【Vライバー話】チームの重要性 ~他人との”約束事”で結果を残す~

”約束”とは”契約”だ。
それが例え口約束であったとしても、約束は契約なのである。

自分と、自分の周りのライバーさんの悩みを少し重ねた形で今回は書いていく事にする。そのため、俺は読者の皆さんにとって「解決した先駆者」でもなければ「画期的なアイデアで解決に導く存在」でもない。

「こうすれば、悩みの解決に近づくんではなかろうか」という、自分自身も悩んでいる中での自問自答の様なものだ。
そんな感じで、今回も持論を述べていこうと思う。

・短いスパンで”結果”を求める夢追い人

「Vtuberは初動が大事!」
「最初の配信や動画で勢いをつけないと、浮上は難しい」

Vtuberとしてデビューした諸先輩方のブログや啓発動画の中で、こんな言葉をちらほら聞くことがある。

結論から言うと、俺もこれは正解だと思う。
経験から来る意見だし、どの世界でも最初のインパクトというのは重要で、それ以降の活動全てに影響を及ぼす。
どこの誰ともわからない新人の、最初の動画や配信を始まりから終いまで見てくれる視聴者などほぼ皆無であることを考えると、とりあえず最初の数分や配信の中のどこかでインパクトを残し、
「とりあえず登録しといて、また気が向いたら見に来てみよう」
くらいに思ってもらうのを目標とすれば、そこで自分を印象付けておくことの重要性は言うまでもない。
もっと正確に言うと「正解の中の一つ」だと思う。

しかし、今や2万人を数えるV活動者の中で、誰でも彼でもすぐに浮上するわけではない。
先行者有利のエンタメ業界で、例えば今からYoutuberのヒカキンと同じことをする、ゲーム実況者のキヨと同じことをする、Vtuberの葛葉と同じことをするというのは有効な策ではない。
「初動が大事」と提言する先輩方も「何でもかんでもすぐにやる」と言っているわけではなく「一定の基準をクリアしたクオリティのコンテンツを自分が持っている前提で、それを最も魅力的に、もっとも印象的に見せるには初動が大事」という意味で言っていると思われる。
「初動が大事」とは見せ方であり、自分が自信を持ってリスナーに披露できるコンテンツを持っているというフェーズをクリアした後の第二フェーズの話なのだ。

そもそも”結果を出す”とはどういうことか。
”結果を出す”=”成功者になる”という事であれば、そこには運の要素も絡むし、そもそも俺自身が成功者でも何でもない1ユーザーなので、成功のためのメソッドなんてものは持ち合わせていない。

なので、この場合の”結果を出す”というのは”形に残るコンテンツを世の中に発信する”という行為の完了、と考えていただきたい。

すぐに”成功者になる”という結果はついてこない。
確かに事実として、Youtubeなどでデビュー後あっという間に売れたライバー・歌い手・実況者などが少数ながら存在している。そのため、成功が自分のすぐ近くに転がっていると思ってしまいがちだ。
しかし、それは本当に一握りの「才能、運、努力、工夫、環境、財力、コネ」といういくつもの要素の中の複数が絡み合って上昇した稀有な存在、レアケースである。
ここまで読んでくれている人の中に「自分は上に挙げられた7個のうち4つ以上持っている」という方はこの行以降は読んでも仕方ないと思うので、今すぐご自身のライバー活動に戻る事をおススメする。

要は「それら7つの内のせいぜい1~2個、又は1つも持っていない」という人間が世の夢追い人の大半であるという事、そして自分自身もその大半の中の一人であるという事をまずは自覚しなければいけない。

「配信プラットフォームや動画サイト、SNSの隆盛によって、夢をかなえるステージが広がった」
これは事実だ。しかしそれは、
「自分が夢をかなえる確率が上がった」
と同義ではないのだ。
夢をかなえやすくなった分、ネット流行以前であれば夢を諦めていたような、自分と同じような実力・思考の人も比例して増えているのだ。
「夢をかなえた人」という分子の数が増えている分「夢をかなえたいと思う人」という分母も同じだけ増えているのである。1000分の1から10万分の100になったようなものだ。

