鮮烈 祈りのアーティスト 小松美羽さん
小松美羽さん。
長野の生まれ故郷に在住の美しすぎるアーティスト。エネルギーがほとばしるライブペイントの様子に、私はひとたまりもなく取り憑かれたかのように魅入り、無意識のうちに魂が震えていた。
華奢な美人が文字通りめったくそそに絵の具を叩きつけるさまは、正直、常軌を逸している。…だからこその危うさ、強さ、美しさ。そして迷いのない純粋さが溢れているのだろう。疲れた様子も隙もない。初めの勢いのまま一気呵成に描きあげていく。
私はすぐさま実物に対峙しに日本橋へ急いだ。表現技術に明るいわけではない私だが、それでも伝わる大胆さと繊細さが入間じった彼女の画風は、若さに頼った勢い任せの押し付けはなく、狂おしくも一つ一つの線に混じり気のない「祈り」と「魂」が込められている。無数の強烈エネルギーに感化され、発狂する覚悟をよそに、意外な清涼感。これこそ浄化と呼ぶ作用にふさわしい感覚なのだろうか。胸やけしない。むしろ生き生きと命の鼓動と躍動を謳歌し、魂が弾けて踊っているようにさえ見えてくる。見ている側の人間は、神や自然、自分自身など命の存在を問われる。
彼女のいう「山犬さま」や神話の神々、妖精たちが、本当に実在する地があるに違いないと思えい始めている自分に驚く。純粋な信仰心が、黄金のシャワーのように降り注いでくるように思えた。