イベントを走るという事 ~配信アプリの実績~
配信アプリ「REALITY」にてイベントに出場したことは何度かある。
といってもそのほとんどは、100位以内に入ると特別な配信用壁紙がもらえるものだったり、REALITY内で使えるポイントやコインが参加賞的にちょっともらえるので、登録したりしている程度だ。俺がガチでイベントに参加したのは、11か月の活動の中で一度しかない。
イベントに対する思いはライバー・リスナーそれぞれあると思うが、俺自身の考えと共にちょっと書いていこうと思う。
・イベント参加のモチベーション
イベントに参加する人の参加理由は様々だ。
ざっと思いついたものを書いてみると、下記のようになるだろう。
また、真剣に参加するものには「ガチ」一応参加、くらいのものには「ユル」人によって違う場合は両方をつけておく。
①参加賞のポイントやコインが欲しい(ユル)
②せっかく視聴者が投げてくれたポイントを無駄にしたくない(ユル)
③一度経験しておきたかった(ガチ・ユル)
④配信をもっと楽しみたいから(ガチ・ユル)
⑤誰かのイベント参加に感動して(ガチ)
⑥ライバーとしての実績を残したい(ガチ)
⑦フォロワーのみんなと、形に残る思い出を作りたいから(ガチ)
⑧フォロワーのみんなに背中を押してもらって(ガチ・ユル)
⑨どうしても欲しい賞品・特典だった(ガチ)
⑩正直、収益が欲しいから(ガチ)
この中に入らない例外も存在するかもしれないが、俺の観測範囲(この言葉、一度使ってみたかったんだよね)で確認できるのはこの10通りくらいだ。
どの理由だったとしても、イベントへのガチ参加を決意するというのはすごいことだし、イベント期間、リスナーのために企画を考えたり長い時間配信する事は間違いなく称賛されるべきことだ。
結果が伴わなくても、イベントを走った事はリスナーとの共有財産になるし、自分の魅力とか不足とかを再発見できる貴重な体験だと思う。
ライバー志望の人も、趣味でやっている人も、普段はリスナーの人も、誰がどういう理由で参加してもいい、それがイベントだ。
公式配信や企業タイアップ、楽曲提供、イラスト提供、配信機材が賞品のイベントなど、ライバーを志す人にとっては自身のキャリアアップにつながるものも多いし、アバターアイテムやバッジなど、応援してくれたリスナーと共有できるアイテムが獲得できるイベントもある。
夢の第一歩として。
思いで作りの一環として。
イベントは、配信アプリの世界をより楽しむために用意された特別な期間なのである。
・イベントには感情が渦巻いている。良くも悪くも
すこし、自分語りをさせてもらおうと思う。
俺がイベントをガチで頑張ろうと思い立ち、参加したのは一度だけ。
理由としては③と④の複合といったところ。
③一度経験しておきたかった
④配信をもっと楽しみたいから
イベント出てみたら?と仲良しの人に言ってもらえても、何だか気が乗らずにいた。理由は様々ある。
イベントは通常の配信と比べて盛り上がるし、リスナーの熱量も高まる。目標に向かってひた走るライバーの思いを受けて、1人1人が自分にできる応援を精一杯行う。
初見で入室した人がその熱気に当てられてライバーのファンになることもある。また、イベントを通して仲良くなるのはライバーとリスナーだけではなく、ライバー同士も繋がりが出来る。
イベントというものは、ライバーやリスナーを楽しませるだけではなく、成長させてくれるものでもある。
しかし、いいところばかりでもない。
リスナー同士の問題や、結果が伴わないことによるライバーのモチベの低下、「金目当てだろ」などの心無い外野の発言。
かなりぶっちゃけて言ってしまえば、イベントは各配信アプリのルールのもと行うものであり、必ずしも「実力のある順」「ファンが多い順」にランク付けされるものではない。もちろん、そのルールで納得して参加した以上、結果は結果として受け止めなくてはいけないが、「入賞できなかったから自分には価値がない」と断じてしまう必要はない。
しかし現実、イベントを通してギスギスしてしまった界隈や、俺自身、イベントを見ていて「うーん…」と思ったことがないわけではないため、自分自身がイベントに出ることに対してポジティブな考えが出来なかった。
そんな俺が一度だけ、ガチでイベントに出てみようと思ったきっかけは、とあるライバーの言葉だった。
「ガチイベに出た人同士にしか、分かり合えない感覚がある」
ガチイベに参加した時のライバーの思いを知りたい気持ちはあり、仲良くしてくれている人たちの後押しもあり、2020年の末にイベントにガチ参加した。自分が今まで配信アプリでやってきた事の総決算に、12月31日の大晦日までのイベントはちょうどいいと思った。自分が真剣にイベント用に企画した配信でみんなに楽しんでほしい、という欲もあった。実績が欲しい、という気持ちもゼロではなかったのが本音だ。
後は正直、少しカチンときた部分もある。もちろん本人は意図してはいないだろうが、その発言に「リスナーにはライバーの気持ちはわからない」と線を引かれた気がしたからだ。
確かに、ライバーとリスナーの間には境界線があるべきだと俺も思う。しかし、それはあくまで立ち位置の話であって、互いの気持ちを「経験していないお前には理解できない」と言い切ってしまうのは、あまりにも寂しいじゃないか。誰かを応援するためだけにライバー活動をせずにリスナーに徹している人もいる中で、ライバーだからと言ってそんな発言をするのか。調子に乗ってんじゃねえよ。リスナー寄りの活動者として、そんな悔しさがあったのも正直なところだ。
公式や目玉イベントなどとは違い、比較的ボーダーが低い壁紙獲得イベントではあったが、参加表明のツイートをした時にはさすがに緊張した。