細かい統計を取ったわけではないので雑な感覚での言葉だが、少なくとも「(自分自身が)昔よりも夢をかなえる確率が上がった」と認識するのは危険だ。
オーディションやコンテストだけでスターを生み出していた昔と違い、自分の才能や実力を披露できる場、発信するステージが増えたという、それだけの話なのだ。
オーディション時代に一次選考落ちだった人のほとんどは、残念ながら現在も(同じ実力であるならば、現時点では)日の目を見る事のない人なのだ。

とてもネガティブな事を言ってしまったが、このブログの主旨は何も、
「条件の揃ってない奴はとっとと夢を諦めやがれ!」
という事ではない。

むしろ、夢をかなえるための下準備として、今現在という時間を「ライバーらしく振舞う」事よりも他に向ける視点を持ってもいいのではないか、という前向きな提言(かつ自身への言い聞かせ)なのである。

・夢追い人のイメージ

「何になりたいか」に加えて「それになってから何がしたいか」が重要

こんな言葉がある。
「芸人になりたい」「アイドルになりたい」「Vtuberになりたい」
という夢を持つだけでなく、その夢をかなえ、見事その職業についた後に明確な活動のビジョンを持っているのか、という事である。

自分自身の過去を客観的に見つめなおすと、その言葉の意味が突き刺さる。

学生時代の俺は、お笑い芸人になりたかった。
華やかな賞レースのステージで漫才やコントを披露し、バラエティーのひな壇で騒いでいる自分…
みたいな妄想をしていた。死ぬほど恥ずかしい歴史だが、芸能人的な夢を見る人は少なからずそういった事をするだろう。

しかし、それは「誰もやった事のないお笑いをやっていきたい」「こういう笑いを届けたい」という具体的な展望は何もなく、単純に「お笑い芸人という存在になりたい」という気持ちの方が強かったように思う。

普通の人と違う職業について、人から憧れられる存在になって、文化人として世間にアピールする…
そんな輝かしい妄想ばかりが学生時代の俺の頭にはあり、当然のことながら、バイトしながら下積みをする苦労や、失敗した時のリスクを想像するなどという考えはさらさらなかった。

これは現在進行形ではなく、その夢を諦め、時間が経った今だからこそ理解できる自分の本心だ。当時であれば誰かにそう指摘されたところで、
「違う!俺は真剣に芸人やりたいんだ!お笑いで食っていきたいんだ!」
と反発した事だろう。

現在でいえば、Vtuberになりたい夢追い人の皆さん。

「にじさんじの〇〇みたいにゲーム実況したい」
「ホロライブの〇〇みたいに雑談でみんなを楽しませたい」

夢の入り口の思いとして、こう考えるのは大いに結構だと思う。
俺自身、トータルテンボスやサンドウィッチマンの漫才を見て「ああいう風になりたい」と思ったのがきっかけだったのだから。

しかし、芸人もVtuberも人気商売であり、現実としてそれを目指していくのならば自分自身をコンテンツ化させる必要がある。上記の様な考えは極端にいいかえれば、

「にじさんじの、ホロライブの○○そのものになりたい」

と言っているのと同じようなものだと俺は思う。
しかし、それでは成功の確率は限りなく低い。

俺が例え「トータルテンボスと全く同じことが出来る(ネタや声、喋り方の完コピ)」というスキルを持っていたとしても、芸人として成功するかどうかにはほぼ関係ないし、コンテンツとしての価値はとてつもなく低い。だって、それなら本物のトータルテンボスを使えばいいのだから。メディア側はそう考えるし、ファンだって本物のトータルテンボスの方を見たい。
※モノマネを武器とする場合は例外だが

「葛葉並に喋りながらゲームで魅せられる」
「叶や社築並にコンピュータ・ゲームの造詣が深い」

そういった能力をあなたが仮に持っていたとしても、同じことをやっていても注目される確率は低い。だって、あなたが座りたいその椅子には、葛葉や叶、社築本人がもう座っているのだから。

