PC:17 「3Dプリンター」に見る未来。
少量の試作品を作るのに適した「3Dプリンター」が、更に進化し、注目を浴びている。
使用可能材料は、ライク(類似)樹脂。
今のところ量産品に使用される樹脂に比べて強度不足だが、形を確認するだけなら問題はない。
俺が実際に触れた製品は、0.2mm幅の樹脂層で構成されているのが目視できて、いかにも脆そうだった(3Dプリンターにも価格帯・性能差があるので一概に語ることはできない)。
しかし、それがデータ入力後たった3時間で作られたものだと知って驚いた。それだけの時間で、データが形になるなんて凄い。
「デジタルに触れる」
こんな言葉に憧れないだろうか。
巷ではVRがまだまだ注目を集めているが、人は本来存在が曖昧なものや、未知のものと触れ合い関わりたい、という欲求を持っているような気がする。頭の中に思い描いたもの、ぼんやりしたアナログな創造物をデジタル化すれば、それを短時間で形にして触れることを可能にする「3Dプリンター」。この技術が何故注目を浴びるのか。人々の夢と探究心に直結するツールだからじゃないかって思う。
そう言えば、そろそろ秋を実感する季節となり、プロ野球の優勝チームが決まり、来季編成の動きが始まった。
いつもながら、寂しい時期だ。阪神のメッセンジャー投手、鳥谷選手、巨人の阿部選手、広島の赤松選手など。今年は一時代を築いた有名選手達の引退・退団が決まった。
野球グッズはプラスチック製のものが多く、テレビ中継を見ているとスタンドにはファンによる手作り品も目立つ。
もし、皆んなの家に「3Dプリンター」があったなら、基本のデータさえあれば、それを編集してすぐに形にできるし、色々なアイデアが形になる。
時代が進んだら、グッズ売り場やネットで、品物じゃなくデータのやり取りをしたり、それを改変して形にしたり、皆自作グッズを競い合うんじゃないだろうか?
野球の応援も変わるな。
画期的なアイデアが生まれたら特許を取って一大ムーブメントを起こす可能性だってある。
例えば先日、引退する阿部選手に敵チームの阪神ファンが大声援と拍手を贈るという感動的なシーンがあったが、両チーム・両選手を称える画期的なグッズをファンが開発したりしたら……。
こうなれば、1億総ものづくり時代。
面白いじゃないか。
「3Dプリンター」が一家に一台当たり前、なんていう未来の話は決して絵空事ではない。そう、PCに実用的なOSが搭載され、爆発的に普及したあのときと同じように、ときにきっかけは必然として起こるものだ。先生が「お家の3Dプリンターで、何か作って来なさい」なんていう宿題を子供達に出すのが当たり前な未来が待っているかも知れない。
「3Dプリンター」は基本的に何でも形にできるため、他の方法で再現出来ない形状が作れてしまったりもする。
量産展開する際、製品設計者は注意しないと形状が確定したものの、金型が作れないなんてことが起こるだろう。これから、ものづくりは過去~未来までの技術が求められて大変そうだが、そこはAIが助けてくれるのかな。
「金属部品」を3Dプリンターで作る試みなども行われている。
耐久性等の課題をクリアすれば成形用・量産金型のパーツを3Dプリンターで作る、なんて可能性だって今後出てくる。
時代は、さらなる低コスト・短納期の実現に向けて加速する。
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