、私は本書のスキマ時間活用法を生かして映画を見始めました。スマホ画面に表示させた映画をスキマ時間に楽しんでいます。それまで映画は2時間といった、まとまった時間がないと見られないと思い込んでいましたが、スキマ時間でも十分連続視聴と同じように楽しめることがわかりました。
ぜひ、皆さんもスキマ時間を有効活用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

「読書脳」を読んで自分がためになったと思う3つのポイントを解説してきました。

1つ目は「情報」と「知識」の違いを意識して、体系だった書籍から10年経っても古くならない知の結晶を得ましょうということ。きっと人生が豊かになること間違いなし。
2つ目は自分のステージに合った本を選ぶ重要性。現在の自分の立ち位置と読もうとしている本のレベルを合わせることによって、歯車が合うように自己成長を実感できるようになります。
3つ目はスキマ時間の活用です。長時間の読書より短時間の細切れ読書の方が集中力がアップして記憶に残りやすいので、スマホを見る時間があったらその分を読書に振り替えましょう。

読書は楽しいものです。ぜひ、ワクワクしながら楽しむ読書を続けていって欲しいです。

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