【朗読用素材】相棒
なあ、俺の相棒を知らないか。
ずっと一緒だったんだ。
俺にそっくりなような、正反対なような。
いつだって、俺たちはいつも2人で一つだった。
いつだ。いつからだ。
あいつと離れ離れになっちまったのは。
気づいたら、ここにいた。
泥に塗れて、傷だらけになって、ずぶ濡れのままここに放り出されちまった。
俺は。俺はさ。
お前と2人で、誰かを守ることが誇りだったんだ。
でも、こんな風になっちまった俺には、もうお前と一緒に誰かを守る資格が、ない。
ゴミを見るような目で見られても、指一本動かすことが出来ないんだ。
ああ、相棒。
お前も、この空の下、どこかにいるのかな。
お前1人になっちまって、捨てられてないといいが。
その事だけが、気がかりだ。
道路に落ちてる軍手より
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