夜の散歩

曲を解説させていただこうかと思う

必要なことがあればこちらからtabを確認することができます。私のバッキングだけしかないし私が作った適当なtabで申し訳ないが、コピバンなどで必要な際はどうぞ!
なんか文字化けしてるけど、気にしないで〜(高比良くるまさんのギャグ)

夜の散歩 作詞作曲 柴野


いつも会うのは夜だった。
公園の決まったベンチ
何本目かのタバコと安い酒

月が綺麗だって言ったら
好きだと伝わらないかな
ぼんやりと見えない星を見ていた

「夜の散歩」ってどんな曲ですか?ってもし聞かれたとして、まあ祈っちゃ祈りなんだけど、愛を祈ることを禁じている私としては「いつだって君のことを考えているよ、大丈夫」という曲なんだということだけを先に言っておこうと思う。

いつも会うのが夜なのは仕事があったり学校があったりするからで、何回も会ってるからなんとなく決まっている、自分たちの中の特等席みたいなベンチがある。
公園の夜は静かで、星も見えなければ月も綺麗に見えるわけがない。だから、月が綺麗ですね、なんて言葉は通用しない。綺麗じゃないし、見えさえもしないから。

だけど見安い酒を飲みながら、見えない星を見ていた。見えない星も見えるような気がした。何を喋るでもなく、好きだと言えるわけもなく、ただそこにいた。

もう遅い全ての後悔を
抱きしめて息をしている
早すぎた 出会いなのかな
抱きしめてほしかっただけさ
いつだって思い出すのは
君の歌声

大抵の場合、出会いは遅すぎるだろう。
もっと早く出会えていたら、もっと別の形で出会えていたら、という曲は聞いたことがある。でも私は違って、もっと遅く出会えていたら、と思った。

もっと遅く出会えていたら、普通に友達になれたのかもしれない。もっと遅く出会えていたら、ゆっくりと話ができたのかもしれない。好きだと形容するには勿体無いというか、そんなことどうだっていいから一緒にいたかった。そのためには、何も言わないことしかできなかった。

私はよく歌う。なんとなくその時頭に流れていた曲をリフレインしてよく歌う。そうするとその人も歌う。私は自分が歌いたいんじゃなくてその人が歌うのを聴きたいから歌っているのかもしれない。

慈愛にも似た抱擁、それだけでよかったのかもしれない、もちろんそんなことも言えるわけがないけれど、少なくとも何かを肯定されたような気持ちにはなるはずだった。
だけど散歩して歩き疲れた私たちは、いつものベンチに座って見えない星を見ながら、ただ歌ったりして過ごしていた。だから、思い出すのはいつだって君の歌声くらいしかない。

いつも会うのは夜だった。
行く宛なんてないままで
何度目の夢のあとに
行き着くのは

全て夢だったと自分言い聞かせるとして、この気持ちはどこに行き着くんでしょうか?ということが言いたかったんだと、思います!
行く宛がないのは場所でもあるしこの思いでもあるな、と今気がついた

もう遅い全ての後悔は
考えすぎた結末に消えた
早すぎた 出会いだったな
抱きしめて 言えていたらな
いつだって思い出すのは
君の指

全部知らないふりをして好きとか言えていれば、たとえば月が綺麗ですね、とか冗談でも言えていれば、何かが変わったかもしれない。
でもそれで大切な友人を失うことは絶対に避けたいし、そんなことをするには時が経ちすぎてしまった。
これ以上近くなることはできないし踏み込めないという一線をなんとなく感じた上で私ができることは、早すぎた出会いだったなと噛み締めることと結末を考えすぎて消えていった全ての可能性に唸りながら、街頭に照らされたその人の指を眺めたりしていた。

深夜の店忍び込んで
聞いた3曲目
良い音をしていた
良い夜だったんだ

ミツメの「mitsume」の3曲目です。

君はあまりに美しくて
私には眩しすぎたよ

君には美しいという言葉が似合う、と思う。みんなが同じことを思っているかどうかは私には知る由もないけど、私には眩しすぎた。だから多分、これ以上はやっぱり踏み込めないと思う。

またねって 握手したけど
抱きしめて 今なら言える
いつだって思い出すのは
君の歌声

いつだって終わりにできたしそうしようともした、辛いから。ただ明るく振る舞ってしまうのが性で、いつも通りの帰り道でなんとなく握手した。それがもう終わりにするという自分の中の合図みたいなものだった。

いつだって あの夜のこと
いつだって 思い出しては
いつだって 君のことだけ
いつだって 考えている

だけど何も忘れたわけじゃない、そして叶わなかった思いを美化するほどエモに溺れていても何も始まらない、そんなことはわかっている。
私にはどうしようもできなかった全て、たとえばその人の体調とか心とか社会的な圧力とか、を感じていてもやっぱり踏み込めないからどうすることもできない。

ただいつだって私は君のことだけを考えていて、それだけは本当で、あの夜も、この夜も、全ての散歩に幸あれ、一瞬も無駄な時間などなく、私はここにいて、あなたがそこに居てくれたことを考えて過ごしています…



とまあこんな感じだと思う。MVは日芸の後輩が作ってくれました!
去年末に早稲田のロックラの後輩がコピーしてくれたらしくそれが死ぬほど嬉しかったので、もしよければ皆様もコピーしていただき(その映像を何らかの手段で公開してくれたら)必ず見に行きます、死ぬほど嬉しいです!

くるりの岸田さんのラジオでも流れたと噂のこの曲(お墨付きってことでいいですか?)があなたの夜の散歩にもフィットしますように…。


アディオス!

柴野

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