おぼろげに「Vtuberになりたい」という夢想があっても、そこにどんなに強い意志や覚悟があっても、その先の具体的なイメージがなければ妄想の域を出ていけない。たとえ彼らが引退したとしても、あなたよりも前から業界で活躍していたNEXT葛葉やNEXT叶がその席に座る。

だからこそ、先述した「何がしたいのか」が重要なのである。

自分のやりたいことが、たまたま葛葉と全く同じだったというのであれば、そこを突き詰めるべきだと思う。(とんでもなく難しい茨の道だが)

順番として、
①まずは自分がやりたい事、Vtuberになって表現したい事を明確にする。
②現在のVtuber界で自分の理想に近い活動をしている人を見つける。
③その人を目標にしたり、その人と自分とで差別化できる部分を考える。
自分独自のコンテンツとして、視聴者の需要を満たせるものを作り上げる。
という順番が正当なのではないか。

今現在のスターの成功例に引っ張られすぎると、①をすっ飛ばしてしまうように思う。

なのでまずは「自分が何を表現したいのか、自分は何が出来るのか」を確かめる事から始めるといいのではないかと思う。

とんでもなく長い前置きだったが、次の章でようやくタイトルの「他人との”約束事”で結果を残す」という話になる。

・誰かと作る成果物で、自分の能力を知ろう

ぶっちゃけ、一人でできるコンテンツには限りがある。
しかも、一人でやっていてなかなか結果が出ないとモチベーションが保てず、落ち込んだりサボりがちになってしまうという事もある。
だからこそ、チーム・ユニットで何かを作るという事が必要なのである。

すさまじいアイデアをポンポンひねり出す人、
プロ顔負けの楽曲を自分で作詞・作曲する人、
目に焼き付けられるほど美麗なイラストを描ける人、
視聴者の腹筋をネジ切る勢いで面白いことを言える人、
聞く人の耳と脳をとろけさせる程の美声を持った人…

そんな自他ともに認める特別なギフトを持ったような人は、単独で活動しようがいずれ日の目を見るだろう。
しかし、みんながみんなそんな怪物ばかりではない。

むしろ、そんな怪物を目の当たりにして「自分なんか…」とコンテンツ作りの手を止めてしまう人もいるのではないだろうか。

そうでなかったとしても、自分の強みがわからず、何を作ってみたらいいのかわからない人もいるのではないか。

モチベーションが上がらず、ついついサボりがちになってしまってはいないだろうか。

そんな時は「誰かと一緒に何かを作る」という作業がおすすめだ。
イラストでも歌みたでも動画でも企画配信でも、何でもいい。

誰かとやる事によって、役割が生まれ、納期が生まれ、責任が生まれ、最終的に「成果物」が生まれる。

一時的に組んだユニットやチームでもいい。
誰かと何かをやるという事は「やらなければいけない事」になる。
自分が出来そうになければ、早めに断る、相談するという責任も生まれる。

多少無理やりにでも、そうやって「成果物を生み出すサイクル」を作っていき、自分の中にあるものをアウトプットし、積み重ねていく事が重要なのである。

それをやっているうちに、自分がどんな事が得意なのか、どのくらいの時間でできるのか、どんなものを作っている時に喜びを感じたか、複数人での作業の時に自分はどの立場にいたか、自分の成果物に他者がどんな評価を下したかなど、様々なものが見えてくる。

デザイン会社への就職にポートフォリオ(自分の作品集)が必要なように、ライバーとして世に出ていくときに、

「自分はこういうことが出来ます!こういうものを作ってきました!」

という名刺代わりにもなる。

俺自身、俺の中の引き出しから出せるものは非常に少ない。

だからこそ、いろんな人と力を合わせて、楽しいものを作っていきたい。

夢追い人にとって、もしかしたら一番必要なのは「力を合わせる仲間」なのかもしれない。

そんな風に思う。

ちなみに、そんな風に思ってスタッフとして参加しているプロジェクトがこれ↓↓↓

REBORN PROJECT~Vライバーによる名曲の再生~

よければサイトをちらっとでも見ていただけると嬉しい。

最終的には自分一人の活動であっても、成長のために仲間と協力し合うという事は、モチベーションを維持するという点でも非常に有効な手段だと思う。

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