映画レビュー
母さんがどんなに僕を嫌いでも
テレビで特集をやってたのをきっかけに、吉田羊さんの演技が迫真で『観たい!』と思っていた映画です。
ネタバレあり(見たくない方はUターンしてください)
外面のいい母親とぽっちゃりの息子と普通な感じの姉。そんな描写から始まりました。
母親は常にイライラしていて、旦那との関係が上手くいってないことに腹を立て八つ当たりを息子にし、しまいには手を出していきます。
容赦ない暴力。ターゲットにされるのはいつも息子。姉には手を出していない様子。
この母親不倫していた描写もあるんですが、息子から見た目線で描かれているため詳細は分かりませんでした。だからこそ、リアル。
その後離婚してしまいますが、他の男をすぐ作って、子育て放棄しています。親であることよりも女であることを選んだようです。
息子が何度も何度も母親に愛情を求めていくのですが、ことごとく突き放す母親。息子があまりにも健気でお母さんの役に立ちたい、お母さんから必要とされたいとひしひしと画面上から伝わってきました。とても胸が痛い。
お母さんの生い立ちも後半で明らかにされていきます。母子家庭でお母さんから虐待されていた、そして兄弟の中でも一番ひどかった、ということがわかります。
だからといって自分の子供に暴力を振るっていいわけがない。
周りから跡取りを産めと言われて妊娠し、その結果旦那が他の女を作ったということもわかってきます。だから息子を産みたくなかったということを息子本人に伝えます。
どれだけ息子を追い詰めれば気が済むのでしょうか。それでもお母さんを助けたい、お母さんがどんなに僕を嫌いでも僕はお母さんが大好きだと純粋に思う息子。こんなに切ないことがあるのでしょうか…。
息子にとってはとても幸運だったことは、周りに理解者がいてくれたこと。
幼少期はおばあちゃん、青年期には友人が支えてくれています。
こんな壮絶な人生を歩んでいるのに、全く歪むことのない息子。
衝撃的だったのはこの映画が実話を基に作られたフィクションであること。こんなことが現実にあってたまるものか、と思いつつ連日のように虐待ニュースが流れる昨今ではあり得ない話ではないということ。
この映画は最後は友人と笑っている姿が見られて救いがありました。
多くの人が知ってほしい映画あり観てほしい。
ところどころ省いてますが、それは映画をぜひ観て頂きたい。
映画って本当にいいものですね。
それでは!