「配信に来てくれるかな」
「楽しんでもらえるかな」
「応援してもらえるかな」
「心折れずに走り切れるかな」
「いい成績で終われるかな」
そんな気持ちが渦を巻いて、大げさではなく、配信ボタンを押す指がうまく動かせなかった事を覚えている。ボロ負けして「誰もお前なんか応援してねーよ!」という現実を直視することになるかもしれない、というのは恐怖でしかなかった。別に負けたからと言ってそういう結論になるわけでは決して無いが、イベント直前はそんなネガティブな考えが頭を巡ってしまっていた。
初日。今までアプリ内で仲良くしていた友人達が来てくれて、激励や応援の言葉をくれた。開始時の緊張が嘘のように、いつものメンツ、久々に来てくれた人、ガチイベと聞いてわざわざ足を運んでくれた人たちのおかげで元通り喋ることが出来た。
その後の3日間もコンスタントに入室をいただき、ありがたいことにギフトも沢山もらった。
※そのイベントは4日間だった
最終日には拙い歌も披露させていただいたが、コメントやギフトで大いに盛り上げてくれ、結果は1位だった。心の中では、折れずに走りきる事、そして(入賞圏内の)100位以内に入ることを目標にしていたので、予想外の結果に本当に驚いた。初めてのイベントガチ参加で、ご祝儀的にみんなが応援のギフトを投げてくれたという事もあり、本当に、どこにも足を向けて寝られないから立って寝ようかという心持だった。
イベントが終わってまたリスナー寄りの活動に戻り、いろんな人と交流をし、いろんな人のイベント参加を見て、自分の考えが変わったかどうか。
大筋は変わっていない。応援してくれる人たちへの感謝というのはもちろん生まれたが「想像もしていなかった!」というほど考え方が大きく変わった、という事はない。しかし、より鮮明に意識するようになった事柄はある。
自分が応援してもらっている時にはただありがたい、申し訳ない、という気持ちばかりだったが、イベントを見る側に戻って改めて見てみると、
「ああ、こういうリスナーはイベント走るライバーにとってはありがたいよなあ」
というような視点で見るようになった。ギフトの量だけではなく、コメントや入室頻度、滞在時間、その他諸々。
もちろん、その逆も。
※俺の参加したイベントの10倍も20倍も入賞ボーダーが高いイベント(タイアップや公式などの目玉イベント)はまた世界が違う、という人もいるかもしれない。だがそれをいったらキリがないので、俺のイベント参加は一旦ここまでにしておこう、と思った。
イベントというものに渦巻く熱量は、通常配信と比べて格段に高い。
そしてその熱はライバーやリスナーを大きく成長させる上昇気流になってくれもするが、逆に彼らを焦がす炎になることもあり得る。イベントの結果で、あるいはイベント中のいざこざが原因で、休止や引退をしてしまったライバーを沢山見た。有料ギフトを投げられない、形として貢献できていない自分への不甲斐なさで推しの配信の入室ボタンを押すことが怖くなってしまったリスナーだっている。実際、俺も似たような気持ちになってしまったことはあった。
考え方は人それぞれでいい。
イベントを走る時にどんな考えで、どんな理由で走るかに単一の正解はない。イベントを応援する時も一緒だ。自分の信じるやり方でやるのがいいと思う。
けれど、イベントというものに渦巻くその熱の存在は、どこかで意識していた方がいいかもしれない。
・ガチイベは大変
急に小学生みたいなトピックタイトルになってしまったが、これに尽きる。
イベントのための準備、配信時間の捻出、告知…それらの実働的な大変さで体力を奪われるという事もあるが、それと同じくらいメンタルにも負担がかかる。
そして、自分を応援してくれる人が多ければ多いほど、自分だけの問題ではなくなっていく。
ライバーの、そしてリスナーの行動が、言葉が、態度が、周囲に与える影響は大きい。そして、イベントに関わった事でこれまでと同じ意識で配信アプリと向き合えなくなる人がいるのも現実だ。
個人的な事を言うと、俺はそれが怖い。
大手でも大人気配信者でもない、すみっこでマイペースに楽しんでいる俺でも、ガチイベでたくさんの人が関わってくれ、同じイベントに参加する人と競い合うことが出来た。わずかではあるが、影響を与えることが出来た。それが良い意味か悪い意味かの判断は、受け取り手側に委ねられる。
人気の配信者の影響力は、俺のそれとは比にならないくらい大きい。
ただ、それを怖がっていてはイベントなんて走れない。
特に専業ライバーとしてこれからの人生を送ろうと考えている人にとっては、この先いくらでも起こりうることだ。
大事な事なので何度も言うが、夢に向かっていくためにイベントに出る事は称賛されるべきことで、順位の付く、結果の出る勝負に身を投げていくのも必要な痛みだ。
同接や登録者、スパチャ額でそのライバーの現在地を判断される、YouTubeはそういう場所なのだから。
最後に一つ。
ライバーであるあなたを応援している人達のほとんどは、あなたに楽しい思いを、嬉しい体験をしてもらいたい、夢があるならそのための手助けがしたいという気持ちでコメントをし、ギフトを投げ、告知を拡散させている。時間を、手間を、お金を使って。
そしてその応援者達は当たり前のようにこう思っている。
「あなたには、応援されるだけの価値があり、魅力がある」
それを自覚し、皆からの応援を当たり前と思わず意識の中に置いて走り続けてくれるようなライバーを、俺は、リスナーは、多分いつまでも応援するし、大きくなっていくのを見ていたいと思う。
くじけずに頑張りましょう。
追伸
ラジオ出演イベント…出てぇ~~~(出ないけどね)
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